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奇系②奇経八脈

奇穴に引き続き、奇経についてまとめ。
ここからは、
・奇経八脈の役割(別名)と流注
・奇形八脈がやられた時の症状
(難経二十九難)と八総穴
について確認していく。
ちょっと長くなりそうなので、
今回は前半のみ。症状と治療はまた次回。

役割(別名)と流注

正経&任脈督脈は、ひたすら暗唱しながらツボ押さえると流注もなんとなく覚えられるが、オリジナル経穴を持たないその他の奇経は、ちと覚えづらい印象。
各経脈の類似点・相違点をイラストで比較してみるとイメージがつきやすい。
※流注はざっくり書いてるので
 側腹部とか側胸部とかは”側面”
 腹部とか前胸部とかは”前面”
 って書いてる。

任脈と督脈と衝脈

役割は、流注とセットで覚えるとしっくりくる。海シリーズ。

任脈と督脈
~齦交に施術することとかあるんかな?~
衝脈
~気衝は入らない…衝脈なのに…~

【役割・別名】
・督脈は陽気を統括する『陽脈の海』
 
(大椎で手足の三陽が交わる)
・任脈は陰経を調節胞胎を主る陰脈の海
 
(下腹部で足の三陰と交わる。陰交?)
 (月経*・妊娠・出産を調節する)
・衝脈は諸経脈と交わる『十二経脈脈の海』『血海』
 
(脊柱深部で陰陽諸経脈と交わる)
 (血を豊富に蓄える)

【流注】
いずれも胞中(子宮・小骨盤腔)から起こる。
督脈
会陰から尾骨先端経由で
 後正中線を通って歯齦へ。
・途中で風府から脳に入る。
任脈
会陰経由で
 前正中線を通って下歯齦へ。
・さらに顔面巡って目に入る。
衝脈
・脊柱深部をめぐりつつ諸経脈と交わる
         (前は陰経・後は陽経)
・気衝から皮下に出て腎経を通って口唇へ。
         (横骨~幽門)
※ 気衝は衝脈にはカウントしないのが主流

*月経には、胞中から起こる衝脈に加え
気機の調節するや天癸を主るも関係する。

月経について
~我ながら認識が雑…特に任脈w~

【余談】
体外からやってきた水穀がたまる胃は水穀の海

陰蹻脈と陽蹻脈

維脈と蹻脈でパニックに陥りがちだが、
足偏をヒントに覚えるのも良いかと…
 足の少陰腎経&太陽膀胱経の別経とか
 同じく足偏の踵から起こるとか

陰蹻脈と陽蹻脈
~陰毛の…際…~

【役割・別名】
・陰蹻脈は腎の別経
・陽蹻脈は膀胱の別経
・いずれも下肢の内外側を通って陰陽を調節

【流注】
どちらもから起こる。
陰蹻脈
・下肢の腎経を通る。
   (然谷・照海・交信)
・体幹の前面を上行して缺盆へ。
・頸動脈内側を通って晴明へ。
陽蹻脈
・下肢の膀胱経を通る。
   (申脈・僕参・跗陽)
・体幹の側面を上行して肩へ。
・頸動脈外側を通って晴明へ。

陰維脈と陽維脈

蹻脈と似たような走行だが、
すべての陰経&陽経と連絡する維脈は、
最終的に、任脈と督脈に行き着く。

陰維脈と陽維脈
~維は中国語で連結するって意味らしい~

【役割】
・陰蹻脈はすべての陰脈と連絡
     &と密な関係
・陽蹻脈はすべての陽脈と連絡
     &と密な関係
【流注】
陰維脈
・大腿内側を通る。
・体幹の前面を上行して頸部へ。
・咽喉を挟んで任脈へ。
陽維脈
・大腿外側を通る。
・体幹の側面を上行して肩へ。
・肩井で枝わかれ
 → 胆経経由で風池へ。
 → 後頚部で督脈へ。

帯脈

ツボ少ないしイラストなし。
てか、実際に描いてみると帯感なし。
(もしくは、葱の知らないタイプの帯)

【役割】
・各経脈を束ね調節

【流注】
・帯脈から帯を締めるように?
 腰腹部をひとまわり。
【関連経穴】(4穴×2)
 章門、帯脈、五枢、維道

各経脈の比較

最後に、各経脈の流注が比較できるように
まとめのイラストを添付。
【個人的なポイント】
・共通経穴
 晴明=陰/陽蹻脈
 臑兪風池=陽蹻/維脈
・陰経は内側や前面
 陽経は外側や後面
・陽蹻脈はやや前め
 陽維脈はやや後め

各経脈の比較
~陽蹻脈と陽維脈が誤差の範囲w~


というわけで、次回はこれらの経脈が病んだ時
どういう症状がでて、どう治療するのかの話。



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