症状から疾患を予想する①総論~視診~
鍼灸師の資格を取って働くにあたって、もっとガチで勉強しておけばよかったなぁ・・・と思う科目が「臨床医学総論」と「東洋医学臨床論」
基礎科目や各論が頭に入っていたら、国試対策としてはこれといって勉強しなくてもある程度点数が取れるので、存在感薄め。
でも、実際に患者さんを診るとなると、症状から疾患を予想して治療計画を立てる。って「総論と東臨やん!実はめちゃ重要な科目やったんや!」と気づいたので、改めてまとめ資料を見直し&作り直してみる。
量が多いのでデ〇アゴステ〇ーニ的に小出しにする。
視診
視診では、
・体格とか姿勢、歩行みたいに全体的に視る
・顔面とか胸部、腹部みたいに部分的に視る
・皮膚の病変(デルマドローム)を視る
というように、みかたによって得られる情報が違ってくる。
全体的に視る
~大きいとか小さいとかの話~
身長は、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、染色体の異常で伸びすぎたり伸びなかったりする。
Ex.)成長ホルモンの過剰→高身長
不足→低身長
体重は、糖質コルチコイドや甲状腺ホルモン、インスリン、染色体の異常にで太りすぎたり痩せすぎたりする。
Ex.)クッシング症候群→肥満
アジソン病→るい痩
~姿勢とか動きの話~
姿勢や歩行・運動の異常は、神経や筋疾患などでおこりがち。
Ex.)マンウェルニッケ肢位・分回し歩行
↑ 脳卒中
後傾姿勢・アヒル歩行・ガワーズ徴候
↑ 進行性筋ジストロフィー
運動の調節を行う大脳基底核や小脳の疾患では、不随意運動がおこりがち。
Ex.)安静時振戦・小字症←パーキンソン病
企図振戦・大字症←小脳障害
その他にも、代謝異常や血管の障害により麻痺や跛行などがみられる。
Ex.)周期性四肢麻痺←低カリウム/高カリウム
(原発性アルドステロン症/腎不全)
テタニー←低カルシウム/アルカローシス
(副甲状腺機能低下症/過呼吸)
間欠性跛行←血管閉塞/神経圧迫
(閉塞性動脈硬化症/脊柱管狭窄症)
部分的に視る
疾患によっては体の一部に特徴的な症状が出る。
結構覚える量が多い…今回まとめてるのは総論とか各論の授業で出てきたところだけなので、実際の臨床ではもっとたくさんあるんでしょうな…
~顔の輪郭や表情の変化だったり~
Ex.)ヒポクラテス顔貌←消耗性疾患(悪液質)
満月様顔貌←糖質コルチコイドの過剰(クッシングsynd.)
仮面様顔貌←筋・皮膚のひきつり(パーキンソン病・強皮症)
~目の周りの変化だったり~
Ex.)眼瞼下垂(両側)←重症筋無力症
(片側)←動眼神経麻痺
ホルネル症候群
閉眼障害・ベル現象←顔面神経麻痺
~手の変形だったり~
Ex.)スワンネック・ボタン穴変形・Z型変形
尺側変位・オペラグラス変形←関節リウマチ
へバーデン結節(DIP)
ブシャール結節(PIP)←変形性関節症
※リウマチではDIP変形は起こりにくい。
文字だけで覚えるのはしんどいので、ピンとこない症状はGoogle先生に画像を見せてもらうと印象に残って覚えやすい。
皮膚病変(デルマドローム)
皮膚には健康状態や血行状態を反映するので、全身疾患に関連したいろんな症状(デルマドローム)が現れる。
発疹には最初にできる原発疹と、それが変化してできる続発疹がある。
丘疹とか水疱は原発疹で、時間がたってめくれたり(鱗屑)剥がれ落ちたり(落屑)ただれたり(糜爛)したら続発疹。
色の違いは”メラニン色素の量””血流の良し悪し””血液の組成”などによる。
てことで今回は視診の話で、次回は聴診&打診の予定。
触診
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