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おすすめ絵本 じゅげむ

じゅげむじゅげむ…

読むときのリズムは、自分も日本人なのかなあって感じる、どこかで聞きかじった落語口調。ああ、昭和生まれのお決まりチャンネル笑点由来かも(笑)

誰にでもついてるもの、名前もそうだよね。

初めて親になって名前をつけるとき、まごまごした。もう考えてあった。夫婦でめちゃめちゃ考えて気に入ってた。
でも、そんな恐れ多いことしていいの私達。名づけだよ、名づけ。望んでようやく授かった子ども…子どもをもつのも責任重大だけど。

病院のベッドの足元で、ペンを持っても出生届を前に書けない夫。書こうとしては止めてため息をついてる。書こうとして息止めてる。「あー。」「いいよね、いい名前だよね」と幾度も聞いてくる。えー、それって私に聞くの。産んだとたん、お母さんって周りに呼ばれちゃうし。

ちょっとまた顔見に行っちゃおうか。うちの子は、光り輝いて見える。可愛いね。新生児室で抱き上げて見せた時、ガラス越しに我が子を見ている夫。あの眼差し…付き合って三日目以降、見たことがない熱っぽさだ。

今までみたいではいられなくなった気がする。一人の人間が一生使う名前を決める覚悟。

夫の服の色も表情も覚えている。窓から見えた遅咲きの八重桜が薄曇りの空に美しかった。もう一度、我が子を抱きにいった。そっと呼んでみた。その日みた夢も覚えている。

名前は願いだ。その願いを日々、私達はその子に呼びかける。

じゅげむに込められた長寿という願い。食う寝るところに住むところに困りませんように。

今や、そんな願いを世界中の方々と、身近な人たちに精一杯の祈りをこめて。社会の安寧が、ひとり一人の幸せと深く結びついている。



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