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#7 願えば叶う「唯一無二の会社をつくる」

皆さんこんにちは!「願えば叶う」第七回は、唯一無二の会社をつくるには・・・というタイトルで少しその方法を考えてみたいと思います。


第6回の配信では、「コア・コンピタンス」というビジネスの焦点の絞り込みについてお話いたしましたが、そこで今回はそれを超えてなお強力となるビジネスモデルの切り口としてのキーワード「掛け合わせ」に関して、お話をしたいと思います。
この「掛け合わせ」ですが、英語ではMultiply(マルティプライ)という意味になりますが、Combining (結合)やMixing(混合)などの語彙で表現できる「異なるもの同士を混ぜ合わせたり、結合させたりして単独のビジネスモデルではなし得なかった差別化を図る」という目的に加え、さらにその新しい価値を高めるという意味合いを含んでいます。Multiplyの意味に「乗じる・掛ける」という意味に加えて「多様に」「複雑に」「複合的に」という意味合いがあるからです。


そうして出来上がったビジネスモデルはCrossbreed(雑種・間の子)などの英語の意味に近いかなと思っています。
これは換言すると、

異なるジャンルや異なる概念を掛け合わせるということです。それによって新しいマーケットの創造につながりレッドオーシャンから解放されるというシナリオです。


○○x○○ という表記になるのですが、例えば、
農業x祭り、 産廃業x芸術、 アミューズメントxリハビリ など、俄かには結びつきそうもないモノとコトや、コトとコトなどを結びつけてしまうということです。即ち、

その異質なモノやコトの交差点に立ってビジネスプランを練るということです。


ここでは、産廃業x芸術=SDG’s + 国際貢献、というケースをご紹介しましょう!
このケースでは、社会貢献とビジネスを両立させた青年の実話です。

2009年に自ら経営する会社が倒産し、路上の画家になった彼(長坂真護さん)は、2017年に初めて訪れたガーナのアグボグブロシーで衝撃的な光景を目の当たりにするのですが・・・、下記のURLにて素晴らしいその活動を是非ご覧ください。https://www.magogallery.online/about

話は少し変わりますが、今でもそうなのかは知りませんが昔から日本の教育では高校生の頃には将来の進路を選択することになっています。理系か文系かを選択しなくてはなりません。
大学に行ってその道を究めるにしても、また大学には行かないと決めたとしても理系か文系かという二者択一は、目標も定まらない人生のその時点においては究極の選択と言えます。
どの道を選択するかで将来働く際に社会人としてどのような職種を選ぶのかという岐路に立たされるわけですが、どちらかを選択しなければならないというのも私はおかしなことだと思っています。


ここで少し私の体験談をお話ししたいと思いますが、私は建築学に興味があったので理系を選んでいましたが、数学と物理に苦手意識が強かったこともあり、途中から文系に転向しました。
しかし、社会人になってそして脱サラをしてからは、理系の勉強がとても大切だと気づくことになったのです。

実は理系の勉強の必要性を感じた理由は、数学や物理の知識の必要性ではなく、物事の考え方の方でした。
端的に表現しますとそれは、情緒的思考と論理的思考という区分けになります。
情緒的に考えて論理的に分析し評価する、或いは論理的思考に情緒の色合いや温度をあたえるという、そのどちらを捉えてもいずれか一方の思考だけでは物事は解決できないということを学んだからです。


私は5,6年前にひょんなきっかけから若い理系男子の友人が沢山できました。
そして理系の彼らたちからお誘いを受けIDEA TRAIN(イデア・トレイン)と題した頭の体操のようなプログラムに参加することになったのですが、これがまさにMultiplyだったのです。
ここでその内容を簡単に説明しておきます。まず、お題(テーマ)の言葉がホストから出されます。そして2つのキーワードの四則でつなげてゆくのですが、足し算、引き算、掛け算、割り算、のどれを用いても構いません。例えば、学校というテーマが与えられます。そして、一つ前の人から出されたキーワードを受け継いでそのキーワードに新しいキーワードを四則して順につなげてゆくという仕組みです。(下記はその例です)


テーマ:学校
【きょうゆう-どうしつせい=相互理解を前提とした全体画一化を求める指導要綱からの脱却。カオスの中からそれぞれの解を見つける道場的学習の場】
*上記は私の番が回ってきたときに前任者の後のキーワードが「きょうゆう」だったので、そのキーワード「きょうゆう」から「どうしつせい」を引き算して解を出したサンプルです。かならずキーワードはひらがなで書く決まりとなっています。
なので、次の人は「どうしつせい」からキーワードをつなげることになります。
そして、この私の解説が下記のようになります。


【学校も企業も、社会全体が共有という言葉に甘えた誤解を堆積させている現状に渇を入れるそんな学校をイメージしました。共有すればそれだけで安心してそれ以上の思考を手放させるだけでなく没個性化と全体主義的な思想の容認をも促すことになっている。そこには予定調和のシナリオがあって暗黙の了解で皆がそこに腰を落ち着けようとしている傾向が見受けられます。これでは未来に向けて生成発展的な人間のための社会をつくれる人材も枯渇してしまうのではないでしょうか?


「解を求めない教育」或いは「すぐに解決させないディベート的な教育プログラム」を求めたいです。】
また、もう2,3個ほどサンプルを出しておきます。
テーマ:音
【かんじょう✕でんたつ=音で伝える喜怒哀楽(モヤモヤ解消アプリ)】
解説:言葉にならない怒りや悲しみ、また喜びを音で表現してしまうアプリ。スマホに息を吹きかけ顔認証を受けるとその時の表情からその感情に対して色といくつかの音サンプルを提示してくれる。相手に対して言いたいことが言葉にならなかったり表現しづらくなったりしたときに発信できるもの。
テーマ:店
【だいほん✕(なりきり+であい)=出会い系演じきりバー】
解説:バーのカウンターがまるで小説か映画のワンシーンのようになる会員制のバー。一杯注文するとバーテンダーから台本が手渡される。そこに来ている女性も一杯頼めば彼女用にバーテンダーから台本が手渡される。バーテンダーは予め熟読しているためそのストーリーはバーテンダーが選択する。
普段の自分ではない人格や生い立ちなどのバックグランドに合わせて演じ切るため、恥ずかしさはなくうまく演じきれたらお互いの会話も弾むため新しい出会いの場となる。演じる演目は2回目からは、メニューから選べる仕組みとなっていて有名なドラマや映画の主人公の気分も味わえる仕組みとなっている。

テーマ:店
【まっちんぐ✕(むだ+ふべん+ふにんき)=企画発想の気づき販売店】
解説:世の中の無くてもいいものや不人気なものや場所などを事前アンケートで収集しておき、それらのものをジャンル問わずに展示している店。
テーマパークのように入場料を取る仕組み。
市場調査では人気のものばかりを集めてランキングするが逆に不人気なものや人に嫌われている食べ物や観光地を情報収集することで、今という時代性の根本が見えてくるのではないかという仮説です。

以上のようにキーワードをテーマに沿ってつなげていくのですが、延々と続いていく中で発想の源泉が枯渇しそうになるたびに、脳がイメージトレーニングを強いられるのでいい意味で頭の筋肉疲労を感じます。


ある時、この IDEA TRAINの主宰者にその目的を尋ねたことがあるのですが、彼はこう言いました。
「資金がないので、このように人為的な方法で蓄積した情報をもとにビッグデータを作ってAIを作りたいのです。」
私はなんという発想だと大変びっくりしたのを覚えています。


彼らとはしばらく会っていませんが、コロナ禍が終息したら実際に会って現状確認をしたいと思っています。文系と理系というキーワードは、最近よく耳にするようになった「ART& SCIENCE」というキーワードにもある意味通じるところがあるように思います。
ARTは術、SCIENCEは学というように訳せば「学術」という語彙もその両方がそろっていなければ意味をなさないということも理解できそうですね。

例えや余談が少し長くなりましたが、要するに「掛け合わせ」がビジネスのコアとコアをつなぐとき、一次元が二次元となり全く新しい価値の創造につながる可能性が広がるということを言いたかったのです。

次回も是非おつきあいをお願いします!

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