![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/79419820/rectangle_large_type_2_e12be5a599abf3e3ddc4863c3b4f31b2.jpeg?width=1200)
小澤実・佐藤雄基編『史学科の比較史』
副題に「歴史学の制度化と近代日本」とある。
帝国大学から私学まで幅広く、史学科の在り方を検討されている。史学史の上でも、どういうカリキュラムが求められたのかということも、史料収集と各大学のスタイルということに関しても、示唆に富んでいる。
また、佐藤さんの論考では、以前リポジトリで公開されていた卒業論文の歴史も扱われていて、興味深かった。
「卒業論文題目からみた近代歴史学の歩み : 東京帝国大学国史学科1905-1944の事例報告」
卒業生の進路に図書館員が少なかったという指摘があって、ちょっと意外に感じたのだが、中等学校の教員に比べると少ないということだろう。史学の就職は良かったらしく、『赤門生活』のなかでも「文科のなかの政治家」のように扱われているのは、私も以前『官僚制の思想史』のなかの「法科と文科」を執筆した際に確認した。
なお、帝国図書館の司書官にもなった村島靖雄は、明治43年卒の西洋史の人である。
![](https://assets.st-note.com/img/1654005739990-c9flP11Lds.jpg?width=1200)
このほかにも図書館関係で史学科は数名いたような気がする。
また、群馬県立太田中学校長の三浦菊太郎は、私の母校の初代校長でもあると同時に、高山樗牛の親友の一人で、彼の背景についても詳しく知ることができた。