「前進」の正体を考える―2025年J2 第2節 ロアッソ熊本vs北海道コンサドーレ札幌
ロアッソ熊本vs北海道コンサドーレ札幌は、3-0で熊本が勝利した。
やりたい形でゴールを決めれるまで、やりたい形で勝てるようになるまで、いったいどれくらい勝ち点を落とせるのだろうか。そんな気持ちにさせられる。
大分戦と比べると、三角形のパスが綺麗に回ったり、DFの後ろを突けたシーンはあった。でも熊本が札幌同様にイケイケの前のめりマインドだったからこそできたサッカーにも見える。
大分のようにできる限り陣形が広がらないようにプレーするチーム相手に、前半のようなボール運びができるのかは分からない。
主力はある程度残り、高嶺が帰ってきた。選手の質は十分すぎるくらい高い。それなのに熊本の方がよく走り、上手に見える。それが何よりも悲しかった。
岩政監督は「継承と前進」を掲げている。
「継承」したいのは、おそらく「マインドの継承」だ。ミスを恐れずリスクを負って前へ前へと前進する。そのマインドをミシャ時代から継承したいのだろう。
彼にとっての「前進」は、ミシャ時代に到達した地点からの前進ではない気がする。一度スタートに戻って前進し、ミシャ時代を超えていく。
そのためにはミシャの元でのサッカーの思考を一度リセットする必要がある。リセットした上で、岩政流のサッカーの思考を学ばないといけない。だから想像以上に時間がかかる。
ハノイFCでうまくいったのは、選手たちが乾いたスポンジだったのではないか。だから岩政監督は水を注ぐだけでよかった。
コンサの選手は、ミシャが注いだ水をどっぷり含んだスポンジだ。それを絞って乾かし、それから水を注ぐ必要がある。でもそんな時間はないから、絞って乾かすのと、水を注ぐのを同時にやっているのが今のコンサなのだ。
岩政監督のコメント読む限りだと「守備整備に取り組んだらまだ攻撃が成り立たない。でも何もしなかったら失点しまくる」というジレンマに突入するか否かの分岐点にいるような気がする。
前向きにとらえると、開幕2試合でそこにたどり着いてよかったと思いたい。もっと後なら手遅れになってた。
今のコンサは、J2をなめてるとかじゃなくて「J2をなめるかなんて眼中にないくらい頭の中がいっぱいいっぱいで混乱してる」というのが正確な状態だと思っている。
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