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【酒好きニートの酒ノート】#1 新幹線で飲むハイボールはおいしい


ハイボール。

氷を入れたグラスにウイスキーを注ぎ、ソーダで割ったもの。
しゅわしゅわの炭酸が弾けて香るモルトの匂い。
手軽に楽しめるお酒としてハイボールは酒飲みの味方。
「お酒はハイボールが好き!」って人も多いイメージ。


かく言う私も大のハイボール好き。
居酒屋のチンチロリンで大ジョッキが出たら大興奮するし、
バーのマスターと世間話をしながらハイボールを飲み交わす。

そんな感じでお酒が大好きな私でも、
直近で一番美味しいと感じたハイボールは
一杯3,000円するプレミアムなハイボールでもなく、
濃さも炭酸の強さも自分好みな家飲み用ハイボールでもなく、
新幹線の中で飲んだ何の変哲もない缶の角ハイボール。


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ハイボールと言えば庶民派ハイボールの定番。

ハイボールと聞いて一番最初に頭に浮かぶのは
サントリーの角瓶とあのメロディのCM。

特徴が無いのが特徴と言うか、
強いて言うなれば
可もなく不可もないウイスキー
というのが私の率直な感想。

そんな角ハイだけど、新幹線で飲んだ時には
普段より格段に美味しく感じたなぁ。



去年の秋、両親の銀婚に合わせて十年ぶりの家族旅行。

ご機嫌な私は弟と朝8時からビール。

自分たちが乗る訳でもない新幹線の写真を撮ったり
駅の喫煙所で暗い顔をしているサラリーマンの横で
弟と「そっちのビールも一口くれや。」
なんて何の変哲もない会話を続けた。


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そんなこんなで自分らの乗る新幹線が来て、
内装が綺麗だね、旅行なんて久しぶりだね、と
家族で話してるところに来る車内販売。

「酒飲みてぇなー、でも率先して頼むのもなぁ。」
なんて思ってたら父上の「ビール一つ」の声。

すかさず頼んだ角ハイは綺麗な乗務員のお姉さんが
丁寧に手渡ししてくれた。美人だった。


見慣れない車窓の景色と、
貸し切り状態の車内に響く父と弟の雑談。


「なんか良いね。」
と母に言うと、エビスビールを一口飲んだ後の母が
「良いね。」
とだけ言ってまたビールを進める。

その空間で飲んだ缶のハイボールは
どんな良いお店のハイボールにも負けないくらい
美味しく感じる一杯だった。


30分後に来た車内販売でまた一本頼んだけれど、
あの最初の一口は何にも勝る一口だったなと思った。



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