「哲学」の話は長くなる
というわけで、2月です。昨年末のエントリで「来年はnoteマガジンの更新をもっと多くする」と誓っていたことでもありますし、今月も先月に引き続いて、noteエントリの定期更新を行ってゆきたいと思います。
今月分のマガジンは、上掲リンク先になります。その内容としましては、まずテクストの記事が月~金曜日の週5回(原則として朝8時に)必ず更新され、その有料部分は全て上掲のマガジンを購読することで読むことができるようになっています。また、より踏み込んだ内容を語るツイキャス放送・録画の視聴パスも、本エントリ下部から取得が可能です。noteエントリの補足や質問対応、そして文章にはしにくいような微妙な問題に関する話はたいていツイキャスのほうで行っておりますし、また日々の更新で過去エントリへの言及は頻繁になされることが通常ですから、とりわけ読まれたい記事が複数ある場合には、マガジンを購読されたほうがお得になることは多いかと思います。
また、これも通例にしたがって、マガジンの新規作成とともに、スキ占い(スキをつけた時に出るランダムな占いメッセージ)の差し替えも行っております。朝に更新されるエントリを通勤・通学の道中などでお読みいただきながら、こちらも是非お楽しみくださいませ。
なお、先月分のマガジンは下掲のリンク先です。ご購読いただいている方は、もちろん従来どおり記事の閲覧もツイキャス録画の視聴もそのまま可能ですので、過去エントリを見返される際等に、ぜひご利用くださいませ。
さて、先月最初のエントリでは、「自律(Autonomie)について考えてみたい」といったことを書いたのですが、この自律という概念の内容の解明に関しては、1月に公開したいくつかの記事(たとえば、このエントリ)の中で、一定程度は行うことができたかと思います。残された問題は、自律とは自己立法(auto-nomos)であるところ、この場合の nomosは(私たちにとって)いかなるものであるべきか、ということでしょうが、おそらくはそんなことを考え続けていたせいで、先月は「人権」に関する記事を、たくさん書くことになってしまいました。
また、1月のマガジンは、「人格」や「実証主義」といった基本的な用語の定義を、その由来に遡って確認するといった内容のエントリを、多く含むことになった点でも特徴的だったかもしれません。昨今の世情においては(私が学生の頃にはまだ微妙に残存していた)「難しい言葉を敢えて使ってみせることのカッコよさ」といった感覚は死に絶えて久しいように思われますが、しかし「リゾーム」とか「差延」とか、そういう普段の生活ではお目にかかることのない謎めいた術語ではなくて、「人格」や「人権」といった、私たちが日常で当たり前に使う言葉であっても、その意味を改めて自分で説明してみることは、多くの人にとってはなかなか難しいことであったりします。
もちろん、「言葉の定義なんてググれば簡単にわかるのだから、そんなものを忙しい現代人がいちいち再検討しても無益である」といったご意見も、あり得るだろうとは思います。ただ、そのように検索すればわかる辞書的な定義をなぞっているだけでは済まない問題が、この種の日常使用する基礎的な用語にも(というか、そうした私たちにとって実に「当たり前」の概念の中にこそ)覆在しているのだということが、先月の諸々のエントリで、私がとくに強調して述べたかったことでした。
そのような内容を有するエントリに共通しているのは、既に知られた問題に関する論評や考察を行おうとするのではなくて、そもそも多くの人々にとってはそれが問題であるとすら感じられていなかった、いわば「自明の前提」のようなこと(文脈)について、その内実や妥当性を、敢えて再び問い直そうとする態度です。こういった、ある意味では「哲学的」な議論を行うに際しては、まず「それがなぜ問題であるのか」ということの説明からはじめなくてはいけませんから、1つの記事を構成するテクストの量が多くなってしまうことは、どうしても避けがたいところがあります。先月のエントリでは、「長くなっても最低限の説明はできるかぎり省略しないで行う」ことを心がけましたから、筆者としては満足のゆく形で種々の記事を出せることになりましたが、それが読者の方々の負担となっていないかどうかは、ずっと気にかかっていたところです。
とはいえ、この点に配慮しすぎて、説明不足のエントリを増やすことになってしまっては本末転倒というものですから、今月の記事でも必要な場合には、文章量が多くなっても説明を尽くすつもりではあります。ただ、そればかりでは疲れてしまうだろうとも思いますので、2月は気軽に読める短めのエントリも、意識的に出していければと考えているところです。どんなテーマを扱いたくなるかという偶然の事情に左右されることではあるので、こうした事前の意図どおりに書き進めてゆけるかどうかは不透明なのですが。
そんなわけで、今月もどうぞよろしくお願いいたします。最後にいつもの告知ですが、限定キャスで回答を希望される質問や相談等のメッセージは、ツイッターDMもしくはグーグルフォームにて受け付けておりますので、そちらのほうにお送りください。また、対談のお申込み等の様々な提案・連絡・雑談等も同じところにお気軽にどうぞ。寒波襲来のさなかではありますが、今月を乗りきれば、また暖かい季節がやってきます。それまでどうぞ皆様お身体を大切に、健康に過ごされますように。
※以下のマガジン有料エリアには、今月配信するツイキャス放送(録画)の視聴パスを記載しています。このパスで視聴可能な動画URLは、配信があるたびに、順次以下に追記してゆく予定です。
野党は大切、同性婚とパートナー制度、社会の公正さへの信頼など
勉強と九官鳥、自由と子供、リヴァイアサンの暴走と亡国など
異音の除去、「感情の権利化」、権利・義務概念のよそよそしさなど
昆虫食、個人の尊重、verticalな価値判断の根拠問題など
2月のツイキャス(録画)視聴パスが記されているのは本エントリのみであり、今月の他のエントリには有料部分にもパスの記載はございませんのでご注意くださいませ。
ここから先は
2023年2月分のエントリまとめ
2023年2月のエントリをまとめたマガジン。当月公開記事の有料部分が全て読めるのに加えて、ツイキャス放送(録画)の視聴パスも入ったお得なセ…
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?