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飛ぶ 跳ねる ソウる(Flintlock: The Siege of Dawn)


 軽快爽快ソウルライク。NORMALの難易度はかなり優し目で、高難易度への挑戦よりもフレーム回避やパリィを駆使した刺し合いを楽しみたい人向け。コンセプトはChronosに近いが、より先鋭化している。

 

 主人公は、二段ジャンプ、空中ダッシュ、遠近二種類の銃、全方位に判定のある必殺技など、「本当にソウル系か?」と思う様なモーションを備えている。加えて、目押しで攻撃スピードが上がったり、ハンテンポにしばき回すと敵の防具を剥がせる(スタブ)等、積極的に攻撃する程に有利になるスキルが用意されている。


 更にそのガン攻め推奨システムを後押しするべく、スタミナの概念も無い。武器は振り放題だし、ローリングもし放題だ。なので脳死に近くブンブンしつつ、ヤバいと思ったら回避を連打するだけで強力かつ安全(ローリングはステップ→ローリングという派生を経るので多少のタイミング合わせは必要)。


 「おまえ無双ゲーから来ただろ」と思う様な性能の主人公を駆り、敵を片端から刈り取って行く。終盤近くなると手応えのある敵配置も出てくるが、いずれも2~3takeで突破出来る程度の手応え。難易度を下げる事で、ソウル系戦闘の気持ち良い瞬間を抽出する事を試みたゲームだ。プレイ感は低難易度化されたBloodborneに近く、回避や銃パリィも絡めた刺し合いの楽しさを始終提供し続けてくれる。


 一方、気になるのは敵の硬さだ。とにかく敵が硬い上にバリエーションも少ない。敵の防御を崩すシステムを理解してないとモブ一匹に2~3分殴り続けるハメになり、虚無の時間を過ごす事になる。無双ゲーの様な性能はコレを切り崩すための物であり、ウンザリする程長いHPバーをゴッソリ削り取るのは確かに気持ち良い。が、システムを使いこなせずに馬鹿正直に殴っているとクソゲー化する

 

 主人公の超性能をドライブするコツを掴み、そのためのスキルを効率よく採る。それを意識するかどうかが良作とクソゲーの分かれ道になっている。 爽快で、軽快で、手軽でありながら刺し合いの楽しさを抽出したお薦めの逸品なのだが、開発の意図からズレた途端にクソゲー化する事にだけは注意が必要な逸品。