WISS2024にスポンサーとして参加しました
2024年12月11日 (水) から12月13日 (金) にかけて、苗場(新潟)で開催されたWISS2024に参加してきました。
WISSとは
WISSはインタラクティブシステムにおける新しいアイデアや技術について議論するワークショップです。
Helpfeelのテクニカルフェローである増井俊之先生が設立したワークショップで、今年で30周年の記念回という背景もあり弊社もスポンサーさせていただき、自身もスポンサー企業の一員として参加しました。
初日にはデモブースの出展を行い、Helpfeelでの生成AI活用事例について紹介させていただきました。
会期中のコミュニケーションツールとしてCosenseが導入されていることもあり、参加者の皆さんの弊社プロダクトの認知率の高さに驚いた日でした。
会場の雰囲気
WISSの会場はあえて都会の喧騒から離れた静かな環境に設定されることが多く、参加者が同じホテルに滞在しながら朝から夜まで集中して議論できる仕組みになっています。
今年の会場である苗場プリンスホテルは、雪の積もる山々に囲まれたリゾートホテルです。会場内は、学会らしい真剣な空気や積極的なコミュニケーションが入り混じり、居心地の良い空間でした。
会期中はホテル内に居たのであまり気になりませんでしたが、3日目の帰宅のタイミングでホテルから出た時にめちゃくちゃ寒くてびっくりしました(雪国に住んだことがないので寒さへの耐性が無い)
特に興味深かった発表
僕自身WISS初参加ということもあり、多くの新鮮かつ興味深い研究発表がありましたが、その中でも特に印象に残ったいくつかをご紹介します。
オノマトペを用いた脳波制御訓練手法による魔法ゲームシステム
セッションでの発表とデモ映像が非常に印象的で、脳波制御の可能性を強く感じました。
魔法の種類が増えた時の精度など色々と課題はあるとのことでしたが、ゲーマーの身としては脳波を入力に使ったゲームが一般的になる未来を待ち望んでいるので、個人的にとても期待したい内容でした。
(ブースの写真を撮り忘れました…)
他人のペットにアクションしてくれるバーチャルペット
VR空間上のペットを介して会話のきっかけを作る試みで、実際にデモを体験して会話のきっかけになっている印象がありました。
自分の趣味や特性を反映した何かを間に挟むことで、自然な会話を引き出すアプローチには可能性を感じています。
教育専門家による認可保育所の評判分析のための可視化
保育所データを分析・分類し、評判を可視化する取り組みでした。
ポジティブ・ネガティブな評価の紐付け判定が課題とのことでしたが、現状でも中々の精度でのクラスタリングができている印象があり、今後の精度向上にも期待がもてました。
スクロール速度に応じた段階的要約による文書提示手法の提案
スクロール速度によって要約レベルを動的に切り替える文書表示手法の発表です。
大量の情報にあふれる現代において、どの情報をどの粒度で取り入れるかは重要な課題ですが、スクロールという操作に注目して連続的に要約レベルの調整をするというアプローチが個人的にかなり面白かったです。
ShowMe: 対話的な強調表示と拡大表示によるプレゼンテーションビデオの視覚的アクセシビリティの改善
オンライン授業等の映像にアノテーションを追加し、視覚的なアクセシビリティを向上させる技術です。特に、スマートフォンでの小さな文字が見やすくなるズーム機能は非常に実用的で、ユーザーがUIの色をカスタマイズできる点も魅力的でした。
(ブースの写真撮り忘れ 2nd season)
AIによる質問を利用したメール返信支援システムの評価
弊社Helpfeelから企業賞を授与させていただいた発表です。
実際にデモを体験しましたが、操作性も良く、すぐにでも使いたいと感じるシステムでした。いきなりAIに返信文を生成させるのではなく、ユーザーにいくつか質問を投げかけてから返信文を生成するという設計は非常に理にかなっている印象で、実用化が待ち遠しいです。
WISS30周年特別講演
30周年を記念して、WISSの立ち上げ時期から関わられている先生方による特別講演が実施されました。
WISSの歴史から始まり、過去の研究事例などが紹介されたのですが、この分野のど素人である僕でもワクワクできるものも多く、普通に聞いていても楽しめるものでした。
人に使ってもらうことにフォーカスした話も多く、研究の命名は重要であるとか、最初受け入れられなくてもしつこくやることが大事とか、研究に限らず普段のエンジニアとしても振る舞いにも適用できそうな話を聞けたのもよかったです。
最後に
WISS2024は、最新の研究トレンドを知るだけでなく、異なる分野で活躍される方々と交流する貴重な機会になりました。特に夜に開催されたナイトセッションでは、参加者の方々と直接意見交換ができ、多くの学びや着想を得ることができました。
自分自身は研究というものにちゃんと触れてこなかった人間ですが、参加者の皆さんが自身の研究について意気揚々と話す様子を見て、自分も何かやってみたいと思える良い刺激を得られた3日間でした。
運営の皆様をはじめ、会期中お世話になった皆様ありがとうございました。
また機会があれば参加させていただきたいです。