ぼくは漫画家 何の取り柄もない
ぼくは何の取り柄もない人間だ。
まだぼくが小さな子供で、父が居て、母が居て、幸せだったあの頃 両親に一番褒められた〝絵を描くこと〟に執着してなんとかここまで『生きて来ただけの人間』だ。
そうすれば、そうやって生き続ければ、とっくの昔になくした父と母にまたいつか褒めて貰えるんじゃないか、なんて期待してしまっているおめでたい人間だ。
ぼくは何の取り柄もない人間だけど、両親に褒められた絵を仕事に出来たことだけは自分を誇りに思っている。
猫背のぼくは〝漫画家になった〟だけでは