制作とは、何ぞや?
「制作やってます!」と言うと、音楽界隈の方々には"作詞作曲をする人"という意味で伝わってしまう事があります。これは、所謂"楽曲制作"を指していますし、時には「レコーディング中なの?」となる事もあったりします。プリプロやレコーディングに当てている時期を"制作期間"と呼んだりもするんですよね。あらまぁ、不思議。
という訳で最近は、「ライブの現場制作やってます!」と言う機会が増えました。しかし、これまた"現場制作"と言うと、今度は舞台美術さんや大道具さんの様にトンカントンカンと舞台装置を作り上げるイメージを持たれる事もあったり、なかったり。
アーティスト、いわゆる出演者サイドの窓口となって会場側や音響・照明さんとやり取りをしたり、タイムテーブルを組んだり、ケータリングの手配をしたり、当日スタッフの配置を決めたり、さらに物販の在庫管理や販売、各所との清算業務などなど……すべき事を挙げたらキリが無いのが現場制作というものです。「物販スタッフをお願いします!」という至ってシンプルな依頼が、蓋を開けたら現場制作だった!という事もあったり、なかったり。(笑)
さて、最近では、演劇の現場にも関わっておりますが、私はそもそも音楽畑の人間で、舞台公演に関わった事はあれど、演劇界における慣例や常識を知らぬままここまで来てしまったので、ゆかりーぬさんという方のマガジンを読み漁り始めました。舞台公演における制作のプロフェッショナルな方です。とっても勉強になります……。
そして、松嶋瑠奈さんという方のnoteには、制作の苦悩と幸せが綴られています。
私は「現場制作」に関して、どこかの制作会社に属した事もなければ、誰かに教えを請うた事もなく、そもそも制作スタッフを志した記憶もなく(笑)、現場に入って見よう見真似で仕事をしていたら「制作さんなんですね!」と言われる様になった、恐らくは史上稀に見るタイプの人間だと思っているのですが(笑)、私にとって制作とは、どの現場においても
表舞台に立つ方々が、気持ち良く本番のステージに立てる様、力を尽くす事
なのだろうな、と思っています。そのために事前に準備すべき事、当日にすべき事を挙げていくと前述の様に途方も無い事になってくるのですが、重箱の隅をつつくかの様に「あれは終わったかな?」「これはどうなっているかな?」と、ひとつずつ指差し確認をしていく作業は、どうにも嫌いになれませんし、むしろ好きである以上、私はきっとこの仕事を続けてゆくのだろうなぁと思います。もちろん、お仕事を頂けるうちに限るけれど。
さて、令和の時代が始まって、早いもので1ヶ月が過ぎました。このままのペースでいくと、あっという間にオリンピックイヤーを迎えている気がしますが、後から振り返った時に「早かったなぁ」と感じる事はあれど、1日ずつ着実に進んでいたいものですね。