谷川俊太郎 「二十億光年の孤独」
『 ~僕と神様~
幸福な少年は
夢に不幸を知って
幸福を祈り
不幸な少年は
夢に幸福を知って
幸福を祈った
大きな夜が
二つの祈りを包み
明るい朝が
それをやんわりとかしてしまった
何世紀かたって
神様は二つの祈りを本にされ
僕にくださった
怠け者の僕は
それをまだ読めないでいる』
これを読んだ時、思わず本の表紙を見返しました。
これは人の作り出せる言葉なのか?と。
でもちゃんと谷川俊太郎という人の名前が書かれてました。
どこからこのような言葉がやって来るのか、着想となったものはなんなのか、今だに想像すらも及ばず。不思議です。
1952年6月、19歳の時に書かれた作品。
著書『対談』の中で
「十代の終りから二十代の初めにかけて、自分が自然というものと一体になっちゃっているような状態、一体になっている状態がそのまま生きるということで、そこで自分がほんとうに幸せで完全だったような状態があったんですよ。」
と述べられており、完全な状態。個なる存在である自分が、自然、宇宙、この世界全体と矛盾なく一体化し、完全調和の中で産まれた詩ということでしょうか。書いてる自分も意味が良く分かっていませんが。。。
人というものを超えた言葉と感じたのも当然だったのかも知れません。