「推し」という言葉について
「推す」「推し」という言葉があります。
私は、好きなものに対して言っています。
「推し俳優」「推しキャラ」「推しアイドル」など。
芸能人とかキャラクターについて言うことが多いですが、「推しブランド」「推しイタリアンレストラン」「推し都道府県」「推しコーヒー」とかもあるので、総合して『好き』という意味として使っています。
ちなみにそれぞれ、Secret Honey、カプリチョーザ、群馬県、ローソンのアイスコーヒーです。
推すとは推薦の「推」
最近、お友達のひめこさん https://twitter.com/p_himeko が、twitterでこんなことをおっしゃられていました。
ひめこさんはコアな声優さんファンです。
「推す」って何かを他人にお勧めするって意味だよね...。私、好き好きコンテンツを他人にお勧めすることってほぼないんだよね...既存のファンとは仲良くなりたいなあって思うけど、他人にお勧めするのって稀だから私には「推す」って言葉使いにくいなあ...。
なるほど!?他人に薦めるという意味!!???
私はそう考えたことがなかったので新鮮な解釈だなと思いました。
たしかに私は布教はするけど、「布教」と「推す」は別の行動と思っていました。まぁ確かに日本語的には、「推薦」の「推」だもんねぇ…
推すとは「圧力」
そこで、他の友人にも話を聞いてみました。
その子はアイドルや俳優さんの好きな人で、過去にはハマりこんでいた少年漫画もあったそうです。
他者に勧めるというより私はこの人が好きだってアピールして圧力かけるイメージ。好きだつってんだから貶したら殺すに近いかな。大抵は周囲へのアピールかね。
これも面白いなと思いました。
確かに私は、この人が推しなんです!!と主張することによって、周りの人にその役者を認知させたりするような(好きだつってんだから貶すなよ?と言外に脅しつつ)こともありますが、私はそれらを、「推す」行動の副次的な作用だと思っていました。。
私にとっての「推す」という言葉の意味
では、私にとっての「推し」という言葉のニュアンスについて説明したいと思います。
アイドルオタクがライブ中に取る行動に、「推しジャンプ」というものがあります。
身近に2000年代前半くらいにハロープロジェクトのオタクをしていた者がいまして、その者から2010年前後に教えてもらった言葉です。
引用:https://d.hatena.ne.jp/keyword/%E6%8E%A8%E3%81%97%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%97
推しジャンプ(アイドル)
【おしじゃんぷ】
アイドルのコンサートのMC中などに、ステージ中の対象から視線や反応を得るために行う行為。
応援対象(=推しメンバー)に対するジャンプであることから名付けられた。
腕を高く挙げつつ応援対象の方向を指差しながらの垂直跳びが基本。
私が知っている動きだと、ゲッツのポーズで垂直にぴょんぴょん飛びながら、対象を指さすというものです。
動画を見つけました。こういうのもあるらしいです。
こういった動きからのイメージを元に、私からの愛情や力量を相手に押し出してるイメージで「推す」「推し」と使っています。
言葉の意味やニュアンスって変わっていく
この推しという言葉がより広く使われるようになってから、私は体感10年くらいです。
AKB48が赤チェック着て、前田敦子が永遠のセンターだったころくらいから周りで言われ始めました。
それまではアニメキャラが好きでも、「嫁」とか言ってた気がする。推しという言葉が現れたことによって、私は推しジャンプをする客席の存在で、対象はステージ上にいるという、立場の分断が明らかになったように感じられます。
そして、合わせてオタクという言葉も、蔑称と卑下の言葉から、最近ではそういったニュアンスも薄れてきているようです。
(例えばメイドカフェや地下アイドルの現場で、お客さんのことを面と向かって「私のオタクは」っていう言い方を最初に聞いたのが4~5年前。その言い方は失礼だろとびっくりした記憶)
なので、こういった2021年のログは、ちょっと未来に意義深いのではないのでしょうか。
しらんけど。
※本記事は一個人の経験に基づいた感想であり、正式な根拠に基づくものではありません、の意。
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