中国の「インターネット露天商」に、リモートでスマホを修理してもらった(後編)
ここまでのあらすじ
中国版メルカリのようなフリマサイトには、自分で各種サービスを提供するフリーランス出品者が多数いる。それを私は「インターネット露天商」と名付けた。
今回友人からiPhone故障の相談を受けた私は、中国のECサイトから、フルーツ兄貴と名乗るiPhone修理人にコンタクトを取る。
そして、私は一昔前の中国メッセンジャーアプリQQでフルーツ兄貴と連絡先を交換し、これからリモート修理が始まるのであった…
詳しくは昨日のnote👉 https://note.com/necorative/n/n2de3a5048dea
いや、明らかに怪レい
兄「そしたらQQでインストーラーを送りますので、インストールしてください」
送られてきたインストーラーは、ToDeskなる中華製リモートデスクトップアプリ…いや、明らかに怪レい。
公式サイトのフォントがガバガバなのもめちゃくちゃ怪レい。
が、これもnoteのネタになるだろう、と思い、セキュリティリスクを冒しつつインストールします。
兄「画面上に出てきた数字を送ってください」
ここの数字がID・パスワードを先方にシェアすると、こちらのPCを遠隔操作できるようになるそうです。
そして、遠隔操作によって勝手に私のマウスカーソルが動き、怪レげなiPhone管理ツール的なものがインストールされます。
うん、なんやこのソフト……
私は割と中国IT慣れしてるのと、毒を食らわば皿までみたいなところがあるので全然平気なのですが、これは一般の方は怖いですわな……
びっくりスピーディ
そして謎のiPhone管理ツールを私のPCにインストールし、フルーツ兄貴は何かのダウンロードを始めました。ドライバーと、5GBくらいあるファイルです。
ダウンロード終わったら呼んでださい、とフルーツ兄貴はどこかに行きました。
DLが終わり、できたよーとフルーツ兄貴を呼ぶと、
私「DLできました」
兄「この図を見て、電源を切って、USBケーブルを繋がないでください」
なんと専用画像まで用意されている。親切だぜフルーツ兄貴。
ちなみに私、生粋のAndroid党で宗教上の理由からiPhoneは使えず、iPhoneのロック画面から電源を切る方法すらわからなかったのですが、マイナスボタン押しながらサイドボタン、それから電源を切るに向かってスライドですよ、と親切に教えてもらいました。ありがとうフルーツ兄貴。
DFUモードへの入り方も親切におしえてもらいました。
そしてなんやかんやで、管理ツールからインストール、iPhone復活。
もはや記事にしても面白くないくらい、スピーディ。
そして無事iPhoneは使えるようになったのでした。
再び、怪レいツールが
ところでこのiPhoneですが、知人のものだったので本当にわからなかったのですが、動作確認で手元のSIMを差したところ「不正なSIMです」と表示されてパニくりました。
中国語はそこそこわかる私ですが、親の仇ほどにiPhoneを嫌っているので、iPhoneのことがわかりません。
兄「卡贴机。不可以插卡激活」
※機械翻訳してみたところ、「カードステッカーマシン。 カードを挿入しても起動しない」と出ました。
( ^ω^)?????????
とまぁ、何もかもがわからない私でしたが、iOS情弱の私にもフルーツ兄貴は優しく教えてくれたのでした。ありがとうフルーツ兄貴。
※実際は、「SIMロックがかかってるため、SIM下駄がないとダメな端末ですね。今お手持ちのSIMじゃアクティベーションできません」という意味だった。
フルーツ兄貴はどうしてフルーツなのか
Apple製品をどうにかしてくれるお兄さんだからフルーツ兄貴なのか、と気付きました。
気付きを得た顔
明日から使える、怪レいiPhone裏技界隈中国語
卡贴 kǎ tiē …SIM下駄
黑解卡 hēi jiě kǎ …アクティベートカード
网络锁 wǎng luò suǒ …SIMロック
合约机 hé yuē jī …SIMロックされた端末
いやSIM下駄って10年ぶりに聞いたよ…
約10年前 SIMロック解除が普及していなかった日本では、SBで契約したiPhoneはSBでしか使えなくて、auで契約したiPhoneはauでしか使えなくて、docomoにはiPhoneがなかかったんですけど、そんな当時存在した裏技アイテムが「SIM下駄」でした。
このSIM下駄をSIMに貼ることによって、SIMロック解除を実現するという裏技アイテムです。
引用元 https://www.iphone-kakuyasu-sim.jp/unlock-method/softbank-iphone6-unlock/
なつかしい。約10年ちょい前、ヤフオクでぽちったら香港から届いたものです。
好きだな、アングラインターネットの匂い
以上、中国の「インターネット露天商」を活用して、ちょっとアングラな方法でiPhoneの修理をしてもらった記録でした。
2000年代にインターネットを始めた私は、思えば、こういうちょっとアングラな匂いのするインターネットがすごく好きでした。
もちろんリスク面とかコンプラ面とか色々あるとは思うんですが、楽しかったーという感想です。いやー楽しいですね、インターネッヨ。
免責事項
※実際お試しになられる場合は、あくまでもリスク面をご理解いただき、ご自身の責任で行われるようお願いします。
見知らぬ外国人にリモートで自PCを操作させて、アンオフィシャルなアプリをインストールしております。