キツネへの罰
ラマダーン月のこと、ジュハーはモスクのイマーム(礼拝の指導者)の仕事を探して、村から村へ渡り歩いていた。ある村にやってくると、村人たちが困っていたり怒っていたり。どうやらキツネが村のにわとりやアヒルをたくさん襲って食べてしまったらしい。そこで村の人たちはいまいましいキツネを捕まえて殺してしまおうと狩りをしたのだった。ジュハーは村人たちに「わたしにお任せあれ」と言うと、上着とターバンを脱いでキツネに着せると檻から逃してしまった。村人が驚いて訳を尋ねると
「これであのキツネは信心深くなりましたやろ。しばらくしたら間違いなく、飢えて死にますわ。」
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?