私のおすすめクリスマス絵本14冊 【note特別編】
私がブックガイドをしている『たんけん!本のまち』に、クリスマス絵本についてのコラム「クリスマスに親子で楽しめる、おすすめ絵本13選と映画3選【2021年版】」を書きました。クリスマス絵本が大好きな私の渾身の力作なので、読んでいただけたら嬉しいです。
きいすさんが、とても素敵なデザインでクリスマスページを仕上げてくださいました。ぷんぷんさんのイラストの壁紙もすごく可愛いです。(ダウンロード可)
絵本を選んだ基準
クリスマス絵本は、冬の絵本を含めると、私が知っているものだけでも100冊くらいあります。どの絵本を選ぶか、かなり迷いましたが、うちの子どもたちが実際に読んで本当に好きだったものだけを選ぼうと決めました。
ネットや雑誌で「クリスマス絵本」特集は既に多くあります。私はそれらを参考にさせていただき本選びをしてきました。そのリストに感謝しています。ただ、その際に、
・紹介冊数が多すぎて本選びに迷ってしまう
・長年読み継がれてきた古典的名作が紹介されており、素晴らしい本だけど、今の子どもたちには少々とっつきにくい
と感じることがありました。
なので、保護者の方がクリスマス絵本を探しているときに、紹介冊数が多すぎず、本よりYouTubeが身近な今の子どもでも楽しく読めそうな絵本リストがあったらいいなと思いました。
普段ほとんど本を読まないうちの子どもたちが、ガチで気に入っている本ならば、同じように読書が苦手な子どもたちも喜んでくれるんじゃないかな。
こちらのnoteでは
コラムはその観点で選んだため、個人的に大好きなクリスマスの本だけど、『たんけん!本のまち』の絵本リストからは泣く泣く外したものがあります。
noteでは、それらを、書きたいと思います。
うちの子どもたちは読まなかったけど、オススメの本ばかりです。
読書好きで、少し難しい内容や細かい文字でもOKのお子さんや、毎日疲れていて、クリスマスにホッと一息入れたい大人の方にもぜひ読んでいただきたいなと思います。
1.表紙の絵も内容も素晴らしい名作クリスマス絵本
私は、⑴から⑷のような欧米のクラシックなクリスマス絵本がとても好きです。絵の色合いや文字の字体がとても美しい。中身も味わい深い。
でも、うちの子どもたちは、第一印象で、
“なんか古そう、つまらなそう。おれは、パス!” となりました。
⑴ 『クリスマスってなあに?』 ジョーン・G・ロビンソン
この本は、物語ではありません。クリスマスのキリスト降誕についての説明から始まり、あとはクリスマスカードやクリスマス料理、パーティーの準備についてなど、欧米の伝統的なクリスマスの風習や準備の仕方が一つずつ丁寧に紹介されています。
⑵ 『クリスマスの森』 ルイーズ・ファティオ
森を舞台に、サンタと動物が出てくる、クリスマスらしい楽しいお話です。が、絵の色合いが地味なのと、少し長いため、うちの子どもたちは飽きてしまったみたいです。
⑶ 『クリスマスのまえのよる』 クレメント・C・ムーア (著), ロジャー・デュボアザン (イラスト)
絵の色合いがとても素敵。私が好きなクラシックな装丁です。古典的名作絵本ですが、昔の詩をモチーフにしているので、内容がとっつきにくく、子どもたちは読まなかったです。
⑷ 『ちいさなもみのき』 マーガレット・ワイズ ブラウン
この本は、クラシックな絵の雰囲気も、もみの木と体の弱い男の子との交流と成長のストーリーも素敵ですが、うちの子どもたちには地味に感じられたみたいです。
同じマーガレット・ワイズ・ブラウンの『おやすみなさいおつきさま』は小さい子向けの名作絵本で、子どもたちも好きでよく読んでいました。
⑸ 『きょうというひ』 荒井良二
荒井良二さんの絵本は絵が素晴らしいです。この3冊の表紙をご覧ください。独特の透明感があり、色合いがとても綺麗で芸術作品のようです。『きょうはそらにまるいつき』『あさになったのでまどをあけますよ』は特に有名で、子どもたちも気に入っていました。
『きょうというひ』は、「祈る」というテーマのメッセージ性が強いのか、子どもには、とっつきにくいようです。
⑹ 『ゆうぐれ』 ユリ シュルヴィッツ
ユリ シュルヴィッツさんは『よあけ』や『ゆき』が特に有名です。風景、特に空の色をこんなに美しく描ける人は他にいるのでしょうか。一枚の絵から、その情景、空気感、音までが伝わってくるのです。
『ゆうぐれ』の絵もすごくきれいで、ずっと眺めていたくなります。前半はヨーロッパの街の夕暮れが描かれていて、後半になると、少しずつクリスマスイルミネーションやクリスマスツリーが出てきて、それが、クリスマスの日の街並みだと徐々にわかります。
これといったストーリーがないので、うちの子どもにはウケませんでしたが、本当に美しい絵なので手元に飾っておきたくなります。
2.文字数が多く、少し大きい子向けの本
この2冊は、ぜひ子どもたちに読んでほしいクリスマスを舞台にした名作小説です。
私、2冊とも好きです。ストーリーも面白いし、名作の気品があります。
でもね、うちの子どもたち、岩波少年文庫とか読まない(涙。。。)
⑴ 『飛ぶ教室』 エーリヒ ケストナー (岩波少年文庫)
寄宿学校で暮らす個性ゆたかな少年たちがくりひろげる,涙と笑いがつまったクリスマスの物語
⑵ 『クリスマス・キャロル』 チャールズ ディケンズ (岩波少年文庫)
クリスマス・イヴの夜、強欲で嫌われ者の商人スクルージのまえに、かつての共同経営者の亡霊たちがあらわれました。彼らに、過去・現在・未来へと連れていかれたスクルージが見たものは……。イギリスの文豪、ディケンズが贈るクリスマス・ストーリーの傑作!
⑶ 『クリスマスがちかづくと』 斉藤倫
作者の斉藤倫さんの『とうだい』という絵本が好きで、この本も読みました。ちょっと文字が多いのと、絵柄が地味なせいか、うちの子どもたちは読みませんでした。ですが、ちょっと寂しい、でも、ちょっとあたたかいお話なので、小学校高学年くらいのお子さんにおすすめ。
⑷『クリスマスの思い出』 トルーマン カポーティ
大人向けのクリスマス小説の名作です。
この本をクリスマスコラムに入れておいたら、センスの良いガイドだと思われそう!(ねこの見栄)
そう思って、今回のコラムのために、何回も何回も読もうとしては寝落ち・・・
「表紙も中身もおしゃれ(あの村上春樹さん翻訳だし、あの山本容子さんの銅版画だし)。でも、私にはオシャレすぎたか」と思っていたのですが。
なんとか最終章にたどりつく。
最終章の最初の一文を読んで、「えー、そうだったの??」と驚き、最初から全部読み直す。
1シーン1シーン輝いて見える。
私、こういう切ないお話に弱いのです。
さすがの名作。同じシリーズ『あるクリスマス』も今度読んでみたいと思っています。
⑸ 『クリスマスを探偵と』 伊坂幸太郎
「伊坂幸太郎さん、クリスマスの絵本出してるのか〜」
と気になって、読んでみました。表紙の絵もとても素敵!
伊坂幸太郎さんがアマチュア時代に初めて完成させた小説を、ストーリー展開はそのままに、2010年にご本人が文章をすべて書き直して発表された本だそうです。
探偵が主人公ですが、大きな事件が起きるわけではなく、静かに話が進んでいきます。が、後半、意外な展開が続きます。
うちの子どもたちが読むにはちょっと大人っぽいですが、本好きの子なら、小学校高学年くらいから読めると思います。
どちらかというと、大人が読んだ方が面白いかな。
⑹『サンタのおばさん』 東野 圭吾
あの東野圭吾さんがクリスマスの短い小説を書いているのをご存知でしたか?
私は知らなかったです。
今回のコラム用に、主人がこの本を探してきて、
「東野さんだから、これもリストに入れといてよ」
と言うので、ここに入れましたよ!!
『サンタのおばさん』は、東野さんのいつものミステリーではなく、女性がサンタになるお話。なんだかんだいって女性の社会進出があまり進んでいない世を風刺した小説です。
面白いんだけど、クリスマス感がなかったので、コラムには入れませんでした。
東野さんは、『容疑者Xの献身』『新参者』『流星の絆』『マスカレードホテル』などのミステリー小説が有名ですが、エッセイも数冊出されていて、どれも面白いようです。『さいえんす?』とかおもしろそう!
「この女、俺に気があるな」男はなぜこんな誤解をするのか?
だって!(『さいえんす?』帯より)
3.お気に入りシリーズのクリスマス絵本だけど、あまりクリスマス感がなかったので、リストに入れなかったもの
⑴ 『わんぱくだんのクリスマス』 ゆきの ゆみこ・上野 与志
わんぱくだんシリーズは、うちの子どもたちが、めちゃくちゃ好きでした〜。20冊以上あり、全冊読破したかも。
主役の3人が冒険するお話で、特に好きだったのは、『わんぱくだんのにんじゃごっご』『同 ひみつきち』『同 かくれんぼ』など。
こんなふうに友達と遊べたら楽しそう、って、思うんだろうな。今は遊び場所も少なくて、子どもたちも、みんな忙しくて。子ども同士でこんなふうに、思いっきり遊ぶことが少ないからね。
わんぱくだんシリーズは、とても気に入っているのですが、正直にいうと『わんぱくだんのクリスマス』はサンタメインのお話なので、いつもの主役3人の冒険のワクワク感が減ってしまっているんです。
わんぱくだんシリーズなら、まずは『にんじゃごっご』から入ってほしいので、コラムには入れませんでした。
⑵ 『バムとケロのさむいあさ』 島田 ゆか
『バムとケロ』シリーズって、すごくおもしろくて、ほんとに人気ありますよね。我が家でも人気です。もっと続編出ないかなーと思ってます!
この『バムとケロのさむいあさ』は近くの池にスケートに行くお話で、他のシリーズ同様おもしろいのです。
ただ、本の色合いも明るく、賑やかな感じがして、雪降る冬の静かな雰囲気ではないので、クリスマス絵本っぽくないかなと思って、リストから外しました。
最後に
コラムを書きながらずっと思っていたことがあります。
クリスマス絵本を親子でゆっくり読める人が、一体どれくらい、いるのだろう?
みんな毎日ほんとに忙しくて。(この2年は、特に大変でしたよね。)
クリスマス気分になかなか浸れないよなあ。テレビや雑誌のクリスマス特集も減った気がする。
クリスマス絵本を紹介している私自身も、普段親子でゆっくり読み聞かせをしているわけではありません。今回、コラムのために、絵本を読み直し、薄れていた記憶を呼び起こして書いています。
映画も、最後に家族一緒に見たのって、いつだったかな??
(我が家はコラムでご紹介した映画『クリスマスカンパニー』を久々に家族で見ましたが。コラム目的なので、見たのは、まだクリスマス感薄い11月前半…)
もしも、毎日とても忙しかったなら。
クリスマス絵本もクリスマス映画も何もなくて全然いいと思います。街を歩いていたら、イルミネーションも綺麗だし、クリスマス音楽も流れてくるし、それだけでGOODです!
でも、忙しいお父さんお母さんが「クリスマスプレゼントに絵本を贈ろう」と思ったときに、少しでもお役に立てればと思って、コラムと、このnoteを書いています。
長いnoteを最後まで読んでくださった皆さまに、感謝します。
良いクリスマスを!!