⑭保護と排除
メンタリストDaiGoさんの発言で議論が世間で起こっている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/fffc595af5ad105f6681e82348aa1febeb9431f2
DaiGoの話を聞くにつけ、配慮、保護、排除、生産性、優劣、優勢思想など自分の中でもぐるぐると答えが身を結ばない。謝罪の仕方にもモヤっと来ているが、じゃあどうすれば世間は許してくれるのか、叩きすぎじゃないのかとも思う。DaiGoさん自身のASD的な感覚を疑ったりもする。
精神科医師のYouTubeによると、ホームレスの方の多くの方がIQが低かったり、メンタル不調を抱えており、好んでホームレスをしているわけではないらしい。役所に言って生活保護を受けるプレゼンを自分でできない事から、仕方なく路上生活を行っている人も少なくないとか。ホームレスは保護の対象であり、排除するべき対象ではない。ただ、ホームレスの方たちは収容施設のような集団生活になじめない人も多い。なじめないからホームレス状態になっていることもあるからだ。保護と保護を拒む人間の尊厳。難しい問題。何かいい方法はないのか。
このことを考えると、自分が会社でしでかした失敗を常に思い出す。
適応障害を発病していたとはいえ、自分が発達障害疑いの後輩に対して、彼を職場から排除したい旨の発言を行ったことが、いつまでたっても自分に刺さっている。
それは命の優劣ではなく、向いている仕事や職場に行けばいいと言ったことで、人間性の否定ではないと自分では思っている。しかし、言われた側の人間にとっては居場所を奪われかねず、相当ダメージを受けて悲しく腹立たしいものだっただろうと思う。彼は私の発言をパワハラだとして訴えた。私はパワハラを否定したが、悲しませたことに対して謝罪をした。
そうはいっても、後輩に渡された仕事は後輩の能力を大きく超えており、手に負えていなかった。ありえないミスが1か月単位で起き続けていた。そのため自分のサポートが必要だったし、自分もサポートしきれない厳しい状態だったので、裏を返せば後輩にそのように大きな仕事が来たともいえる。その状況で、空気を読めない後輩は副業を続けており、副業のキャリアアップのための海外旅行にも遠慮なく旅立つ。後輩が、おそらく発達障害特有の特性で、空気が読めない事や認識が一般的な人と異なることは重々知っていたが、我慢ができなかった。
ネコ路地自身もASD的な要素があるからかもしれない。ほかの人であればここまで波風を立てないのかもしれない。
職務経歴に見合っていない技能の後輩が悪いのか、後輩ができないのを知りつつ人員補充や無理な業務分担を行った職場が悪いのか、人員配置できないぐらい稼げていないのが悪いのか、厳しい状況に耐えながら後輩をもっとかばうべきだったのか、それとも入社4年目の後輩を突き放してフォローしなければよかったのか。後輩に受診を勧めて配慮してもらうようにもっと言えばよかったのか…。どうすればよかったのか答えはない。
とにかく、ついに後輩に対して言ってしまった言葉「もう一緒に働けない。あなたといるとつらい。あなたは4年たってもやはり仕事に向いていない。派遣社員以下。あなたがいなければもっといい人を雇える。」は不適切だった。あの発言をせずに、黙って逃げればよかった。
会社にギブアップをしていたが、会社の動きが遅くて待てなかったので、本人にギブアップをぶつけてしまった。
後輩には本当に申し訳ないことをしたと思っている。
結果的に、今は後輩は私からはなれ、非常に簡単な仕事のみを渡されている。私の要望はかなった。人員補充はなく、私は仕事をやめ、同僚の負担は大きい。私はあの職場を離れることですべてを置いてきた。今は悩むことはないが、思い出して向き合うべきだと思っている。