ネコ路地

人生の半分を会社員として過ごしています。いろいろあった数年間を経て、自分の失敗を振り返るために書いています。この記事が悩んでいる人の参考になればいいなとも思っています。 (記述はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。記事内容のお問い合わせには応じません)

ネコ路地

人生の半分を会社員として過ごしています。いろいろあった数年間を経て、自分の失敗を振り返るために書いています。この記事が悩んでいる人の参考になればいいなとも思っています。 (記述はフィクションであり、実在の人物・団体等とは一切関係ありません。記事内容のお問い合わせには応じません)

最近の記事

⑯会社との闘い(初期)

発達障害疑いの後輩を抱えて、職務環境を整えるように会社に要望したが、ことごとく断られたあと、自分は適応障害を発病し、時折出勤できなくなった。自席にいると集中できず、他会社と共有しているカフェテリアでの仕事は人目が気になるからだ。後輩とは1か月後に座席を離された。 出社できない場合は在宅勤務でよいと言われていたので、週3程度の在宅勤務を行っていた。コロナ前としては多い部類だった。 発病から数か月は直属の課長や部長とまだ話せていた。後輩だけが出社拒否の理由だった。 その後数か

    • ⑮カサンドラになりやすい特性

      2021年の夏、コロナ感染拡大がひどく、まともに病院に入れない状態が続いている。自分はワクチン接種予約もできない状態で、死ぬこともあり得るような気がうっすらとしている。 そんな中、断捨離や物の整理を行っている途中で、学生時代の写真を焼いたCD-ROMが出てきた。25年前のデータだ。時を超えて読み込めることに軽い感動を覚えながら写真をみていると、「日記」と書かれたフォルダが書き込まれている事に気づいた。 TXT形式だったため、恐る恐る見てみた。当時は苦かった思い出も含めてす

      • ⑭保護と排除

        メンタリストDaiGoさんの発言で議論が世間で起こっている。 https://news.yahoo.co.jp/articles/fffc595af5ad105f6681e82348aa1febeb9431f2 DaiGoの話を聞くにつけ、配慮、保護、排除、生産性、優劣、優勢思想など自分の中でもぐるぐると答えが身を結ばない。謝罪の仕方にもモヤっと来ているが、じゃあどうすれば世間は許してくれるのか、叩きすぎじゃないのかとも思う。DaiGoさん自身のASD的な感覚を疑ったりもす

        • ⑬マネジメント不在

          パワーハラスメントが発生している環境に、発達障害疑いの後輩が入社してきた。当然、後輩も他のメンバーと同じように上司からハラスメントを受けていた。しかも後輩の歓迎会の当日に、他の社員の目の前で「オマエなんか俺の一存でどうにでもなるんだぞ」と言われていたらしい。 私はその時別の場所にいたのだが、居合わせたほかの社員が上司の発言に驚き、そのことを部長に報告したとのこと。その問題はその後話題にされることはなかった。 後輩が入社する1年ほど前に、私から部長に上司のパワーハラスメント

          ⑫そもそものハラスメントの存在

          発達障害疑いの後輩が入社してくる前に、そもそもチームにはハラスメントが存在していた。上司からのチーム全員へのパワーハラスメントだ。 上司は自分より一回り上の人だった。昔は実務を行っていたようだが、この10年ほど実務をしている様子はなく、管理業務および営業活動のみを行っていた。 自分が入社したての際に言われた一言。 「お前らは糞チームって呼ばれているんだぞ。恥ずかしくないのか」 上司としては叱咤激励のつもりだったのだろうが、入社したての自分としては、「は?」としか思わなかっ

          ⑫そもそものハラスメントの存在

          ⑪発達障害を疑ったポイント

          後輩の発達障害を疑い始めたきっかけは、入社直後の後輩のオウム返しだった。 彼のオウム返しは、2秒ほど遅れて一字一句私の発言した内容を復唱することだった。私の発言途中に被せてくるのだ。これをやられると話すほうは混乱して話すことを止めざるを得ない。 私は後輩に言った。 「話は最後まで聞いてほしいです。スピーチジャマーっていう装置があるんですが、話者の話を遮りたいときに、相手の話を数秒遅れで聞かせる仕組みでね、話し手は混乱して話せなくなるんです。イグノーベル賞を取った装置なんで

          ⑪発達障害を疑ったポイント

          ⑩採用ミスマッチは存在しない

          発達障害疑いの後輩が半年間の紹介予定派遣として入社してきて2か月目、私は直属の上司に彼の雇用をとどまるようにお願いをした。理由は発達障害であるからではなく、業務に適していないと思ったためだ。 その当時の直属の上司 ―― 後にパワハラでチームを去る彼は、後輩のできなさを十分認識していた。遠隔地から企画書の作成や作業を後輩に依頼しており、その未熟な出来栄えに苦労していたからだ。上司は言った。 「彼ができない事は認めるが、社長面接まで通したので覆せない」 私は、その時元パワハ

          ⑩採用ミスマッチは存在しない

          ⑨副業と本業

          発達障害疑いの後輩が入社してきて、数か月ごとに面談をしていた。たいていはミスが発生した際に、業務の改善指導と励ましを行う内容だった。 彼の趣味はボクシングだった。自分の住んでいた場所の近くのジムに通っていたというのが最初の会話だったと思う。最初のころはボクシングを習っているんだろうと思っていたが、面談をするにつれ「教える側」であることが分かってきた。 「会社に入ってネコ路地さんに指導を受けることで、トレーナーとして積極的になり、先輩トレーナーから「お客さん感」が抜けてきた

          ⑨副業と本業

          ⑧産業医は嘱託

          発達障害疑いの後輩の面倒を見ていて、体調が徐々に悪くなっていったが、自分では「体調がわるい」という認識ではなく、「ストレスが溜まっている」と思っていた。 特に、考えがまとまりにくいこと、涙が止まらないこと、後輩に強く当たること(続く失敗を大目に見られない状態)、仕事内容の夢を見ること、朝4時ぐらいに目が覚めてしまうことなどは、疲れているんだなと思っていた。 当時の勤務時間状況は、月80時間などの長時間残業ではなかったが、時短を取りながら遠距離通勤をしていたことに加え、例年

          ⑧産業医は嘱託

          ⑦ノイローゼ

          発達障害疑いの後輩に苦戦していたころ、自分はノイローゼ気味で、周囲の人に迷惑をかけていた。 子供つながりで知人ができ、何度か飲みに行っていた。彼女はとても人当たりのよいからっとした人で楽しい人だった。彼女も会社員で比較的自分と近めの職種だったので、会社の後輩について何度も聞いてもらっていた。「発達障害かもしれない同僚がいてさ~、今日もこんなことやらかしたんだよ」という、相談というより愚痴だったと思う。 その日も、後輩の起こしたとんでもない問題について話を聞いてもらっていた

          ⑦ノイローゼ

          ⑥思い出せないこと

          オリンピック最終日に台風に見舞われ雨が降っている。閉会式だというのに出席者は気の毒だと思うが、いろいろあって強行したオリンピックには少しお似合いなような気もする。競技に影響がないことを祈る。 雨の日は過去のことを思い出すのにぴったりだが、私には思い出せないことがある。発病前後の自分の言動だ。 発病を自覚する数週間前は、勤務中に涙が止まらないようになり、自席での集中ができなかった。そのため、できる限り席を離れて仕事をしていた。 そんな中、後輩のミスがあった。後輩が遠隔地の

          ⑥思い出せないこと

          ⑤理解はするが受け入れられない

          この数年悩んできた問題に対するアンサーともいえるいい動画を見た。 「「お前もがんばれ」への対応解説」by 精神科医が心の病気を開設するChの益田先生 人には、生まれ vs 育ち の両方が影響して、能力や伸びしろは人それぞれだという。 そういわれると、あたりまえじゃんと思ってしまうが、これは頭の中での理解のみ。自分はその事実を受け入れられていなかったし、今も完全に受け入れられていないと思う。 もし、後輩のことを、能力が伸びしろが極端に低いことを含めて受け入れられていたらこ

          ⑤理解はするが受け入れられない

          ④入社7か月目の面談

          中途社員の後輩が入社してきて7か月目に面談をした。 大雑把に言うと、私が彼に彼の優れている人当たりについて、そのあとで「この仕事に向いていない」「好きなことを仕事にしたほうがいい」と伝え、彼は「頑張ります」との返事だった。 どう頑張るつもりなのかを追加で聞くと、「いろいろ勉強して」との返事だったので、何をいろいろ勉強するかを聞いたところ、具体的な返事がなかった。 本当に彼にとってはノーアイデアだったんだと思う。悪気はなく追い詰めてしまったのだろう。 私は彼に「(後輩さ

          ④入社7か月目の面談

          ③不思議な経歴

          後輩が入って2か月、簡単な作業を渡したが、不安に思うことが多かった。特に進捗管理は全くできていない。総務部から渡されたプロジェクトの企画書(彼の本業が発揮できる業務内容)のチェックをほかの人に頼まれてみたが、単語の羅列のスライドが続くばかりで企画書の体をなしていなかった。 何かが違う。何かがおかしい。 私は上司に彼のポジションと経歴を聞いた。 マネジメント経験を買われてディレクターとして採用された後輩は、過去に課長職、部長職を歴任した後、契約社員(一般職)を6年していたと

          ③不思議な経歴

          ②分からない人が怖い

          最初に後輩と話したときに、得体が知れなくて混乱したことを覚えている。良い言い方をすればミステリアス。悪く言えばうすら寒い。そんな感じ。 私は犬が苦手だ。基本的に何を考えているかわからないわりにアクションをしてくるから。しかし、お向かいのワンちゃんはとても好きだ。吠えないで犬語で話しかけてくれるし、私との間に30cm空けて座ってくれる。いい奴だ。 何十年も生きてきて、初対面で「得体が知れない」と思ったことがなかった自分は幸せだったのだろうと思う。今でもすぐに人を信じてしまう

          ②分からない人が怖い

          ①自称カサンドラ先輩

          職場でのカサンドラ回顧録 ある日入社してきた後輩との数年間を思い出しながらつづります。ある日涙が止まらなくなり、産業医からは「カサンドラ」と言われた自分。まだ薬は飲んでいます。反省会で次につなげたいと思います。 非常にざっくり言うと、40歳近い中途入社の後輩の面倒を任せられて数年後、自分は適応障害になって会社に出社できなくなりました。会社との戦いおよび数年の在宅勤務を経て転職することになります。 後輩が入ってきた1日目、彼の印象は「表情が乏しい」でした。自分だけではなく

          ①自称カサンドラ先輩