自分の中の『天才』に問え! 〜全てはキミの思い込みなんだよ⑥
人間はみんな、自分の中にもう一人いる!
世の中には孤独にやたらと強い人がいる。
なぜ孤独でも平気なのか。実は「孤独じゃない」から平気なのだ。かくゆう僕も同じで、何日も同じ部屋で同じ壁だけ見つめて暮らしても孤独を感じない。
何故ならば、「自分の中のもう一人と楽しく会話をしている」からだ。
工学博士であり、あの東日本大震災に伴い内閣官房参与としてその知力をおおいに活用した田坂広志博士は自著のなかで、誰にでも「賢明なもう一人の自分」がいると熱弁を振るっている。
瞑想のススメ
実は僕は数年前、本気で自殺を考えていた。
母が突然死したのだ。残った家の借金を一人で返せるはずもなく、家は売却しようと複数の不動産屋と相談した。けれど「建物は売り物にならんので取り壊してください」「ここら一帯の土地は値下がりしているので希望の価格は出せません」つまり「いまから数百万かけて取り壊し工事か、新築同様に立て替えするか」でも、売値はそれ以下になるから借金生活になるわけだ。
取り急ぎ、夏までに40万ほど用意しなきゃいけない。それまでにも月々10万近い返済は続く。
早朝4時頃に起きて(と、いうか眠れない)クラッシック音楽をかけながらコーヒーを飲んだ。その為だけに時間を作っていた。否、その時間だけが癒やしだった。頭がオカシクなって暴れたい気持ちを抑えながら死ぬ方法を毎朝考えていた。
もう一人の自分に問いかける。
「どこで、どうやって死のうか」
すると僕の中にもう一人が、
「まあ、焦るなよ。まだ時間はある。死ぬのは今日じゃなくてもいいだろ?」
などと答える。
もう一人の自分に諫められながら僕は生き続けた。
結果的に、九州に住む親戚の「セレブ」に助けてもらった。
借金苦から僕は突然解放されたのだ。
もう一人の自分の存在を無視していたら、おそらく僕はここにはいない。
母と一緒に川の向こうで石拾いでもしているだろう。
対話式AIが流行る世の中
知識量は半端ない「彼ら」だが、自分のなかの「自分」は身内としての親近感がある。あたりまえ?
chatGPTは質問のためのプロンプトを考え、言葉を整理し、慎ましやかに相談しなきゃならない(と、僕は勝手に思い込んでいる)けれど自分のなかの「自分」と相談するのに、そんな面倒くさいプロセスは必要無い。
ほんのちょっと「気持ちを落ち着けて空想の赴くまま思考を巡らせる」だけだ。
空想力は人間だけが持つ最強の武器だ!
犬や猫には未来を想像することは出来ないそうだ。
おそらく鼠や兎も同じだろう。ありとあらゆる動植物の中で「空想」が出来るのは人間だけだ。この空想力は、かつての僕の命を救い、そして今は「小説」を構想してくれる。
この空想力というのは、本シリーズの「思い込み」である。
思い込みの力は人を生かしも殺しもする。
人間生きていれば様々な辛い思いや嫌な体験をするものだ。そのときには自分の奥底にいる「賢者」の声に耳を傾け、未来への道を決めて欲しい。
自暴自棄になる必要など全くないのだよ。