オタク、推し色のアイテム選びがち
ストレス解消法なんて結局のところ寝るか食うか喋るか買うかのどれかなんですよ。
先日、人と会った際にちょーっとイラッとすることがありました。
真昼間の出先でのことなので寝て忘れる手段は少なくとも帰宅するまでお預け。
食事の帰りだったので買い食いの類も腹具合の都合で不可能。
本当にちょっとのことなので他人に話しても理解され難い、腹を立てた話をしているのに「ええ、そんなことで腹を立てるの……?」なんて怪訝に返されようものならますます腹が立つので喋る手もない。
そんなわけで「こうなったら買うしかない」と久方ぶりにやりました、衝動買い。
私は自他共に認めるケチなので入用の買い物であってもしつこくリサーチを重ね比較検討をし衝動買いなどはもってのほか!というタチなのだが、今回ばかりはむしゃくしゃしてやった。
指輪を一度に二つ買った。
天然石の指輪集めが趣味の私、この度は真ん中の列の紫の石のリングと、太い金のリングにロープ状の真鍮リングが重なっているもの、二つを同時にお買い上げ。
紫をチョイスしたのは言わずもがな岸くんのメンカラだから。
オタク、推し色のアイテム選びがち。
紫の石は何気にこれが初めてなのでそういう意味でもコレクションが増えてうれしい。
そしてこの石、色こそ紫に見えるけどお店のお姉さんが言うにはピンクアメジストだそうで。
このピンクアメジストの石言葉を検索したところ、以下のように出た。
幸せや思いやりの象徴、素直さ、やさしさ、愛情…
岸くんじゃん?
やさしさ……優しさ……優太の優……
岸くんじゃん!
特に何も考えず色だけ見て「キレイな紫〜」と思ったリングだけど、大正解を選んでた。
これはもう立派な岸くんの概念です。
大事にします。
岸くんがゆうたって名前なの、実にかわいい。
優太、書くの大変だよね。
わかるよ。
なぜなら私も本名にその字、入ってるから。
優、一文字で17画もあるなんて冗談じゃないぜと思いながら自分の名前を書いてきたけど、岸くんとお揃いなのでもう文句言いません。
何ならカ行ではじまる名字なので、推しとイニシャルごとお揃いなの何気にめちゃくちゃうれしい。
閑話休題。
話を元に戻して、もう一つのリングは銀色のロープみたいなところがくるくる回るギミックがおもしろくて買った。
回転ギミックのある指輪は他にも多様な幅やデザインがあって、いろいろ試着しながらくるくるさせているうちに私が買ったこの指輪が犬の首輪とリードに見えてきたのでこれを選んだ。
岸くんとわんわんが忘れられないオタクは、二つのファッションリングに推しの概念を見出した。
ショップ店員のお姉さん曰く「両手に一つずつはめてもかわいいですよ〜」
勧められるままに左手の中指に岸くんを、右手の薬指にわんわんをはめてみたけれど、これは推しの概念と概念なのだ。
左右の手で引き離すのは最もやってはならぬことのような気がしたので、右手の中指薬指に二つ仲良く並んではめることに。
はあ……(感嘆)(恍惚)(愉悦)
これを眺めているだけで何だか腹を立てていたことなどどうでもよくなった。
過去一有意義な衝動買いをしたと思う。
何なら私をイラッとさせた彼の者よ、ありがとうというきもちにさえなった。
ストレス緩和もピンクアメジストの効能の一つとされるらしいけど、オタクにはスピリチュアルなあれこれより岸くんの方が効く。
せっかくなのでこれを機に次のリングからはキンプリのメンカラを揃えてみようかなと思ったり何だり。
それならケースもちょっといいコレクションボックスに新調したいなあ。
わくわくが止まらないね。