インド映画『K.G.F』ロキリナ聖地『Mehabooba』の館へ行ってきた(タージ・ファラクヌマ・パレス@ハイデラバード)
成し遂げました。インド映画『K.G.F Chapter1&2』の主人公・ロッキーとヒロイン・リナおよびロキリナ(ロッキー💓リナ)の強火オタクことパンです。
2024年3月末、ハイデラバードにあるタージ・ファラクヌマ・パレスに行ってまいりました。(タージ・ファラヌーマと表記することもあるようです)
みなさんご存じ「ロキリナの館」だよ
このタージ・ファラクヌマ・パレス、劇中歌『Mehabooba』のロケに使われており、みなさんご存じロキリナの聖地となっております。
とりあえずこれ観とこうか。ね。お願いします
先に言っておくと、この記事にはロキリナって26回出てきます。
怒られそうだからちゃんとした解説もするよ
歴史好きの方などからすると「伝統と格式のファラクヌマ宮殿をロキリナの館呼ばわりとは笑止千万」と言われそうなのでざっくり解説します。
この宮殿はもともとニザーム藩王の持ち物。それをインドの高級ホテルチェーン、タージ・ホテルズ・リゾーツ&パレスが改修し、現在ホテルとして泊まれるようになっているそうです。
ちなみにタージ・ホテルズは泣く子も黙るインドの一大コングロマリット(クソデカ巨大企業)タタ財閥の傘下だよ!インドではスタバすらタタ財閥の息がかかっている。
ニザーム藩王国については映画を通じてご存じの方などからするとざっくりがすぎるとは思うんですが、要は「ハイデラバードのあたりにあっためちゃつよのイスラム王国」です。ニザーム藩王はその王様。
ハイデラバードは13世紀くらいから数百年の間イスラム系の王朝(ゴールコンダ王国とかムガル帝国とか)が支配していたので、街並みもどこか中東以西っぽい感じがあり、看板にはテルグ語より先にペルシャ語(多分)が書かれていたりします。
そのなかでもニザーム藩王国は最後のイスラム王朝で、すんごいお金持ちだったそうです。そんなお金持ちの藩王が大切な国内外のお客様をもてなしていたのがこのファラクヌマ・パレスなんだって。
ちなみにこのめちゃつよのイスラム王国、もともとムガル帝国に使えていた将軍が衰退する帝国を目にして「やっとれんわい」と反旗を翻し、南に新しい王朝をドドンと作っちゃったってことらしい。成立の仕方もつよい。
というわけで「すんごいお金持ちのイスラム王朝がつくったすんごい宮殿をすんごいお金持ちの財閥の息がかかったホテルグループがリノベした高級パレスホテル」と思いながら読んでください。
本記事はあくまでK.G.Fとロキリナ中心に世界が回っているパンの目線で書いたものなので、まともな紹介文はFigaroの記事など読んでもろて。
Chariotが迎えに来るよ
タージ・ファラクヌマ・パレスは、ハイデラバードの有名な観光地であるチャールミナール(チャーミナー)やチョウマハラ宮殿から、タクシーで15~20分の距離にあります。ハイデラバード市街を見渡せる丘の上にあり、中門までなら前述のタクシーなどでアクセスできます。ちなみにホテルの格的にオートリキシャーよりタクシーでのアクセスがおすすめです。
中門で降車し、セキュリティチェックを受けると、ホテルマンに「Chariotがくるから待っててください」と言われました。
馬車が来ました。
マジかよ。自分の人生で「馬車が来るから待ってて」って言われることがあると思ってなかったよ。Chariotに揺られて高台の頂上にあるホテルを目指します。
すでに感じる……ロキリナの波動を
ついたらついたで空からバラの花びらのシャワーが降り注いできました。
「このターバンの人が出迎えてくれるっていうのは、マジもんの国賓が来たときと同じくらいの勢いで歓待してるってことだよ~(めちゃ意訳)」と説明してくれたような気がします。ちょっと気が動転して覚えてない。
歓迎の儀式みたいなものがあって、ジャスミンの花輪をもらいました。い~香り。
薔薇で文字書いてあるんだが……?
いちばん安い部屋なんですけど……こんなんしてもらってすいませんホント恐縮です……ありがとう……めっちゃうれしいよ………。
ちなみに実際にリナちゃんが案内された金持ちアピールが悪趣味なベッドルームは、マイソールのラリタ・マハル・パレスにあるそうです。こちらも歴史的建造物ですが泊まれるそうなので、次回は絶対行くぞ!
ここまでチェックインから部屋に案内された(チップは忘れずに!)だけなんですけど、すでに息切れしています。
ロキリナの波動をビシバシ感じますね。
前日までシャワーしかないホテルに泊まっていたので、バスタブめちゃくちゃありがたい。このバスルーム、わが家のリビングより確実に広い。
満を持して14時ジャストにチェックインしたので、時間はたっぷりあります。
この時点でロッキーの英雄譚を語るアナンド・インガラギくらい血圧が上がっているのでちょっと落ち着きましょう。
お部屋に準備されていたミタイ(インドのお菓子)をいただきます!
ジムやプール、スパなども併設されている敷地内をぶらぶらしてみます。
この暑さ、水着を持ってくるべきでした。プールに入りたい。
ちなみにこの日のハイデラバードの最高気温は37度でした。体温超えとる。チャーミナーで巨荷物持って歩いてると日射病で死ぬかもと不安になりました。でも空気が乾燥しているからか、日陰に入ると涼しかったです。
こちらは「ニザーム・スイート」なるお部屋です。これまだ玄関。
Google検索すると内装などを見ることができます。プライベートプールがついているらしいぞ……。ロッキーはこういうお部屋のほうが似合うね💓
いざシューティングスポットへ
チェックインの際、このあとティータイム、館内ツアー、音楽鑑賞会などがあるとの案内をいただきました。全部宿泊に含まれているものだそうなのでぜひとも参加させてもらおうではないか。さすが高級ホテルッ……!
そうと決まれば、人がいない間に写真を撮りまくるぞ。
館内をうろうろしていると、ホテルマンが「この部屋も見ていいよ」と案内してくれました。ホテルマンというか、バトラーと言ったほうがよいのか。振る舞いがもう執事、執事のそれです。すみませんこんな小娘相手に……。
これよ………これを見にわざわざ日本から来たんよ……。
横たわるロッキーと聖母のような微笑みをたたえたリナが見えますね。
大興奮のパンが「実はK.G.Fとヤシュが好きで、シューティングスポットを見に来たんです」と話すと、「あ~!このホテルでたくさん撮りましたよ、どこが出ているかな?」とかなんとか言いながら、彼はYouTubeで『Mehabooba』を再生し始めました。
やめてくれ!オタクを殺す気か?!?!恥ずかしすぎる!(ありがとう!)
この図書室のようなところでチェックインしました。「校長の地位にあんたを就けようか?」のシーンもここだと思います。奥に見えるのが入り口(ロビー)で、フロントデスク(コンシェルジュ)や上階への階段があります。
階段はこちら。大理石が美しい。
リナちゃんがパタン……と閉めたドアはどれでしょうか……。(ファーティマ菩薩フェイス)
では行きますよ、『Mehabooba』の準備はいいですか。
ハァ~これを見に来た
これを見に来たんですよ
ア―――――――――――ッ(大の字)
取り乱しました。ところ変わってここはワンフロア上にある、シーシャ(水タバコ)のバー。Chapter2でKGF幹部連中がラミカ・センの宣戦布告を聞くシーンで使われていましたね。撮影時は奥にTVを設置していたと思われます。
TVが設置されていたであろうあたりには何泊も滞在しているんだろうなという風情のご家族が。富豪やで……。
館内ツアーや音楽鑑賞会の前に、お茶やコーヒー、ケーキやサモサなどの軽食をいただくことができます。
別のバトラーが「モルジブで働いてた時にヤシュ(ロッキーの中の人)とラディカ(ご夫人)が来たよ」と言って写真を見せてくれました。Yashはsimpleでgoodなman(バトラー評)だったそうです。
シーシャバーの横にロキリナがイチャイチャと踊ったと思われるダンスルームがありました。
あのシーン、リナちゃんだけがニコニコしながらロッキーの周りを舞っていて、ロッキーは仁王立ちでそれを目で追ってるだけっていうのがもう最高によくて……よくて……。思い出してください、Chapter1を。キャバレーで若いお姉ちゃんと踊り狂っていたボンベイの暴れん坊を。本当に好きな女の前では硬派なんだから……。
取り乱しました。こちらRocky’s KGFです。
チェンナイ、ハイデラバード、ベンガルールと3都市巡りましたが、どの空にも「ピーヒョロロー」と鳴く鳥が飛んでいます。ロッキーが何かアクションを起こすときに入るあの鳥の鳴き声です。タカ目タカ科の何かだと思います。
館内ツアーのあとは、ここで古典音楽の生演奏を聴くことができます。
調べてみたらカッワーリー(Qawwali)というようです。イスラム教神秘主義/スーフィズムに依拠する宗教歌謡なんですって。
まずい、スーフィズムと言われても、昔教科書で観たくるくる回るスカートのおじさんしか思い出せないぞ。覚えてます?回旋舞踊(今調べた)
太鼓もハルモニウム(インド式オルガン)もすばらしかったのですが、歌とパーカッションに感動しました。
歌い手は声帯の太さがすごい。(語彙が貧困)伸びやかな声で、街に流れるアザーンのような神秘的な響きです。ちなみに厳密に言うと、カッワーリーは歌だけど、アザーンは歌ではないそうです。(NHK高校講座より)
パーカッションは金属の板を2枚ずつ手に持ってるだけなんですが、16拍子??タップダンスみたいな超絶技巧で、どうやって手を動かしているのか全然わかりません……。あれはなんという楽器なんだろう。
もっとハイデラバード市内もいろいろ見てみたかったのですが、外資系IT企業が集うハイテク・シティやテルグ映画の聖地・ラモジフィルムシティなどへは足を運ぶ余裕がなく、旧市街周辺のみの散策となりました。ロキリナに本気出しすぎた。(予算的にも)
ここッ……ッア~!!
ここを見るために来たんだよ、はるばる日本から!!!
高級ホテルなので、夕食でレストランを利用する際には一応ボリューム感のあるクルタを持っていきました。でもホテルに入るときはバックパッカー然とした格好だったのでお里は知れていると思います、1泊しかしないし……。それでもバトラーはめちゃくちゃ丁寧におもてなししてくれました!
ちなみに館内ツアーに参加したお客さんは、お子さんのいるご家族だとTシャツにジーパンの人もいたけど、やっぱり男女二人とかだと女性はワンピース、男性は襟付きのシャツが多かった気がします。
アナンド君がシートベルトを締めさせられるシーン。光の入り方的に、おそらくロッキーが立っていたのはこの写真の右後ろだと思われます。
壁の棚や家具などに使われている木材はマホガニーやエボニー、ローズウッドなどだそうです。重厚感があって美しい……。全部のイスが玉座みたいな高級感です。シャンデリアはベルギー製とのこと。
ひとりロキリナごっこをしました。こんな帝王の晩餐会みたいなダイニングルームでひとり夫の帰りを待つリナちゃん、健気……。
お気づきだろうか。テーブルのお花が赤いバラとカサブランカなんですよ……。ロッキーとリナちゃんみたいだね……。
客室は60室+スイートルームで、宿泊者は限られた人数しかいないので、夕食後も写真は撮り放題でした。
もしかしたらバーに行ってロッキーごっこをするという選択肢もあったかもしれない。
なんと夕食の間にもお部屋に入ってベッドを整えてくれていた。おそらくこのホテル、洗濯物があればランドリーサービスを使う層しか泊まらないはず。くれぐれも、室内に洗濯物など干さぬよう……。(赤面バックパッカー)
翌朝も撮って撮って撮りまくる
朝のロキリナもいいわね……。
ちなみにこのあと大事件が発覚してまたコンシェルジュのお世話になりまくるんですが、それはまた別記事で……。
1泊するだけでも庶民にとってはわりととんでもない金額になりますが、清水の舞台から飛び降りる気持ちで泊まってみてよかったです。
楽しすぎて本当にあっという間だったので、連泊してみたいなあ……。一生の思い出になりました。お金貯めてまた行くぞ~!
限界オタクの叫びにお付き合いいただき、ありがとうございました!