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パンの「隙あらばロッキー語り」 〜叔父貴との絆編〜
以下、ロッキーさんと叔父貴の関係性について、パンの妄想と考察をX(旧Twitter)からの再録でお届けします。
ロッキーさんとカシム叔父貴の関係性
ロッキーにチェスのルールを教えたのは誰なのか
Chapter2の冒頭、ワナラム閣下にチェスのルールをご説明し申し上げるシーンがありますね。日本語字幕では「チェス」となっていますが、カンナダ語を聞いていると「チャトランガ」と聞こえてきます。これ、チェスや将棋の起源と考えられている古代インドのボードゲームのことらしいのです。
これまたソースWikipediaで恐縮なんですけど、「チャトランガは現在でもインドに残っているが、植民地支配を受けていた頃に禁止された影響を受け、プレイヤーが少なくなっている。(Wikipediaより引用)」とありまして、ということはプレイして覚えたというよりも、教養として覚えたという可能性が高いと思うんです。
みなしごロッキー、幼少期よりオカンから激烈な帝王教育を受けていたのは間違いないんですが、一方でそういう教養や金勘定ができる教育を与えたのは誰なんだ……?と考えた場合、叔父貴がその役割を担っていたのではないか。
なんのエビデンスにもなりませんけど、家人(オタクだがパンのような狂気はない)に「ロッキーにチェスのルール教えたの誰だと思いますか?!!!」と聞いたら普通に「叔父貴やろ」と返ってきたので、やっぱりカシム叔父貴がロッキーに帝王学の英才教育を…………!?!となりました。一般人から見てもそうならそうじゃない?!
「ちなみに叔父貴は多分イスラムの裕福な家の出身で、なんかつらいことがあって道を踏み外して前の頭領の義兄弟になった」と言ったら「全部妄想じゃねえか」と言われました。そうだが?
この調子でいきます
「育ての親」を自負しているカシム叔父貴
叔父貴がロッキーのことをどう思ってるかということに関してはもう、鹿崎さんのこの考察が本当にその通りすぎて首がもげちゃった。そんなわけで、カシム叔父貴がロッキーさんを育てたんだろうなあと思うに至ったんですねえ。
「誰に似たのか強情だ」ってカシムの言葉さ…気づいちゃったんだけど…これ多少なりロッキーを育てた自覚がなければ出てこない言い回しじゃない…?誰に似たんだかって言葉育て親の特権みたいなとこない?自分に似たらああはならないのにって。他人ならこんな言い方しない気がする…
— 鹿崎 (@ponkotsu_j) December 26, 2023
泣いちゃうなぁ…
「息子は元気だ!」って言ってるしね。
もう実質お父さんだよね、やっぱりね。
誰にもデレられないロッキーさんの哀愁
でもロッキーってカシム叔父貴に対してあんまりデレたりしないですよね。叔父貴はあんなにバブみがあるのに。叔父貴は息子をなくした母の肩に手を置いて、義理の娘の変わり果てた姿に誰よりも嗚咽する人なのに……。
叔父貴にデレられないロッキー、幼少期の父親に対する恨みつらみがもとになって、自分より強くて年上の男性はすべて「倒すべき敵」として相対してきたから、年上の男性に対する甘え方を学んでないんじゃないかと思ったんですよね。甘えるっていうか、親愛の情を表現する方法を知らないというか。
通常、反抗期くらいに親(特に同性の)とはぶつかり合って、でも共に暮らすなかで自他分離して折り合いをつけて、次第に老いてきた親に親愛の情を伝える方法を身につけていく、という生育パターンが望ましいのかなと思うんだけど、その点やっぱりロッキーは情緒が未発達なんだよなあ。萌えますね……。
命を繋いでもらった恩はあるかもしれないがシェッティは常に倒すべき敵だっただろうし、叔父貴もロッキーを皇帝に据えるべく必要なものは手配してくれたかもしれないけど、精神的に「甘える」とか「頼る」っていう関係性ではなかったのかもなって思って。
たとえば叔父貴が物思いにふけるロッキーの肩に手を置いて心配そうな顔を見せても、ロッキーは「なんでもない、ありがとう」とか言うわけでもなくその手を払いのけて一人になることを選ぶわけだし、弱さを見せる瞬間が生まれてしまうほど叔父貴のことを信頼してはいるのに、頼り方を知らないんですよね。
「何が望みだ?」ににじむ叔父貴の感傷
でもイナヤト邸に向かう前、ロッキーから「聞いてくれ、一生の頼みだ」なんて切り出し方をされて、叔父貴も一瞬でロッキーが生きるか死ぬかの窮地にあるって分かっただろうし、そんなときにそういう言い方で頼ってもらえてちょっとうれしかったんじゃないかなあと思ったりした。
「一生の頼みだ」のところはヒンディー語で多分
「मेरी एक आखरी काम करोगे ?」(メリークアクリカンクルゲー)
と言ってて、英語だと
「Will you do one last thing for me?」
になるみたいなんだよね。
そりゃあ叔父貴も感極まって
「क्या चाहिए रे तेरे को ?」(キャッチャーイレテレコ)
……「何が望みだ?」って言っちゃうよね。
「क्या चाहिए रे तेरे को ?」(キャッチャーイレテレコ)……。
これ出会いのシーンで「ドゥニヤ……」の前に叔父貴が言ってる台詞と同じなんですよね。
あの日の二人のやりとりがいまこの窮地で再現されているという。
叔父貴は確実にあの時のロッキーと自分のことを思い出しながら言葉を紡いでたと思いますね……。目を伏せてね……。
(なおヒンディー語の部分はパンが自動翻訳にぶち込んでそれっぽいなと思っただけで、本当にそう言っているかどうかはわかりません。悪しからず)
そのあとロッキーはすごく感情的にまくしたてるけど(「あとは日付だけ」のところ)ああいう自身の内面に触れるような話し方をするのも、叔父貴含め数人の側近とか、ごく近しい人間の前だけなのかもな。あそこも普段は抑えているロッキーの怒りが爆発してて好き。
叔父貴はそのあとロッキーvsラミカのバチバチで対応に苦慮するわけだけど、みんなの前でロッキーを叱りつけたあと、御母堂の墓前に実父を引き出して冷たく「休むなよ!」と言い放つロッキーの執着を目の当たりにして、すべてを察しただろうな……と思いました。
でもああいう自己開示ができるようになったのもロッキーさんにしては「成長」なんですよねえ。その成長の起爆剤が何かって?運命の女、リナ・デサイ嬢だよ。あ、そろそろロキリナの話聞きたくなってきたかな?大丈夫そ?
いや、きょうばかりはロキリナ話もちょっと置いとこう。何が言いたいかっていうと、ロッキーには叔父貴がいてよかったし、叔父貴にはロッキーがいてよかったね……ということです(嗚咽する限界オタク)
余談:叔父貴はシェッティのなんなのか?
叔父貴ってシェッティ一派にいることはいるけど、きっとシェッティの腹心とか懐刀って感じじゃないんだろうなと思ってていてですね。
ボンベイを牛耳ってるシェッティが、ロッキーに殺されそうになるときがあるじゃないですか。あのときシェッティおぢが叔父貴に「頼む、俺を殺すなと言ってくれ、カシムバーイ(兄貴)」と言うことからも、多分「舎弟」とか「子分」って扱いではない気がするんですよね。
叔父貴はシェッティのことを小物扱いするような発言が多いし、シェッティは叔父貴に生意気な口をきかれたとしてもワナワナしてるだけでどうこうできなそうな感じがある。もしかして、叔父貴はシェッティの前の親分と何かしらの契りを結んでたとかなのかな?と思っています。義兄弟の契りみたいなさ。日本の任侠映画とかでもそういうことありますよね。インドのマフィアがどうかしらんけど……。詳しい人いたら教えてください。
これも妄想なんですけど、叔父貴はシェッティのことを「こいつ小物だな〜俺もこいつの下でくすぶって終わるんだろうな〜」と思ってたところに大言壮語を吐くヤンチャなガキが現れたわけですよね。叔父貴はその少年の将来を見たくなっちゃったというか、ロッキーに男惚れしちゃったんだろうなって………。
そしてロッキーが天下をとったあとは、ジョンの手をアレする刃物も、それを拭うお手拭きも、シェッティ邸でピストルを渡すのも叔父貴なんだよね!
女神の祭壇で手を合わせてた叔父貴のことを思うとア〜!!信じた男がデッカく育ってよかったねえ〜!!となりますね🙏🙏🙏
そんな感じです。おわり