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【神社巡り/先祖の足跡(かもしれない)巡り】八柱神社(愛知県安城市川島町)-参拝理由と先祖の足跡と-


はじめに


今回の先祖の足跡に依る神社巡りは、単なる”可能性がある”というものだということをはじめに断言しておく。
その点、何卒、ご容赦/留意ください。


前回の記事で安城市に在る「八柱神社」赴いた際の写真を掲載した。
今回は参拝理由をそう思うに至った根拠も交えて記述していく。

私達の先祖・重辰が欠村に越してくる前は櫻井村(現 安城市桜井町周辺かーー詳細地区は不明)に住んでいたと聞く。

櫻井村と聞いても具体的にどこか判らない。
そこで、重辰の父・小五郎重則の出生録を調べてみた。
そうすると、姫小川/川島村で確認がとれた。

『桜井小誌』8/41P 編集:桜井村役場 (昭和11年)
所蔵:安城市図書情報館 安城デジタルアーカイブ
https://adeac.jp/anjo-lib/catalog/mp211000390-200010
方角の補足(ネコチャーン):上が東、左が北、下が西、右が南

現代の地図を以下のとおりにお示しする。

緑の線;安城と岡崎の市境
画像出典元:Googleマップ

上記画像の「村高」にほど近い「三角形の地にある神社」が先日に記述した八柱神社だろう。

参拝理由と八柱神社と

参拝理由

単純な理由だ。
私は愛知県図書館が所蔵する「貴重和本デジタルライブラリー」を頻繁に閲覧する。
その際に、先祖・重辰の父である鈴木小五郎(重則)の名前を川島村(現 安城市川島町)に複数確認したからだ。
そこで、現在の川島町周辺地図を見ていた際に「八柱神社@川島町」を見つけたという次第だ。

別の小五郎かもしれないし、先祖・重辰の父 小五郎かもしれない
雲をつかむような作業の連続……
©イラストAC

根拠
愛知県図書館様より転載許可を頂戴した、先祖・重辰の父・鈴木小五郎に関する貴重な資料を以下にお示しする。

※転載はお控えください。必要な場合は、愛知県図書館様に複写許可申請を提出の上、承認を頂戴してください。下記画像の複写は許容いたしません

『三州諸士出生禄』 第20コマ目
愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー所蔵
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/104.html
『諸大名旗本衆三州生邑跡』 第27コマ
愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー所蔵
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/184.html
『三河堤 巻之二』 第27コマ
愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー所蔵
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/24.html

ちなみに、川島村古城は水戸家に仕えた太田殿の城のようだ。

『三河国二葉松 下巻』 第3コマ
愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー所蔵
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/23.html

加えて、姫小川(現 安城市姫小川町かーー)にも鈴木小五郎の名が見るかる。別人か誤植か、はたまた別の何か……だろうか。

『三州諸士出生禄』 第18コマ目
愛知県図書館 貴重和本デジタルライブラリー所蔵
https://websv.aichi-pref-library.jp/wahon/detail/104.html

加えて(2024/11/22 加筆)国立国会図書館が所蔵する以下の画像にも”鈴木小五郎”の名が確認できる。

『桜井村史』
出版者:桜井村 出版年月日:昭和18年
国立国会図書館デジタルコレクション所蔵
https://dl.ndl.go.jp/pid/1042159

4つの貴重な書物に鈴木小五郎の出生は川島村とあるため、「重辰の父・小五郎がその場にいたのであろう」と”私は”推測する
後日、詳細に記述するが八柱神社@欠町のご神体は先祖・重辰が当時)櫻井村?から欠村(現 岡崎市欠町・元欠町・栄町・根石中欠町・西欠町)に持ってきたという。
それが天文8(1539)年。
奥宮(現 八柱神社@欠町の基)の建立が天正7(1579)年。

話はまだ続く。
天正7年からしばらく後、重辰の孫にあたる2代目・清右衛門の時代の話になる。

正保二年に水野忠善が本多家に替わって岡崎藩主に就任すると、手永制・大庄屋制が成立する。
(中略 ※ネコチャーン)
旧武士の系譜を持つ家柄から、土豪層の優遇政策を通じて、領内地方支配を円滑にしようとする表れであろう。また岡崎領内には三河一向一揆に主人家康の敵側にまわり、その後御家人にも復帰できずに土豪的存在で在村大地主の地位を確立した家筋もかなり多く存在していた。

『新編岡崎市史 近世3』第三章 近世村落の成立と農民 第二節 岡崎藩の農民・農村政策
二 農村支配機構 より引用

岡崎藩では正保2(1645)年から大庄屋制度が施行されたようだ。
先祖・重辰や大叔父・松平新右衛門の影響か、清右衛門も例外ではなかったようだ。

図3-9 寛文4年の岡崎藩水野家時代の手永区分
『新編岡崎市史 近世3』
第三章 近世村落の成立と農民 第二節 岡崎藩の農民・農村政策より転載
加工;ネコチャーン

祖父・重辰、曾祖父・小五郎(重則)がかつていたであろう川島村近く(村高など)の手永支配もしていたという。
当然、現地に確認等をするために出向いたことがあるだろう。

これを単なる偶然とするか、あまりに重なる偶然は必然とみるべきか迷っての参拝だった。

八柱神社の分布

前述の偶然と必然を判別する材料とするために、全国にある八柱神社の分布を地図上で行ってみた。
先ずは、一覧。
※参考として閲覧ください

一覧は自作
上記のリストを基に日本地図に落とし込んだもの
ネコチャーン作
日本地図のイラスト;イラストAC

やはり愛知県に多く在るが、兵庫県にある八柱神社数に注視したい。
京都府・奈良県を中心にした信仰の広がり。私にはそう読み取れる。

次に愛知県内を見てみたい。

これも一覧は自作
豊田市の社数はやはり突出している
上記のリストを基に愛知県地図に落とし込んだもの
ネコチャーン作
愛知県地図のイラスト;イラストAC

豊田市に多く在ることが確認できるが、それぞれの関連性は判らない。
三河鈴木氏の祖といわれる鈴木重善(善阿弥)殿は、豊田市竹村町に在る光恩寺のご開基。元は天台宗、後に浄土真宗の寺院になっている。

そのため、三河鈴木氏=八柱神社と結びつけることは些か乱暴な気がするし、明治時代に発布された「神仏分離令」以前は五男三女神は牛頭天王の8人の王子を祀っていたともされるという記述も様々な媒体で散見される。
加えて、8柱の神様を祀っている神社は問答無用で「八柱神社」と名付けるだろう。

結局はよく分からない……これが正解ではないだろうか。

※「三河鈴木氏が八柱神社(五男三女神)をーー」と宣う村の古老がいたため。そうかもしれないし、違うかもしれない。推察は大いに結構だと思うが、断言はしない方が良いかと思われる

まとめ

今回の「八柱神社@川島町」参拝は、先祖がその昔に住んでいた近隣に在った神社だからだ。

御由緒は判らないらしい。
また、祀られている神様の記述もなかったことから、別の8柱の神様を祀っているのかもしれない。
それでも、はるか昔に先祖との繋がりがあったのかもしれない。
そういった理由で参拝したが、人が集まり生活の基盤が出来れば自ずと信仰は生まれるだろう。
現代のような情報網・技術がなければ尚のこと。

関りがあるかもしれない。はたまた、ないかもしれない。白黒ハッキリつけられないが、それはそれで良いと私は思う。

自分は何かしらのご縁を感じたので、また参拝しよう。

謝辞

貴重和本の転載許可に際し、寛大なご配慮・掲載許可をくださいました愛知県図書館様。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。


最終改定: 令和6年11月22日(1回目)国立国会図書館が所蔵する『桜井村史』の追加
※後に読み返した際に変更があれば、改定日を修正いたします

【注意事項】
著作権の観点から、無断引用・転載はお控えください。
引用・転載の際は必ずお声がけください

※本来、引用はルールさえ遵守いただければ連絡不要ですが、引用元不明記など諸般のトラブル防止のためご一報ください

【参考文献/サイト】
国立国会図書館デジタルコレクション https://www.ndl.go.jp/
愛知県図書館HP 貴重和本デジタルライブラリー https://websv.aichi-pref-library.jp/digilib.html
安城市図書情報館 安城デジタルアーカイブ https://adeac.jp/anjo-lib/top/
神社・大社・御宮の 全国総合情報サイトhttps://www.saikouji.com/BukySaikou/Shrine/index.html
『新編岡崎市史 近世3』
光恩寺(愛知県豊田市竹村町)ーー御由緒板説明
『第25回 牛頭天王』ーー奈良県立美術館, 薮内佐斗司館長の部屋, 奈良県庁HP内 https://www.pref.nara.jp/59727.htm

【画像転載元】
国立国会図書館デジタルコレクション https://www.ndl.go.jp/

愛知県図書館HP 貴重和本デジタルライブラリー https://websv.aichi-pref-library.jp/digilib.html
安城市図書情報館 安城デジタルアーカイブ https://adeac.jp/anjo-lib/top/
『新編岡崎市史 近世3』
イラストAC https://www.ac-illust.com/
Googleマップ 




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