見出し画像

【読書メモ】サザンオールスターズが40年も愛される48の秘密

今私が読んでいる本を見渡すと、
気がつけば長めでちょいとお堅い内容のものに偏っていました。
そこで、今回は読書の息抜き・気分転換をということで
本書を選びました。

1. 本書の感想

早速ですが、本書を読んで見て思ったのは、
本書はずばり、サザンを殆ど知らない初心者向けの入門編だと思いました。
サザン、特に桑田佳祐について掘り下げたい人には以下の本の方が良いかと思います。

ただ、コアなサザンファンは本書を読む必要はないのかと言われればそうではなく、
サザンが好きな人達が編集しているのはわかるので、
知っていることだけど共感できる、という内容が多いかと思われます。

個人的には、サザンを全く知らない人にはまず、
何でも良いので何かサザンの曲を聴いて欲しいと思います。
(できれば1曲だけではなく、何かアルバムを選んで複数曲を)
そこで、何か自分の中に響くもの、気になるものがあると感じたら
本書を手に取ってみると良いでしょう。

2. 「サザンオールスターズ」というバンド名が生まれた経緯

本書は私にとっては知っている内容がほとんどでしたが、
数少ない知らなかったことの一つとしては、
「サザンオールスターズ」というバンド名が生まれた経緯。

サザンは青山学院大学の音楽サークル発祥ということは有名であるが、
そこで桑田佳祐がムクちゃん(関口和之、Ba)と
初めてバンドを結成した時のバンド名は
「温泉あんまももひきバンド」。

そこからメンバーが変わるたびにバンド名がコロコロ変わったそうだが、
仮にバンド名が「温泉あんまももひきバンド」のままだったら、
今みたいに長きにわたって活躍するバンドになっていなかっただろう。
「サザンオールスターズ」というバンド名でなかったら
今のようにはなっていないと個人的には考えます。

「サザンオールスターズ」というバンド名は誰がどうやってつけたか。
名付け親は桑田佳祐と同級生で
ワーナーミュージックのチーフプロデューサーだった宮治淳一氏。

ある日、桑田佳祐のバンドがコンクールに出場することが決まり、
その際にバンド名が必要に。
宮治氏が桑田氏に「バンド名はどうする?」と聞いても
桑田氏は「そんなものはないよ」とバンド名をつける気がなし。

そこで宮治氏が痺れを切らして、
ニール・ヤングの曲「サザン・マン」と
アメリカのサルサ・グループ「ファニア・オールスターズ」を組み合わせて
「サザンオールスターズ」とバンド名を命名。
桑田氏もバンド名を考えるのが面倒だったので、これを承諾。

The Guardian の記事より、ファニアオールスターズ?

この部分を読んで自分は納得しました。
というのも、「サザンオールスターズ」という名前は
桑田佳祐のセンスとはどこか違うのでは、と長年思っていたからです。
かといって、繰り返しになりますが、
「サザンオールスターズ」というバンド名でなかったら
長年にわたって第一線で活躍するバンドにはなってなかったように思います。

3. サザンオールスターズが長きにわたって活躍する要因

サザンが長きにわたって活躍できている要因、
それは疑いもなく桑田佳祐のカリスマ性、センス、スター性、引き出しの多さ等々
が一番に上がるでしょう。
確かにサザンオールスターズを結成せず、桑田佳祐だけでソロでやったとしても、
ある程度、後世に残るヒットを連発していたと思われます。
ただ、桑田佳祐だけだったら、
今のように長年にわたって第一線で活躍はしていなかかったと思います。
サザンというバンドを組んでやってきたから、
今の形があるのだと思います。

エンタメ特化情報メディア・スパイスの記事より、
現在のサザンオールスターズの面々

桑田氏の個性も強いですが、
サザンのメンバーも実力者かつ個性的な面々が揃っています。
本書ではところどころで桑田佳祐以外のメンバーにも触れていたのが良かったです。
強いて言えば、諸般の事情で書けないのでしょうが、
ター坊(大森隆志、Gt)についてはあまり触れられていなかったように感じます。

4. サザンでおさえておきたい楽曲

「サザンでおさえておきたい楽曲は?」と聞かれたら、
私には答えられません。

というのも、本書の巻末のファン座談会のとあるファン発言で

「サザンの曲って、いわゆる名曲だから好きというより、
この曲を聴くとあの夏を思い出す、みたいな自分の人生の思い出と
がっちり絡むからいいんですよね。」

の部分が私にとって大いに同意で、これが私がサザンを好きな理由だと思いました。
つまり、サザンのいい曲というのは
発表している曲数も多いこともあり、人それぞれによって変わってきます。
世間ではマイナーな曲の中にもいい曲が沢山あります。

サザンの方向性を決めた曲、ということで強いて挙げるならば、
デビュー曲「勝手にシンドバッド」と「いとしのエリー」の2曲だと思います。

まず、「勝手にシンドバッド」、
この曲にはサザンの様々な要素が詰まっています。
型破りな歌い方・曲調、湘南、海、コミカルさ、エロさ等々。
サザンを知りたいならばまずこの曲だと思います。
この曲をデビュー曲にもってきたのは大正解だったでしょう。

しかし、「勝手にシンドバッド」だけだったら
ただのコミックバンドで終わってたでしょう。
「勝手にシンドバッド」のヒット後に間も無く
世に放った曲が、言わずもがなの名曲、「いとしのエリー」。
しっとり聴かせる王道バラード。
ただのおもしろ集団だと思ったらこんなこともできるのか。

「勝手にシンドバッド」からの「いとしのエリー」の順番だったから
よかったと思います。
サザン、特に桑田佳祐は
守備範囲がとてつもなく広いミュージシャンだと思っていますが、
この2曲だけでもそれがわかるかと思います。

(知らない人にはそんなイメージがあまりないかと思いますが、
アルバムを複数枚聞いてみると、社会や政治を風刺する曲が
アルバム中に必ず1曲はあります。
時には特定の人を攻撃してみたり。)

5. サザン入門には何を聞けばよいか

本記事の冒頭らへんで、
サザンを知るにはまず、何か曲を聞けと書きましたが、
そういうと、どれを聞けば良いのか、と思うでしょう。

回答は、ベタな回答で、かつどのアーティストにも当てはまると思いますが、
まずはベストアルバムを一通り聴くのが良いでしょう。

今回挙げるのは、「海のYeah!!」と「海のOh,Yeah!!」。
「海のYeah!!」はデビュー時から1990年代中盤までの、
「海のOh,Yeah!!」は1990年代後半から現在までの楽曲が収録されています。
この2枚(両方とも2枚組なので正式には4枚)を聞けば、
サザンの有名どころの楽曲はとりあえずカバーできると思います。
そこからサザンに興味を持ったら、是非オリジナルアルバムを聴いてください。

気がつけば本の感想というより、私のサザン語りになってしまいました。
私の人生とサザンの曲についても書きたくなってきましたが、
長くなりそうなので、それはまた後日。

それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?