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安心の為の旅
9月も終わりの頃突発的に3日間の旅行の予定を立てた。心が不安定になっていたからだ。ずっと一人で家にいるのが辛かった。誰かに会いたいと思った。
以前からパフェ巡りデートしようねと言っていたフォロワーに会いに行こうと決めた。予定も空けてくれるらしくとても嬉しい。
とは言え当日までは気分も程々、何なら重くてだるい日もあった。プランも練らないままになんとなくで前日「朝適当な時間に起きたら連絡して」という連絡を入れた。異性とのデートだというのにこの後もこの調子は続く。
バスに乗り浜松へ。朝の4時に到着。到着時間も事前に確認済みだがプランも何もなく、ただすき家で牛カルビ丼を頼み居座ることしかできなかった。
6時になり人も動き出す。
彼女はいつ起きるだろう?休みだからゆっくり寝ていてほしいななんて思いながら外でぼーっとした。7時頃、彼女が起きたようだがぼーっとしていた為にスマホを見ておらず二度寝させてしまうも何度かの電話で起きてくれた。
ごめんなさい今から用意しますねとの事なのでタクシーで彼女の自宅へ向かった。少し時間がかかるというので飼い犬に話しかけて時間まで待っていたが、あちらはあまり心をひらいてくれている感じではなかった。
用意が済み出てきた彼女は口数少なくおとなしめ。前述の通りの調子でどうしましょう?とか言ってしまう私にバス停までの道を教えてくれちゃきちゃきと歩き私のその場しのぎの質問にも応えてくれた。
この時に、このままではだめだなと思い少しずつだがプラン提案をし始めた。事前にある程度ぼんやりとイメージしていたルートを提案し掛川市へ向かうことにした。
バスでも口数は少なく眠そうな彼女。申し訳ないなと思った。
浜松駅に着き、お互いに小腹が空いたところでコーヒーショップで軽食。私はブロッコリーが世界一嫌いなのだが、選んだサンドに大量に挟まっており絶望した。悟られまいと涙を我慢しそれを見事完食、31にもなるおっさんがひとつ成長した瞬間だった。
朝到着した時に買っておいた掛川までの切符を往復分渡し電車に乗った。それなりに大きな駅なのだが車両は年季が入ったもののようで味わい深かった。
夜行バスの居心地が悪く睡眠が取れていなかった為うとうととしていたのだが、ふと意識が戻った時にちょうど通り過ぎた天竜川を振り返り窓から眺めている彼女の笑顔が忘れられない。よくできた夢だったのかも。
到着した掛川は綺麗な街並みだったもののがらんとしており人や車が少ない。後に見た「スローライフの街 掛川」というフレーズが似合うが少し寂しすぎる気もした。
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第一の目的は「きみくら本店」。ここは有名なお茶屋さんでアニメゆるキャン△にも名前を変えて登場しているそう。
建物は新しめで綺麗だが落ち着きある雰囲気だった。ショップになっている1階をぐるりと見てから2階の喫茶へと上がった。事前情報ではかなり混雑するらしかったが平日というのもありスムーズに席へ案内された。
普段は行かない落ち着きのある店内に少し緊張しつつメニューを確認。お目当ての季節限定秋の和紅茶パフェとセットの温かいお茶秘壷蔵(ひこぞう)を注文。彼女は抹茶パフェと庵(いおり)を注文した。
小さな急須と温かいお茶、それぞれのパフェが届き撮影会。私が食べる前に一口食べてもらった。目の前の彼女は朝よりも柔らかな表情でにこにことご機嫌そうに見えた。
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パフェは優しい甘さで食べやすく温かいお茶がよく合う。身体の内から癒やされるような、そんな感じ。ごちそうさまでした。
ショップでは喫茶でいただいた秘壷蔵やパフェに使用されていた和紅茶などを購入。再び駅へ戻った。
時間は昼の2時頃。何か行きたい場所があれば優先しようと思い聞いてみるも無いようなので私が行きたかった花鳥園へ。
たくさんのフクロウがお出迎え。花鳥園はいくつかあるがどこもこのスタイルだ。次はペンギンと水鳥。どの子も大変かわいい。
温室へ移動すると何やら賑やかだった。ショーが始まっていたらしく見に行くことに。平日という事もあり満員ではなく端の席はガランとしていたのでそこへ座る。賢い鳥達を賢くないおっさんがぼけっと眺めているとT字のパイプが渡された。選ばれし者となったおっさんはショーに参加する事となり、席でパイプを掲げ待っているとアナホリフクロウ君が私の持つパイプまで飛んで来てくれた。非常に小さくかわいい。次はアナホリフクロウに生まれたいと思った。
あとはさらりと展示を見て帰ったのだが、餌やりが15:30で終了とのアナウンスがあるもショー終了がそれのぎりぎりだった為に私の大好きなオオハシ達と触れ合う機会を失い心の涙を流した。
行きは大して気にしていなかったのだが帰りにそれがでかでかと主張されていることに気がついた。花鳥園の向かいにある菓子店「たこまん」。「いっちゃいますか(笑」と流れるように入店。甘味には抗えない2人をしぼりたてモンブランパフェが襲う。
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美味しくないわけがなかった。糖分が全身を駆け巡り見事に敗北した。ごちそうさまでした。
この後特に何もなく、表情も柔らかくなった彼女と浜松駅へ向かった。途中今度は私も一緒に天竜川を見たかったのだが叶わなかった。
彼女から以前よりオススメされていた五味八珍で夕食。食べてばかりである。以前浜松へ来た時に友人と食べた浜松餃子が大変気に入っていた私はつけ麺と餃子のセットを頼みするすると吸い込んでいった。
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その後はカラオケで時間を潰した。このカラオケ屋さんの癖がかなり強く、「じいじ」と呼ばれるおじいちゃんが部屋まで案内してくれ「サービスだからのんでね」と優しい声のじいじがドリンクバーがあるにも関わらずお茶のポットを持ってきてくれた。そんな感じなんだ…と思いつつも頂くと好きなタイプのお茶で結局ドリンクバーは使わずポットのお茶を全ていただいた。アットホームすぎる雰囲気が最高なカラオケ屋さんだった。
24時頃彼女の家へ戻りそのまま泊めてもらった。だらだらしたり喋ったりしていたが4時前には意識を失っていたよう。
これにて長い長い長い1日目は終わり。2日目へと続きます。