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マッチングアプリでダイエットが捗らない

以前、マッチングアプリで知り合った人と会ってみたら飛行機が大きかった話を書いたのだが、実はその後にも会った人がいた。

その人とは「実際に会ってみないと結局わからない」という考えが同じだった。
そう、前回の教訓もあり、いくらメッセージでやり取りしていても会ってみないとわからない。は自分への戒めでもあるのだ。写真なんていくらでも嘘がつける。
あんなに若々しい写真の彼だって会ってみたら頭皮が見え隠れしていたではないか。人を見た目で判断してはいけないが、その見た目について嘘をつかれたのだ。禿げとるやないかい!と言われたって文句は言えないはずだ。
そして、そういう自分だって、できるだけ写りが良く、太って見えない写真を厳選して載せていた。
そう。会ってみなければ結局なんにも分からないのである。

なので、そこから待ち合わせまでのやり取りは早かった。
ぐいぐい引っ張って話を進めてくれるので、約束はできるだけ人任せにしたい私にとっては気楽でありがたい。
人によっては押しが強くて好きになれないかもしれないが、私にとっては多少展開の速さに戸惑いつつも、頼りになるな、という印象だった。
4歳年下の彼と話していると、大人になれば年齢なんて本当に関係ないんだなと思わされた。

しかしである。
多忙な彼は時間がないらしく、カフェで30分程度の顔合わせをしたいなどと言うのだ。
30分にはいくらなんでも流石に驚いた。
XJAPANの「Art Of Life」は約29分の名曲で、ファンは30分のことを
1AOLという単位で呼ぶのだが、当然この時も「1AOL??」と一人驚愕したのはどうでもいい話である。
この「Art Of Life」はYOSHIKIの半生を曲にしたもので、筆舌につくし難い名曲なので「時間があるときに」是非とも聴いていただきたい。

話を戻そう。
が、もし好きになれない相手だった場合を考えれば、それも悪くないなと思ったのは前回の教訓によるところが大きい。
いちいち前回の悪夢が脳裏を掠めるのはいかがなものかとは思うが、良い社会勉強になったし、良い話のネタにもなった。ありがとう。

そして当日。
仕事帰りに待ち合わせのカフェに向かった。
お互い名乗ったあと、彼はおもむろに家族のこと、先天性の持病のことを話し出した。その内容に気になる要素は何もなかったが、自分も話さなければならないような気がして、両親と姉の話をし、過去の病気の話を軽くした。

そして。だ。
彼はどうやらとても合理的な性格であるらしく「友人・知り合い期間を重ねた結果、合わなかったね。となるのは時間の無駄である。まずは付き合ってみて、合う合わないは付き合う中で確認していけば良い。というわけで付き合いませんか。」というのである。

出会って15分。
「Art Of Life」なら、中盤のピアノソロのあたりだろうか。
まだ、この後にドラマチックなエンディングが待っているのだ。
終盤の8分間を聴かずして「Art Of Life」は語れない。
結論を出すにはいくらなんでも早すぎるだろう。

正直さすがにそれはないな。と思った。
思ったのだが、これって「結婚する前に試しに一緒に暮らしてみる。」というのと同じ理論かなと考えたら、唐突にスッと受け入れられてしまった。
そう言ったら、彼も「そうそう。それと同じようなもん!」などと言う。
それでも抵抗があるなら、1か月のお試し期間で判断したら?とも言う。
1か月のお試し。良いかもしれない。と思った。
付き合ってみたら思ってたのと違った。という場合もあるし、そもそも彼について何かしら想像すらしていないのだ。思ってたのと違う以前の問題である。

気づけば「じゃあ、はい。よろしくお願いします」と言ってしまっていた。
彼の押しの強さに押され負けしたとも言える。
彼は満面の笑みで「やったー!彼女ができた」と喜んでいる。
聞けば私は6年ぶりの彼女らしい。
そういう私も5年ぶりの彼氏であるので、どんぐりのなんとやらである。
1か月後、まだ関係が続いているようなら一緒にマッチングアプリを退会しよう。と約束をしたところで、1AOLが経過した。
慌ただしく別れの挨拶をして彼は去って行った。

あれからちょうど半年経った。
私たちはなんだかんだ上手くいっている。
あんなに強引に唐突に始まった関係だけれども、引っ張って欲しい私と、ちょっと強引な彼は相性が悪くないのだろう。

しかし、先日事件が起きた。
「苦手なものは何?」と聞いた私に彼は「痩せている人」と答えたのだ。

痩せている人

つまり、私は「痩せていない人」ということだ。

そう。万年ダイエットを誓っては破れている私であるが、昔は痩せていた。
これは言いすぎて恥ずかしいのだが、本当に「痩せている人」として生きてきた時間が長かった分、その感覚から抜け切れていないところがある。
その感覚を改めさせられる一言だった。

今年こそ痩せてやる。
痩せたいという私に、いつだって「そのままで良いのに。」言ってくれるのは嬉しいのだが、やる気がそがれてしまうではないか。
いや、良いなら痩せなくていいか…と甘えてしまうではないか!

彼の意見と折り合いがつく範囲で痩せてやる!
そう決意を新たにした年の瀬だった。

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大熊猫
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