「誰でも猫助けができる世の中に」初めてでもできる猫助け|野良猫の保護サービスAHAHA
近所を歩いていたら、ふと出会う野良猫たち。自由気ままに生きているように見える猫ですが、外で生きるのはとても過酷です。助けてあげたいと思い保護団体に相談しても、すでにキャパオーバーで受け付けられないこともあります。
目の前の猫を救うために、何かできないかと保護活動を行なっている方にインタビューしました。今回は保護団体ではなく「個人ができる保護のカタチ」を実現した、野良猫を助けるためのサービス「AHAHA(アハハ)」を展開している、えんさんにお話を伺います。AHAHAのサービス概要や、いまからできる保護猫との関わり方についてお話を伺いました。
プロフィール
えん|猫を幸せにするアドバイザー
シェルターを持たない保護猫レスキュー「AHAHA」を運営。保護猫のために何かしたい方や企業さんと繋がりながら、助けが必要な猫をみんなで助けられるカタチを作っています。また、全国の猫たちの様々なトラブルにオンラインでアドバイス。「猫を幸せにするアドバイザー」としてWEBやSNSで発信中です。
Instagram:@ennnnnnnnn
野良猫を保護した方をトータルサポートするサービス「AHAHA」
ーーAHAHAの概要をお伺いできますでしょうか?
「野良猫を保護したい」と思った方をサポートする、Webのプラットフォームです。
たとえば、
野良猫の捕獲方法
初期医療のかけ方
預かり先の見つけ方
譲渡までの方法
など保護活動に役立つ記事をサイトに細かく載せて、猫の保護が初めての人でも安心できるような仕組みを作っています。
記事を見ても解決しない悩みやわからないことがあるときは、ビデオ通話でお話を聞いてアドバイスもさせていただいていますね。
また、どうしても自宅で猫が保護できない方向けに、AHAHAでは東京・神奈川を中心に預かりボランティア制度を作っています。AHAHAに登録するボランティアさんとおつなぎして、猫の譲渡までみんなでサポートし合う活動を行なっています。
ーー預かりボランティアとのマッチングではなく、個人で保護をする方のトータルサポートのようなサービスでしょうか?
そうですね。
1人ひとりが猫を保護できればより多くの猫を助けられると思っています。だからまずは自分で何とかできるように、よく聞かれる質問をブログ記事にまとめたり、譲渡先や預かりさんが見つからない場合はサポートしたりしています。
以前までは保護主さんと預かりボランティアさんをつなげる活動をしていたのですが、それだと保護だけしてそのあとのことは誰かに任せようと、猫の保護に責任感がなくなってしまうこともあり……。
そのため、最後まで相談者さんに動いてもらうことを前提に、サポートさせていただく形にしています。
AHAHA立ち上げのカギは“猫と人のマッチング”
ーAHAHAを始めたきっかけについて教えてください。
保護団体をしているときに出会った保護団体さんから、“あるお話”を聞いたことがきっかけです。
以前、河原にいる11匹の猫をまとめて保護することになったのですが、受け入れてもらえる一時預かり先がなかなか見つからなくて。
そのときほかの大きな保護団体さんが手を差し伸べてくださって、無事に保護先が見つかりました。その際、団体の代表の方とお話をする機会があったんです。その団体には預かりボランティアさんが2,000人いるというお話を聞いて「見つからないと思っていたけど、やりたい人はこんなにいるんだ!」と衝撃を受けました。
もともと運営していた保護団体をやめたあと、預かりボランティアを募集して猫をお願いする活動を始めてみたら、場所や人件費のコストがかからなかったり、猫も人の生活に慣れて譲渡先でもトラブルが少なくなったりと、いいことづくしだったんです。
初めての方にこそ猫を預かってほしい!厳しい審査をしない理由とは?
ーAHAHAの預かりボランティアに登録したい場合、審査はあるのでしょうか?
現在は東京と神奈川在住の方限定で登録していただいていますが、応募の際あまり厳しい審査はしていません。理由としては、預かりボランティアを経験したことがない方にも参加してもらうことで、猫助け人口を増やしたいと思っているからです。
ただ、ペット可の自宅に住んでいる・準備物を揃えてくれる方など預かりボランティアをするうえで必要なことは事前に共有させていただいています。それを読んでもらったり、ビデオ電話でお家のなかを見させてもらったりして、判断させていただいています。
いまのところ、預かりボランティアを断った方はほとんどいないです。初めての方でもできるようにブログ記事に疑問点などはまとめているので、興味がある方は参加していただければ嬉しいです。
“現場に足を運ぶ”ことが保護猫活動の第一歩につながる
ー現状、保護猫の団体が抱えている問題は何かありますか?
保護猫団体と猫のために何かしたいしたいボランティアさんのマッチングがうまくいっていないように感じていますね。
団体は猫のお世話だったり運営だったりで、ボランティアさんを見つけて育てることになかなか時間が使えていないんです。現場レベルで必要な人材が常に足りない状況だけど、やることが多くて時間が足りず、手伝ってくれる方を探す余裕もない。
だから、保護猫のボランティアをしてみたい方が直接動くことで、うまくマッチングするのではと思っています。
ー猫の保護活動に興味があるけど「まだ行動ができていない」「ボランティアとして関わってみたい」という方は、まずどういうことから始めればいいでしょうか?
「猫のために何かやりたい!」と考えている方は、SNS発信や情報を拡散する以外に、施設やシェルターに直接行って、できることがないか聞いてみるのがおすすめです。
Webで募集されていなくても、実際に話を聞いてみれば人手が足りていないこともあるので「わたし〇〇ができるんですけど、どうですか?」と勇気を出して踏み込んでみてください。
もしかしたら断られたり、団体と合わないことがあるかもしれないけど、保護猫団体って1箇所だけじゃないので「ここだったらうまくやれそう」というところを探してみてほしいです。
Webサイトに載っている情報だけだと何をしているのか、どんな団体なのかよくわからないと思うので、まずは保護猫カフェや譲渡会など保護猫のリアルがわかる場所に行くことから始めてみてはいかがでしょうか。
AHAHAのサイトはこちらからご覧になれます▼
実際にフォスター先で暮らす猫の「ショコラ」▼
野良猫や保護猫を助けたい、そう思ったとき真っ先に思い浮かぶのは保護団体ですよね。ただ、保護団体のなかにはすでに猫の受け入れ上限に達しているところもあります。
AHAHAのえんさんは「1人ひとりができることを行えば、より多くの猫を助けられる」といいます。猫のために何かしたいと考えている方は、猫を預かれて、猫のためにもなる“預かりボランティア”に立候補してみてはいかがでしょうか。
neco-noteでも預かりボランティア(フォスター制度)について、解説した記事がありますので、気になる方はぜひご覧くださいね。