WBCの開幕を楽しみにしていたOさんとの突然の別れ…
Oさんは息子さんとのお二人暮らしでした。
数か月前に奥様が他界されて、息子さんと二人暮らしになったと。
Oさんは週3回の透析治療を受けることになり、ねこの手に通院介助のご依頼がありました。
歩いているとふらつきがあり、玄関先から透析の送迎車までの距離をお一人では不安があるので、支えて欲しいと。
迎えにくる送迎車のドライバーさんが、支えてくれると一番スムースなんですが、どこの透析病院もそこはNGなことが多いようです。
万が一、転倒させてしまった場合のリスクがあるため、ドライバーさんが支えになってくれることはありません。
同居する息子さんも仕事があり、早朝の送り出しの時間帯には不在になるため、支えることができません。
介護保険で対応できるヘルパーさんも早朝は難しく、ねこの手にご依頼があったという経緯です。
火曜日・木曜日・土曜日の週3回、7時30分に伺い、送迎車を一緒に待ちます。
この間、15分程度ですが、色々をOさんと会話を重ねてきました。
自営をされていたOさん。
今までの仕事の話。年に数回行く三峰神社の話。玄関先にあった大きなフタマタの木の話。そして大好きな野球の話。
お気に入りの球団はヤクルトで、村上選手の活躍を目を細めて楽しそうに語っていらっしゃいました。
翌年にWBCが開催されることを、とても楽しみにされていて、WBCでの村上選手の活躍を楽しみにされておりました。
2022年12月。
いつものように通院介助に伺い、玄関先でOさんとお話していたのですが、どうもいつもと様子が違っておりました。
血圧が下がってしまうことがたまにあったようですが、この日も体調はあまり良さそうではありませんでした。
それでも「俺は大丈夫だから」と送迎車に乗り込み、透析へ。
翌日、息子さんから連絡があり、透析中に容態が悪くなり、病院へ救急搬送されたので、しばらくは通院介助はお休みにさせてくださいと…
容態が気になって心配しておりましたが、1週間後には、近々に退院してきて自宅療養になると連絡があり、ほっとしておりまましたが…
退院予定日の前日、再び息子さんから連絡があり、Oさんの訃報を知らされました。
「今まで、介助の対応をしていただきありがとうございました」と…
つい先日まで週3回、お顔を拝見しておしゃべりしていた方が、亡くなれました。
あんなに楽しみにしていたWBCも観ることができず、天国へ…
今年、WBCの日本の活躍を観ながら、いつもOさんのことを思い出しておりました。
「Oさん、日本が世界一になりましたよ。最後に村上選手も活躍してくれましたよ」と。
おそらく天国で、村上選手の活躍に興奮されていたことと思います。