多忙な10月
10月、忙しかった。
疲れてほんの少し危険かもと思うくらいだった。
急に秋めいてきたからなのか10月に入ってお客さんの来店がいきなりドカンと増えた。
日本人のお客さんは相変わらず親切な方が多い。
だいぶ待たせますと伝えても、問題ないですとみなさんすんなり言ってくださる。
ありがたい。
難しいのは海外のお客さんだった。
英語で対応しなくてはいけなかったのは、やっぱりなかなかスムーズにできないし焦ってしまう。
さらに忙しい中で、抹茶ラテにエスプレッソを入れてくれる?だの、カプチーノにココアを入れてくれる?だの言われる。
基本イレギュラーな要求にはNOと言った。
だけどたまにWHY?などと聞かれる。
それでなくても忙しいのに時間が惜しかった。
また、ある時は平日なのに予想以上に忙しくフード類の食材がすっからかんになり海外のお客さんにフードがないことを伝えると、なにもないの!?なんで!?と、すごく嫌な顔をされたり。
ある時は時間がかかると伝えた上で注文を受けたものの、やっぱりもう待てないので帰ると不機嫌に言われたり。
忙しくてヘトヘトな体に追い打ちをかけるように負のオーラをぶつけられると精神的に参る。
(まぁそれは一部の方でほとんどはまた来てほしいと思える穏やかな方ばかりだったのだが)
そんな心がズーンとする中で夫も私も、アレを作るのが楽しくない、買い出しに行くのがしんどい、洗い物ばかりしていて飽きたなどと愚痴を漏らすことが本当に多かった。
これはよろしくない。
なにか嫌な予感がした。
夫は家計を支えるためなら頑張るって感じだったけどだいぶ無理をしている気がする。
これから何年も続けようとしている仕事なのに楽しくなくちゃ意味がない。
店名は伏せるがワンオペで営業しているあるお店の話によると、満席のときは「満席です」と入り口に張り紙をするという。
それはいいアイディアだなと強く感じて、なぜかというと爆裂に忙しい時は、フードを作る、提供する、下げ物、洗い物、机を拭く、お客さんの対応などなど…とにかくやることが山のようにある。
そんな時に新規のお客さんが入ってくると、そのあらゆるタスクをしている手を止めて「今満席でお迎えする余裕もなくて待ってもらうかまた次回来ていただきたいんですけど良いですか?」という会話をしなくてはいけない。
その会話をしている間も既にオーダーをしたお客さんはコーヒーが来るのを待っている。
なので私たちも真似をして「満席です。外でお待ちください」と日本語と英語で書いた張り紙を貼ることにした。
その紙を貼っている時はお客さんには大変申し訳ないけどどんな状況でも外で待ってもらっている。
臨機応変には動きますけどね。
お客さんたちもみなさん読んでくださりしっかりと外で待ってくれる。
本当に助かりました。
夫とも「この張り紙を出してる時は外で待ってもらう一択にする!」と2人で決めてから、満席時の新規のお客さんへの対応をどうするか?という意見の食い違いでプチ諍いをすることもなくなった。
ちなみにテイクアウトオーダーの方も外で待ってもらうことにした。
その旨も張り紙に書いた。
うちはテイクアウトだったら最初にオーダーを聞いて会計をするという取り決めをしているため、それもまた手を止めてやらねばならんことになるので既に待っているお客さんに迷惑だと感じた。
満席じゃなくて店内にお客さんが多くない時でも満席張り紙を貼っている時もある。
外から見れば「テーブルがたくさん空いていて下げ物したらすぐ入れそうやん?」などと思うかもしれないが、私たちが満席張り紙を出してるときは先に書いたタスクがまるで終わってなくてお客さんを迎える準備が整ってないと感じ取っていただきたい。
この「やらないといけない」が多ければ多いほど焦ってしまうのでご理解いただけると助かります。
こんな感じでお客さんにご協力いただきながらなんとか自分たちが心の平穏を保てる程度に…でもできる限りお客さんたちをお迎えできるように工夫して営業している。
暇でも悩むし忙しくても悩む。
この悩みはずっと営業する限りずっと続いていくのだろうなと感じる。
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*ネクタイコーヒー
京都府京都市下京区櫛笥通丹波口下る裏方町177-5