店の立地の決め方
私たちは西院エリア・壬生にある壬生モクレンさんで1年ほど定期的に間借り営業をしていた。
そこに来るお客さんはやはり壬生モクレンさんからそれほど遠くないエリアに住んでいる方が多かった。
間借りながらありがたいことに常連さんがいらっしゃって、店を構えてからも間借りからの常連さんに今後も会いたいなぁ来ていただきたいなぁと思っていたので、できるだけ壬生から遠くない場所に店を持つことが私の理想ではあった。
とは言うものの、やはりそこだけに絞ると物件はなかなか見つからない。
早く出店したいという焦りもあったので京都市全体で探してはいた。
内見まではいかないけどネットに出ている物件の外観や町を見に1番遠くまで出向いたのは岩倉だったかな。
町を見るということはかなり意識をした。
物件自体はなかなか良くても町の雰囲気がなんだか自分たちと合わない気がする…お向かいの家とトラブる気がする…ご近所の飲食店とバチバチやりあう気がする…などなど。
物件が良いなぁと思ったときはとりあえずその町をたくさん歩いた覚えがある。
地域に店がフィットするような場所であるかどうかの判断はちょっと難しくて、そこは夫婦2人で決めることができて良かったと思う。
私が良いと思っても夫が首をかしげる。
夫が良いと思っても私がなんか違うと言う。
1人しかいないと人間1人だけの判断に委ねられるから、もう1人の意見を聞けることは貴重なことだったなと今にして感じる。
あとは、単純にアクセスが良いかどうかもポイントだった。
とは言え、私たちの考えとしてはアクセスが良すぎても自分たちらしくない。
静かで落ち着いた場所だけど公共交通機関を使ってなんとか目指していける場所が良かった。
京都の中心から離れすぎてしまうと、なんとか目指すのに時間がかかってしまう。
京都の中心すぎると静かでゆっくりできる店内を自分たちには作れないかもしれない。
絶妙なバランスがとれた場所が良かった。
加えて、なんだかんだでやっぱり私は壬生から離れたくなかった。
間借りを通じて知り合った方々やお客さんたちと疎遠になりたくなかったのだ。
なので壬生を中心に離れすぎていない場所をメインに探していた。
そんな時にひょっこり見つかったのが今の物件。
まぁたしかに島原は壬生からそんなに遠くないけど…地元かよと。
あぁ、よく友達と鬼ごっことかしてた櫛笥通ね。
スケートボードに乗ってひっくり返って転けた思い出のある櫛笥通ね。
地元かぁ…地元なぁ…と一瞬渋っていたのだが(笑)
それが今では自分たちにとても合う場所になった。
結果的に島原で良かったのだ。
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*ネクタイコーヒー
京都府京都市下京区櫛笥通丹波口下る裏方町177-5