ブレーカーが落ちる
前回の記事で菓子を温めることをトライしたと書いた。
営業の途中で焼き菓子がなくなった時にオーブンレンジで焼き足すことがあるので、菓子を温めるのにそれは使えない。
長時間使用しているということがないトースターを使って菓子を温めたい…と日々模索していたわけなのだがこれがそもそも絶対無理な話であった。
当店はそもそもオーブンレンジとトースターを同時に使うことができなかったのだ。
事の発端はまぁまぁ忙しい土曜日か日曜日。
朝の段階で焼き菓子がすっからかんになった。
コーヒータイムに菓子がないのは寂しすぎる…焼き足さないと!と思って、すぐにオーブンに菓子を放り込んで焼成した。
その時間はいつもならスローなお昼間だったのに予想外にお客さんが来て忙しい時間帯だった。
そこでお客さんからクロックムッシュのオーダーをいただいた。
クロックムッシュはトースターを使ってホットサンドみたいにするのでクロックムッシュもトースターに放り込む。
クロックムッシュを焼いてる間にバッシングをしたり洗い物をしたり、一緒に注文をいただいたラテを作るために夫がミルクを準備しようとしたり…そのとき冷蔵庫を開けて「あれ?電気がつかない」と夫が思ったらしい。
家庭用の冷蔵庫でも開けたら電気がついて中を照らしてくれるように業務用の冷蔵庫も扉を開けたら冷蔵庫がつく。
それがつかなかった。
「なんで?」
見回してみると冷蔵庫の電源がオフになっている。
そしてなんとトースターもオーブンもオフになっていた。
その時ばかりは私も夫もかなり焦った。
「今スコーン焼いてる最中なのに!?」「冷蔵庫の電源ってそういえばどこだ!?」などと私の心の中は忙しかったけど、夫はすぐに冷静を取り戻してブレーカーを確認しに行った。
ただ、ブレーカーが落ちていただけだったのだ。
後日、施工会社さんや電気屋さんにこの件についてなんでこんなことが起きるのかなーと相談。
そこで聞いたお話によると当店は電力の大元が三箇所あるらしい。
ざっくりわけて、出入り口付近、店内中ほど、店内奥の三箇所だ。
例えば出入り口付近にコンセント差し込み口は複数箇所あるが全部合わせて1500Wまでしか電力を使えないと言う。
すなわち電力の大元の三箇所がそれぞれ1500Wずつしか容量がないということだった。
オーブンレンジとトースターはどちらも店内の奥の方に設置されているので共に大元が店内奥の電力と繋がっていて、かつどちらの家電製品もMAXで1500W近く使われるらしい(笑)
そりゃブレーカーも落ちるわと電気屋さんに言われた。
正直そんなことあるかと思ったので個人の飲食店で働いている友人たちに話を聞くと、どうやら結構いろんなところが電力問題で悩んでいたらしい。
まじかよ。
炊飯器は電力を使うからたくさんの家電が同時に動いている時は違うコンセントに差し込むとか、やはりトースターが電力を必要とするから動かす時は他の電化製品は使わないとか。
みんな工夫していたことを思い知らされる。
そんなことがあってから菓子を焼き足すときはお客さんの入り具合を見てオーブンレンジを動かすようにした。
とは言うものの、クロックムッシュとモーニングのトースターでパンを焼く注文はいきなり入るので、その時はちょっと待ってもらったり菓子を泣く泣く諦めたりいろいろと模索していました。
それはちょっとストレスやったし電気屋さんに延長コードを使ってもいいよと教えてもらったので早急に延長コードを買った。
店内中ほどの電力はエスプレッソマシンやグラインダーが独占しているが、出入り口付近は特に大きな電力を使う家電製品はなかったしコンセント差し込み口もたくさんあいていた。
ということで店内奥のトースターから出入り口付近まで7mの延長コードを買ってトースターの電気を出入り口付近の電力からもらうことにした。
電気なんて見えへんもんやしトースターみたいな大きな電力使うやつを延長コードで繋げるなんて問題なく動くんかなーと不安だったけど、オーブンレンジとトースターはなんの不具合なく同時に動いてくれた。
今までトースターを使う注文がいつ入るかわからないので、オーブンで菓子の試作焼きや焼き足しなどができなくて諦めたり、ビクビクしながら使っていたりしたのだが(笑)
Amazonで延長コードをポチッとしただけで晴れてストレスフリーになった。
なんて便利なんや…
だからと言って前回お伝えしたように菓子の温めは諦めます(笑)
とりあえずノーストレスで菓子を焼くことだけが叶って良かったんですって話。