常連のお客さん
よく飲食店で一見さんより常連さんを優遇するという話を聞く。
私はそれがずっと理解できなかった。
自分自身が一見さんとして店に行くことはとても多いしそれで他の人とは違うサービスを受けられないって不公平だし、常連さんも一見さんも同じ金額を払うお客さんなんだから同じように扱ってほしいと思っていた。
とか言っといて実際に常連さんよりも劣ったサービスを自分が受けたことは今までないんですけどね。
でも店をしていて常連さんを持つことの素晴らしさを今すごく思い知っている…
店にとって常連さんはかかせない存在だった。
常連さんが喜ぶことをなにかしたい!とか、恩返しとしてなにかしたい!となる気持ち、ようやくわかってきたかな。
春が来てから店は途端に暇になって開店ラッシュというものが終わってしまったということを痛感しているのだけど、そんな暇な時期でも常連さんは来てくれる。
暇な時期というのは一般的に人々が外に出たくないと思っている時期とか季節とか、いろんな変化があって世の中が忙しくなっていて喫茶に行く暇などないという時期だと思うのだが、常連さんはそんなことは関係なく来てくれる。
もちろん開店直後のラッシュ時にも来てくれた。
どれだけこちらが忙しなくしていつもの対応ができなくても嫌な顔せず、むしろ気を遣ってくれるしゆっくり待ってくれる。
その後も仕事が忙しかろうが気温の変化が激しかろうが変わらず来てくれる。
店を愛してくれてるし私たちに会いに来てくれているんだということを感じる。
こんな嬉しいことないでしょ。
今日は常連さんやリピーターさんしか来なかったね…という日は少なくない。
ありがたいことにうちは常連さん、リピーターさん全て含めて数えきれないほどいる。
余談ですが、もう何十回も来てくれてて名前も知ってるし友達みたいに話せる…いやもはや友達!のような人や、数回ベラベラ話してまた来てくれた時に「この前話してた店行ったよ」「あの時話してたコーヒーどうやった?」など知り合いのように話す人などなどを私は常連さんと呼んでいる。
ちゃんとお話はしてないけど前も来てくれたよなぁ…もう何回か来てくれてるなぁ…などとこちらが一方的に覚えている人はリピーターさんと呼ばせてもらっている。
これは私の勝手な基準なんですが。
この数えきれないほどの常連さんとリピーターさんが毎日来てくれる。
一昨日はAさんBさんCさんが来て、昨日はDさんEさんFさん、今日はGさんHさんIさんが来てくれた…というように変わるがわる。
そして一周まわって1ヶ月後などにまたAさんが来てくれた!とか。
そうやってお店が継続できているのです。
本当にお客さんに助けられているなぁと感じる。
私たちがなんとかご飯を食べていけてるのはお客さんあってのことだし。
そりゃどこの店も常連さんを大切にすることでしょう…と納得した。
なにか恩返しがしたい!とも思う。
しかし、決して一見さんよりも常連さんを丁重に扱うということはしない。
ホスピタリティは平等に。
常連さんでも一見さんでも、老若男女も関係なく。
これは前職の会社の先輩から教わったことで私が喫茶で働く中でずっと貫いてることです。
常連さんが多い店は初来店の方にとっては行きにくいと思われるのではないでしょうか。
私も実際ちょっとビクビクするし(笑)
でも常連さんにはこの対応!一見さんにはこの対応!など区別することはうちはしない。
なので初めて来られる方も気軽に来ていただけると嬉しいです。