地蔵盆
8月の下旬に町内の地蔵盆があった。
地蔵盆とは京都で行われる地域のお祭りのようなもので元々はその地に住む子供の健康と成長を願う行事であり、いわば子供のための催しである。
私も幼い頃はゲームをしておもちゃをもらったり駄菓子をもらったりして楽しんだ夏休みの大きなイベントの1つだった記憶がある。
が、昨今の京都では地域に子供が全くいなくてほとんど地域住民の交流の機会になっているらしい。
店のある町内にお地蔵さんが2箇所ある。
そちらを壬生寺からお坊さんにお越しいただいて経を唱えてもらい一緒にお参りをする。
近所の仲が良いばあちゃんが「坊さんがきたよ〜」という呼びかけの意味で鐘を鳴らして町内を練り歩いてた光景が新鮮だった。
鐘の音を聞いて私だけ営業中の店を抜け出しお地蔵さんにお参りをした。
よく店に来てくれる人たちや店の前を毎日通る人たちなどがたくさん集まっていて、みんな親近感があったし町内のイベントだけど疎外感を感じることは全くなかった。
あとは参加したと言ってもかき氷をもらったり団子をもらったり、餅や果物などをもらったりした。
たしかに町内会には入っているしお供えとして少しばかりお金を渡しはしたけど、なんかいろいろもらってお腹いっぱいになったねーと夫と話した。
正直言うと、元々私は実家がある町内の人たちと関わることが若い頃から苦手だったので(思春期だったからな)、店を始めてこの町内の人に受け入れられるのかなーと不安だったし、むしろ自分から関わろうとすることはないのではないかと思っていた。
でも20代半ばから30代である今にかけて自分よりも年上の大人と話をするということに慣れた気がする。
そしてこの町内の人たちはみんな優しい。
嫌な人が全くいないし、むしろみんなたくさん気にかけてくれるし話しかけてくれる。
もはや家族と思っている人たちもいる。
なのでこの町内に溶け込むのはすごく早かったなーと感じる。
夫も島原が第二の故郷だと思っているらしい。
店をするにあたって近隣の方と仲良くすること、地域に馴染むことは店を継続させるためにとても大切だけどとても難しいことだと思っていた。
近隣の方に受け入れられて気軽に来てもらえるような店にするため、自分たちが努力して突破していかないといけないと考えていた。
だが、それを私たちが頑張る前に近隣の方から突破してくれたような気がする。
私たちが歩み寄る前に歩み寄ってくれたのだ。
とても歓迎されている気がした。
町内の方には感謝してもしきれないなぁと感じる。
地蔵盆の日の夜には料理屋で懇親会があったのでそちらにも出席させていただいた。
私はお腹に子がいるし我々のような30代が来るなんて珍しいって雰囲気だったし、いろいろ気を遣わせてしまって少し申し訳なかったけどそれでも大いに楽しんだ。
楽しくて興奮していたので帰ってからなかなか寝れなかった(子供かよ)。
ちなみにその日は日曜日だったのでもちろん営業もしたのだが、ちょこちょこ地蔵盆気分を味わいながらいつも通りたくさんお客さんをお迎えできて、営業もとても楽しむことができた。
町内の方とガハガハ話して、お客さんがたくさん来て、そのお客さんとも話した日が1番充実度が高いね。
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*ネクタイコーヒー
京都府京都市下京区櫛笥通丹波口下る裏方町177-5