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抗てんかん発作薬の使い方:実践編①
1. 抗てんかん発作薬(ASM)の原則
まずは原理原則を抑えましょう
l 単剤から始める
l 効果が出るまでしっかりと最大量まで増量
l 副作用がないかぎり増量
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2. ASMの併用は?
基本、作用機序が異なるものを組み合わせるのが合理的
代表的なものを整理しておきましょう
代表的な作用機序は
l SV2A(レベチラセタム)
l Naチャネル阻害薬(ラコサミド、ラモトリギンなど)
l AMPA受容体阻害薬(ペランパネル)
3. 薬剤選択は合理的に
ASMの代表的な副作用を知っておくと良いですよ
各副作用のリスクが高い症例では避けるのが「合理的」
l レベチラセタム:精神症状
l ラモトリギン:皮疹
l Naチャネル阻害薬:不整脈
l トピラマート:体重減少など
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4. 特発性全般てんかんでよく使う薬剤
基本3剤はバルプロ酸、レベチラセタム、ラモトリギンを覚えましょう
・全般てんかんの主軸はバルプロ酸
・女性ならバルプロ酸は避ける
バルプロ酸以外なら
・若年ミオクロニーてんかんなら「レベチラセタム」
・欠神発作が主体であれば「ラモトリギン」
5. ASMの血中濃度の測定ポイント
血中濃度の測定の意義は2つ
1)アドヒアランスのチェック
2)副作用や有効性と関連する血中濃度の把握
測定するポイント
ASM開始直後は定常状態に移行していないので注意しましょう。基本的には半減期の5倍を経過した期間での測定だと定常状態に至ります。
血中濃度を参考にしやすいASM
レベチラセタム
ラモトリギン
バルプロ酸
カルバマゼピン
(そこまで血中濃度を参考にしない:ラコサミドやトピナ)
(ベンゾジアゼピン系の薬剤はその受容体数に大きな個人差がありますので、一般に血中濃度は測定しません)
6. ASMの副作用は3つのタイプで覚える
l 「過敏反応」
l 「用量依存」
l 「長期代謝」
過敏反応は皮疹などのアレルギー的な反応
用量依存とは眠気やふらつきなどで、減量により対処できることが多い
代謝は骨代謝は脂質代謝への影響であり、長期的な影響を及ぼします
7. 治療の効果判定
治療開始前の発作頻度が3倍に延長されれば治療により「発作は減った」と判定できるだろうとする指標です。例えば1−2回/月の頻度だったのが、治療開始後に1−2回/3ヶ月まで頻度がさがれば効果ありと判断します。
8. 第一選択薬が無効のばあい
最も大事なことは本当にてんかんという診断が正しいのかを再考すること。多くのてんかん患者ではASM1剤でそれなりに良好な反応性を示します。1剤で治療がうまくいかない場合は、見せかけの薬剤抵抗性てんかん(心因性非てんかん発作の合併,診断の誤り,アドヒアランス不良,不適切なASM選択など)を改めて鑑別。
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第一選択薬が無効あるいは副作用で増量は困難なケースで第二選択薬へ切り替えや併用を考慮します。切り替えの際には、まずは第二選択薬「少量からの上乗せ」して十分量までに漸増したのちに、発作と副作用の状況に応じて第一選択薬を漸減しますルールが大事。
まとめ
・薬の選択は合理的に
・副作用がなければしっかり効かせる
・効果判定は大事
・うまくいかないときは診断を見直す
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