短編小説|ロスト・アーモンド no.6
やはりどうしても気になってしまい、帰宅してからもチョコレートのパッケージを取り出して、眺めてみる。
かくれんぼを終えて、籐の椅子の上で毛繕いをするロクが不思議そうに僕を見つめている。
パッケージを眺めながら、チョコレートを一つ口に運び、齧ってみる。
カリッと音が鳴り、口の中でチョコは豊潤に溶け出す。その音を聞いたロクは耳をピクリと動かした後、籐の椅子から飛び降りて、僕の足元にまとわりつく。
「ロク、いくら君からのお願いでも、猫にチョコは食べさせられないよ」
僕が