暗い気分と台風と納豆汁
なんだか気分が暗い。
ささいな失敗をして落ち込む事がしょっちゅうある。
落ち込むと1週間くらい暗い気分が続く。
しかし落ち込んでいても生きていかなければならないので、生活のあれこれをやる。
昨日、何気なく料理の本を眺めていて(レシピ通り作るというより見るのが好きなのだ。)
納豆汁を食べてみたいと思った。
今朝、暗い気分のまま起き出した私は、台風が近づき小雨がパラつく灰色の空を見て、
雨風が本格的に吹き荒れる前にコンビニに行ってこようと思った。
午前5時頃だ。
コンビニで何となく納豆を買い物カゴに入れた。
頭の片隅にまだ納豆汁がこびりついていた。
部屋に帰ってきてから米を研ぎ、炊飯器にかけて、あー、うん。納豆汁作るか、と心で呟いた。何かしていないと気持ちが暗すぎて泣いてしまいそうだった。
料理本に載っていた納豆汁は秋田の郷土料理の納豆汁だ。秋田では里芋、なめこ、じゅんさいなどとろみのある具材にすり鉢で完全にすりつぶした納豆をあわせるのだという。
すごいぬるんぬるんのとろんとろんで濃厚そうな味噌汁だ。大根や豆腐、にんじん、山菜などの具沢山でそれだけで満足してしまうという豪華汁である。
しかしすり鉢で納豆するのが手間ですね。
粒を残さず摺るという…うちにすり鉢ないんだけどね。あと野菜もたいして残ってない。私は冷蔵庫にあるもので納豆汁を作ろうと思った。白菜が少しあったので刻んで、出汁で煮てる間、納豆2パックを包丁で叩きまくった。ネバネバです。これを椀に入れて、小さいすりこぎ棒でガンガン潰した。(すり鉢はないけどミニすりこぎ棒はある。)
鍋にに豆腐を崩し入れ、味噌を溶く。味噌汁になる。
椀の納豆に付属のからしとタレを入れて混ぜて、味噌汁を少し納豆にあわせて鍋に入れてみる。
もう作り方は超適当である。
まぁ納豆汁はできた。
味噌汁にすりつぶした納豆が入れば納豆汁だ。仕上げに刻みねぎを散らす。
今日はおにぎらずもやってみた。
卵焼きとカニカマを入れた。
カニカマもコンビニで買ったやつだ。
食べてみた。
私が思い描いていた通りの納豆汁の味がした。うまい。納豆はよくすりつぶて汁にすると大豆の隠し持っていた真の実力を舌に響かせまくる。
ただの粒のままの納豆を味噌汁にぶちこんだ時より何倍もうまかった。
今度は里芋やなめこを用意してもっと具沢山の納豆汁を作ってみようと思った。