ぼちぼちでんな〜。
多忙を極めていた30代40代の頃は「50歳で人生を終えたい」なんて言っていた。仕事が楽しくて楽しくて、でも体力的にはしんどくて、太く短く生きられたら幸せだろうな、と。
結果的に、50歳になってすぐに東京を離れ、帰郷。大好きな仕事を手放したくない気持ちと、もう十分やったからいいよねという諦めの気持ちが半々だった。でも、やっぱり好きだからしがみついて、ほぼ仕事のないこの地で、細々と続けては来たけれど…。
まぁ、帰郷後の人生はオマケみたいなものだと思っていた。老親と愛犬と暮らす静かな日々。仕事面では、時に嘆き、時に落ち込みながらも、辞める気は無かった。心がひどく荒む事も無かった。自然豊かな環境と愛犬たちに癒され、概ね満たされていたから。
なんだかんだで、あっという間の10年。家族みんなを見送って、もう誰もいなくなった。早期に見つかって無事成功した手術からも5年が経過。何にも捉われず、何にも縛られず、自分とだけ向き合える今の時間は、まさにグレイス(神の恩寵)なのかも。
グレイスの語源って、感謝を意味する言葉らしい。授けてもらえた事に感謝し、現世とのお別れの日まで愉しみ尽くそう。悲しみも、後悔も、孤独も、生きている証。全て受け入れようと決めたら、心が軽くなった。
いま、仕事に忙殺されている働き盛りの方たちも、あと20〜30年経てば、仕事に没頭できる幸せに気づくと思う。わたしは、目一杯精一杯全身全霊で働いた(遊びも同様)あの時代があるからこそ、気力体力不足でぼちぼちしか行けない60代の今も「まぁ、こんなもんだよね」と思える。
やらない後悔より、やって後悔、が座右の銘。生きてる限り、やりたい事はやっておきたい。失敗って何だっけ?