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見えない満月。

今日は2023年最初の満月。ウルフムーンというそうだ。日本では朝の8時8分頃に満ちるので、当然、その瞬間を見ることはできない。

昨年も朝の8時台の満月だった。夜は雪も降らず静かで、薄い雲こそあったものの、ほぼまん丸の月がとても綺麗に見えた。一年のうちで、地球からいちばん遠い満月だったことを今更知る。小さくはなかったのに。

空っぽのソフトケージの持ち手を強く握り締めて歩きながら、夜空に浮かぶ満月に、何度も何度も祈った。「どうか助けて下さい」「どうか救って下さい」「どうかここに帰して下さい」と。

なのに、結局、お月様はわたしの太陽を連れて行ってしまった。

前の晩までごくごく普通に一緒に過ごしていた。なのに、もう見つめてくれないし、歩み寄っても来ない。あまりに突然の出来事が信じ難くて、亡骸を抱いてずっとずっと撫でていた。タオルに包んで一緒に眠った。窓辺で日向ぼっこもさせた。

数日後の晴れた朝、煙になって青空に昇って行くのを見送った。

夜が辛い。闇が近づくと涙が溢れてしまう。胸が締め付けられて月が見られない。それから、月命日にはここではないどこかに逃げて、悲しみに押し潰されないように、ちゃんと息ができるように努めた。

間もなく一年。まだリードもお散歩服も玄関の定位置にあるけれど、ベッドもカートも処分なんてできないけれど、泣く回数はだいぶ減った。ただ、Facebookの思い出機能の不意打ち画像にはやられちゃうけど。

最近は、思い出すと、悲しさと、ほっこり温かな気持ちが交互に来る。

わたしの最後の最愛のパートナーの名前はSUN。歴代わんこの中でも筆頭の甘えん坊だった。末っ子だからね。

そうか、4番目の末っ子(血の繋がりはないけど)で、上とすごく年齢が離れていて、♀♂♀♂の男女比率は藤井家と同じ。末っ子は最強ってことだ。

なんてことが考えられるほどに、元気になって来たんだよ、わたし。SUNも喜んでおくれ。一周忌には大好きな果物とチーズをあげるね。そっちで元気にして待ってておくれ。絶対再会するんだから。

見えない満月。見えなくても、満ちているものはある。胸の内にある君の愛。ありがとね。大好きだよ。




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