読書日記。料理本マニア。
昔から料理MOOKが大好きで、今は700〜800冊くらい持っている。
買い始めたきっかけは、栗原はるみさんのレシピ本だったと思う。続いて、有元洋子さんの登場。満たされた主婦の象徴のようなおっとりした栗原さんと、センスの塊のように洗練されて隙のない有元さん。わたしにとってはお二人が、最初に憧れた料理家の双璧だった。
その後、『LEE』などの女性誌や『オレンジページ』などの料理雑誌が「毎日のおしゃれな料理と食卓=素敵なライフスタイル」みたいな図式を作り上げ、人気女性料理研究家が次々と誕生した(もちろん、男性料理家も登場したし、人気シェフやパティシエも登場したけれど)。
フリーライターになる前、K社の女性誌で編集補助をしていた時期がある。その編集部からMOOKなどを発行する部署に移動した女性編集者がいた。その方はキャッチーなタイトルや斬新なテーマの料理MOOKを次々に生み出し、大ヒットさせ、MOOKとしては異例の部数を売り上げ続けた。
そのシリーズはわが家にも数冊ある。今見ても、やっぱり良書だと思う。情報量が膨大なのに、きちんと整理されており、無駄がない。必要なことしか書かれていない。この価格でこの内容はすごい。
料理MOOKは、ただのレシピ本、ではない。料理家さんの作品、である。小説と同じように、作者の個性があり、経験や感性が垣間見え、組んだ編集者の力量が感じられる。MOOKは写真、デザイン、文章の三位一体で成り立つ。MOOKとは、MAGAZINEとBOOKを合わせた造語。見せるだけでも、読ませるだけでもない。だから、好き。
かつて、川津幸子さんが『100文字レシピ』という文字だけのレシピ本を出された。とても良い本だったけれど、あれは元・辣腕編集者の川津さんだから成し得たことではないかと思っている。
ある女性誌で、7年間ほど、料理ページの連載を担当していた。毎月違う料理研究家さんに、ひとつの野菜をテーマにしたレシピ10数種類を提案してもらう企画だ。構成と執筆だけでなく、器のスタイリングも担当した。
ページにご登場いただいた料理家さんのレシピはどれも再現性が高く(つまり簡単に作れる)、とても美味しかった。料理家さんを選出した食いしん坊の担当編集者の目に狂いはなかったということw。みなさん、今も大変ご活躍なさっている。
で、その経験を生かし、料理MOOKを1冊丸ごと編集・執筆・スタイリングしたこともあった。当時大好きだったエディトリアルデザイナーさんにお願いしたので、レイアウトとデザインは気に入っているけれど…w。
家にある料理MOOK。帰郷する際に古本屋さんに随分引き取ってもらったはずが、いつの間にかまた増えてしまったw。欲しい物を片っ端から買いたい気持ちをぐっと堪え、厳選しているつもりなのに。
定期的に整理して確認しないと、同じ本をダブって買ってしまう。また、逆に、絶対あったはずなのに、処分するはずがないのに、どうしても見つからない本もある。
持っているMOOKの中でよく開くのは数冊で、何回も作っているレシピは数種。ならば処分してもよかろう、とはならない。似たレシピを比較し、いいとこ取りでミックスして、自分好みにアレンジするのが料理の醍醐味。
たまーに開く本でヒントを見つけたりもする。捨てられません。
*トップ画像は、本棚でダブっていた本w。ガレージセールに出す予定。
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