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天職が生業だったなら。

人は日々の糧を得るために働く。そうして自立して、時には家族を養って、社会の一員として暮らす。

そんな日々を繰り返す中で、ふと、「子どもの頃の自分は何になりたかったんだっけ? 何がやりたかったんだっけ?」と考える。そして、思い出す。けれど、「所詮、夢だから」「今の仕事だって楽しいし、やり甲斐だってあるし」と現実に甘んじる。

20代半ば、少しでも夢に近い方へと少しずつ距離を縮めて行ったら、その夢に手が届いた。もちろん、夢だった職業であろうと現実の厳しさを伴っている。それでも楽しかった。だって好きだから。ずっとなりたかったから。

東京には同業者(ライター)が星の数ほどいた。編集部契約だったり、編プロ所属だったり、フリーランスだったり、立場は違えどやっていることは同じ。一緒に旅をする同業者の友人たちもできた。

ありがたいことに、さまざまな媒体の締切に追われる日々。

とある取材で、某作家さんが「書いて稼ぐ仕事でも、作家とライターは全く別物。やってみたけど、自分にはライター業は向かなかった」と言った。ライター業もこなす別の作家さんは、自由に両方の立場を行ったり来たりしていた。同世代のライター仲間の何人かはルポライターとして書籍を出した。後者の方々は今でも署名記事をよく目にして、やっぱり「上手いなぁ」と思う。もちろん、一線で活躍し続ける同世代のライターもいる。

書くことが好き。書くことで食べて行きたい。職業にしたい。

入り口はみんな同じかも知れない。でも、行き着く先は人それぞれ。「個として表現者になりたい」のか、「好きな分野を極めたい」のか、「とにかく常に何か書いていたい」のか、はたまた「書くのは編集のおまけみたいなもの」かも知れないし、「人に会って話を聞くのが大好き」なのかも知れない。

その職業で稼ぎ続けて食べらているなら、それは間違いなく“生業”だし、本人が現状に満足していれば “天職” でもある。稼げなくても辞めたくない、二足の草鞋を履いても続けたいというなら、まだ途上、夢の段階。

確かに生業で、天職でもあると密かに思っていたライターという仕事。40年近く経て、ほぼ卒業した状態の今、ただただ何かを書きたくて、ここに書き散らかしているわたしの場合、もはや “趣味“ なのかなぁw。

書くって楽しい。やめられない。読むって楽しい。やめられない。まぁ、趣味でいいから続けよう。

画像は2023年のカレンダーの扉。ほっこり気分になれるお気に入りのイラスト。可愛いよねぇ♡

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