無財の七施。
家族の死をきっかけにお寺が近い存在になった。とはいえ、いまも、熱心な仏教徒ではないけれど、折に触れ、仏教の教えが素直に心に沁みることがある。
ラジオで京都・妙心寺の松山大耕さんがおっしゃっていた『無財の七施』という言葉が気になって調べてみた。
無財の七施とは「お金や物がなくても、周囲の人を喜ばせ、幸せにするために、誰でも日常生活の中でできること」らしい。
一 身施(しんせ)/体を動かす奉仕。
二 心施(しんせ)/思いやりの心。
三 眼施(げんせ)/優しいまなざし。
四 和顔施(わげんせ)/柔和な笑顔。
五 言施(ごんせ)/温かい言葉をかける。
六 牀座施(しょうざせ)/自分の席や場を譲る。
七 房舎施(ぼうしゃせ)/自分の家や軒下を貸す。
七番目の房舎施については、「物理的な場所だけでなく、誰かがほっとできる居場所を提供する心のシェルター、という捉え方もできる」とおっしゃっていた。
相手のために心を配り、表情でも、言葉でも、行動でも表す。つまり心の底から裏表なくってこと。
常に意識していないと、できそうでできない気がする。相手にもよるし、よほどの心がけが必要だ。ああ、ちょっと感情的に返しちゃったな、と後悔する前に、感情をコントロールする術を身につけておかないと。
風くんが「明日はよりよい自分でいられるように努力している」と言うのは、いくら109歳っぽくてもやっぱり109歳の悟りは開けていないということなんだろう(安心する)。
と書いていたら、ラジオから『ガーデン』が流れて来た。本当、こういう神がかったことをしてくれる、彼は。求めている時に与えてくれる。
一見同じ方向を見ているように思える人達でも、SNSの世界で衝突や分断が起こるのは、表情が見えず、声色もわからず、ニュアンスが伝わりにくい書き言葉だけでやりとりするからなのかなぁ。
実際、話すのでも書くのでも、どういう言い回しなら相手を傷つけないのか。
検索したら『アサーティブネスなコミュニケーション』という方法論が出てきた。「誠実」「率直」「対等」「自己責任」という4つを意識すると、選ぶ言葉、使う言葉が変わるそうだ。
・誠実:自分自身に正直になることで、相手にも誠実になれる
・率直:遠回しではなくストレートに、相手に伝わる言葉にする
・対等:上から目線でも卑屈でもなく、態度も心の中も対等に向き合う
・自己責任:言った責任、言わなかった責任は、自分が引き受ける
※参考:特定非営利活動法人 アサーティブジャパン
実例も色々あった。思慮深い大人の対応の数々。こんな話し方ができる大人に、(60過ぎてるんだけど)これからでも近づけるだろうか…。
改めて、25歳の風くんはいつも本当に言葉を選んで話しているし、書いていると思った。それでも発言の削除を余儀なくされたりするわけで…。
長年、書く仕事をしてきたわたしだって、仕事抜きで好き勝手に書くこういう文章はゆるゆるずるずるだ。どこかで誰かの気に障って、荒れまくる渦の中に巻き込まれたら嫌だなぁ、辛いなぁ、怖いなぁ。
でも、書くことが大好きなんだよね。無財なので、七施の五を、書くことでできたら幸せなんだけど。
画像は、京都・建仁寺の風神雷神おみくじで引いた風神メダル。
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