初恋、1983。旅路、2021。
今朝、藤井風くんが地元の団地のお祭りで弾き語りしている動画を見た。
2018年秋、町内会の人達が立ち止まりもせずに行き交う場所で、風くんはキーボードを弾いて歌っている。曲は『初恋』。宇多田ヒカルさんのそれではなく、村下孝蔵さんが1983年にリリースした曲のほう。
集まる方々の年代層に合わせての選曲だろう。大ヒットした頃にリアルタイムで聴いていたわたしにはw、沁みまくる歌声。
動画内で、風くんの前を通り過ぎた方々は、数年後に紅白歌合戦で大注目を浴びた彼と、お祭りで歌っていた彼が同一人物と気づいているかな。いや、もはや地元の超有名人だから、もちろん知っているよね。
もし、わたしが地元民で、たまたま通りすがったら、果たして立ち止まったろうか。
ストリートミュージシャンの演奏もそうだけど、「ああ、いいな」と思っても、恥ずかしくて、立ち止まるのを少し躊躇ってしまう。欧米の人ってその辺りの反応がとっても素直。聴くし、応援するし、何なら踊り出すし。
自分の(良い方の)感情や共感を人目を憚らずストレートに表せるのが羨ましい。見知らぬ相手に「君のその音楽、好きだよ」と態度ではっきり表す。それが投げ銭という形だったりするのもいい。
好きなものは好きと言う。心に響いたら素直に反応する。感動したらその思いを伝える。大事だね。
風くんの動画を撮影してくださったのは、ご近所さんで交流があったおばさまとか。当時からずっと応援してたんだろうな。風くんの才能と人柄の賜物だと思う。メッキじゃない、筋金入りなんだよね、彼は。
それにしても、ちっとも色褪せない『初恋』。40年経った今聴いても胸を熱くする。数々のアーティストにカヴァーされてきた名曲は、シンプルにまっすぐ心に届いて、自然に口ずさんでしまう。
風くんの曲では『旅路』がそんな感じ。恋愛の歌ではないけれど、切なくて、甘酸っぱい、青春の記憶を呼び覚ます。
40年後、わたしはこの世にいないから確かめられないけれど、きっと歌い継がれているよね。そして、風くん本人も歌い続けているよね。
ああ、見届けられないのが残念だ。長生きしたいって、初めて思った。ヨボヨボになっても、笑顔で手を振りながらライヴに参加したいw。