[36歳のラオス旅行記]6.なにもない街で、なにをするのか[Vang Vieng]
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これは都内でサラリーマンをする36歳の僕が休職し、これからの生き方・働き方を見直す為に出た9日間の旅の記録です。
(この旅の記事まとめはコチラ→→https://note.com/ne1po_no_p/m/m260811d3e398)
いつかこんな日々があったなぁと笑い飛ばせますように!
●ダイジェスト
ヴァンヴィエン2日目。のんびりと過ごした数日を経て、ちょっと冒険したくなった僕は、雨の中バギーを借り、山奥へと探検をすることにしました。
山の中にあるオアシス「ブルーラグーン」で過ごしたこと、田舎道の村で見かけた景色で感じた特別な感情が、今でも印象に残っています。
●アドベンチャーを求めて
さて、停電と大雨で過ごした、その翌日。この日も朝から雨が降っていた。ホテルで朝ご飯を食べながら、僕は考え事をしていた。
ラオスに来て4日目。早くも、ここがおよそ旅の折り返し地点だ。サウナに入り、美味しいものを食べ、居心地の良いホテルに泊まり。
とても満たされているけど、ちょっとドキドキが足りていない。「アドベンチャーしたい!」
雨はいつ止むのか。そもそも止むのか。天気予報はアテにならない事は、昨日までの3日間で学んだし、そもそも雨か汗でビショビショになることも分かった。
僕は街の中心地を離れ、この街を囲んでいる山の方へ向けて歩いた。
そしてこの街を流れる大きなナムソン川にかかるボロボロの(ところどころ木は折れ、油断したら足の踏み場をなくす)吊り橋を渡り、その先にあるお店で「バギー」を借りた。
ずっと気になっていたのだ。マリオカートに出てきそうな、オレンジ色のバギー。
ラオスの物価で考えたらバカ高いレンタル料だった(3時間で約¥5000)が、これに乗って山奥へ行ってみたかった。
レンタルショップで対応してくれたおじちゃんは、受付で僕が日本人だと知ると嬉しそうにしてくれた。そして同じ単語を何度も僕に繰り返し言う。
おじちゃんと僕とでその単語を5〜6往復したのち、ようやく僕は「ダイハツ」と理解することができた。どうやらこのバギーは「ダイハツ製」らしい。まじか。こんなところで、久しぶりに(山口県に住んでいたころ乗っていたのがダイハツのミライースだった)ダイハツ製の乗り物に乗れるなんて。
バギーは、軽トラックからフロントガラスとドアを取っ払ったような姿だった。サイドミラーは傾き、フロントパネルは曇りきって中のメーターは見えず(そもそもメーターが機能していない事に途中で気付いた)、時速何kmで走っているのか、ガソリン残量は、などは全くわからない。
そして何故かハンドルは初期(まっすぐ進む)状態で上下逆さまだ。
そんな状態だけど、アクセルを踏めば進むし、ブレーキを踏めばもちろん止まる。サイドレバーと表示板は、確かに日本製の自動車と同じ様子だった(ただしとても古い車種で見かけるような)
さて。僕の優雅なドライブの始まりだ。
●目指すは「ブルー・ラグーン」
ここヴァンヴィエンには、「ブルー・ラグーン」と呼ばれる、小さくてきれいな湖が4、5箇所存在する。
その中でも2番目に遠い場所に位置する、「ブルーラグーン3」という場所を目的地にした(Googleマップは約40分だと教えてくれた。)
雨は降り続けていたので、フロントガラスがないバギーで僕は薄目で雨を避けながら、そしてびしょ濡れになりながら、目的地を目指した。
ここの道中の山道や小さな村?集落?が、とても印象に残っている。
出発早々に出会ったのは、道路をのんびりと歩くアヒル2匹。民家と小さな商店がたまーに現れるが、奥にいくにつれて減少する。
その民家の多くでは、牛を飼っているらしい。庭先(というか草の生えた空き地?)では牛たちが広々と放し飼いされている。
途中途中で僕は何度もバギーを止め、写真や動画を撮った。周りに誰もいないので、大声で出会った動物たち(犬、ニワトリも多かった)に「やっほー」「こんにちは!」などと話しかけてみたりした。
道の途中では、牛が行列をなして歩いている場面にも出くわした。近くに民家はないし、この子達は一体どこから来て、どこに行くんだろう。まさか野生の牛?(首輪や耳タグなどもついていないので、誰の牛なのか判別できなさそうだ)
バギーから見える動物たちや、周りを囲んでいる壮大な山々に感動しながら、僕は70分ほどかけて目的に到着した。
●ほぼ貸し切り状態の楽園
ワイルドなドライブを楽しみながら、ブルーラグーンに着いた。
ピーク期には人がたくさんくるのだろうか。そこには多くのパラソルや、わら敷の屋根にゴザが敷かれた小屋?のような休憩スペースがあった。
今は雨季、そして今日も雨なので、到着時点で観光客はゼロだったが。
ブルーラグーンは、濃いエメラルドグリーンのような色をした、きれいな湖だった。遠目でみると濁っているようにみえるが、近づくときれいな水をしていた。
ここで人々は泳いだり、浮き輪に乗って浮かんだり、ジップラインを使って飛び込んだりして楽しむみたいだ。
ライフジャケットはあるとはいえ、どのくらいの深さがあるかもよくわからないし、周りに誰もいないので、水に入るのをためらっていた。
するとしばらくして、僕と同年代くらいの韓国人二人組がやってきた。僕はそのうち一人に、「このライフジャケットって使っていいのかな?」みたいなことを聞かれ、「無料みたいですよ」と返した。彼らは、すぐに着替えを済ませ、なんのためらいもなく、ブルーラグーンへ入り、泳ぎ始めた。
ならば・・・と思い、僕もライフジャケットを身につけ、泳ぎ始めた。
思ったよりそれは深くて、足が下に届かない場所も多かった。そして、水が冷たい・・・笑
彼らは10分もたたず、そして僕は5分もただずに外へ出た。彼らはその後わりとすぐにいなくなり、また僕だけの貸切状態になった。
僕は泳ぐのではなく、小屋で湖を眺めるスタイルに変更し、もってきたお菓子を食べたりして過ごした。
それにしてもここはとても静かで、周りにある遠くの山には霧のような靄がかかっていて、まるでドラゴンボールに出てくる「あの世」みたいだと思った。
「あの世」は死んだあとに来る場所で、えんま様に許可された者だけが死後に肉体を持った状態で、「あの世」にある天国で過ごすことができる。生きていた時に悪い行いをした者は地獄に行く。
僕も死後は、きれいな水ときれいな山に囲まれた、静かなところで暮らしたいな。などと考えた。
●雨上がりの田舎道
ブルーラグーンを出る頃には、雨がやんでいた。
嬉しくて僕は山道を、往路よりもスピードを出して進んだ。おかげで足には地面から跳ねてきた泥でたくさん汚れたが、とても気持ちよかった。
民家のエリアに入る頃には雨が止んだからか、人々を多く見かけた。
すれ違う時に笑顔で手を振ってくれた学校帰りのような少年、
麺の湯切り中か何かに目が合い(僕がじっと見ていたのかもしれない)恥ずかしそうにわーっと笑う若い女性、
無表情でこちらをぼーっと眺めるおじさん、
彼(女)たちの表情はみな無邪気で自然だった。
何かや誰かによって強制されることのない、ありのままの自由な表情だった。
それらを目にして僕はぐうっと胸が締め付けられ、羨望のような気持ちが生まれた。こんな表情って、今の僕にあるんだろうか?
僕は今回の旅のハイライトを挙げるとしたら、この山道の村で見かけた情景が上位にあがると思う。
●ラオス名物を食べる
街に戻った僕は、屋台でラオス名物のサンドイッチを食べた。うーん、でかい!手のひらの1.5〜2倍の長さのフランスパンに、野菜・チキン・ハム・スクランブルエッグを詰め込んだ、ラオス式サンドイッチ。昔フランス領地だった影響で、ラオスのパンと言えばフランスパンが主流らしい。見た目はでかいが、ふっくらと空気を含んだパンは中の具材との相性と抜群で、あっという間に食べきってしまった。おいしかったな〜
●再び街に戻ってのんびり散歩
そのあとは街を散歩して猫と遊んだり、珍しい植物を眺めたり、ふと現れたお寺に入ってみたりした。
途中でまたお腹がすいたので、川沿いで景色が良いカフェで、パッタイをたべ、コーヒーを飲んだ。
メインストリートに戻るころには、青空がのぞくくらいになっていた。午前中には通りに人の姿はほとんど見られなかったが、この頃になると観光客や街の人々も活発に行動していた。
夕方にはロティの屋台を見つけたので、Egg Milk味のロティを食べた。ラオスは、同じ屋台が連続して並んでいる。
ここには、ロティ/サンドイッチ・フルーツシェイクの屋台が必ず4〜5つ横並びになって、それぞれ異なる店員が待機して営業している。
色んなところに散らばった方が儲かりそうだけどなぁ?
夜まで時間を持て余したので、一度ホテルへ戻り、プール沿いでビールを飲みながら、日が暮れるのを待った。
●小さくて大きなナイトマーケット
暗くなると、ホテルのある通りの一部がナイトマーケットを開いていた。
といっても、10mくらいに、20個にも満たないくらいの店が集まった、小さなナイトマーケット。
これまで韓国や台湾、香港、タイの街で見てきたうちのどれよりも小さな、ナイトマーケット。
けれど、ここにはローカルの家族や観光客が一斉に集まり、食事や買物を楽しんでいた。昨夜は雨の影響なのか開いていなかったし、まさかこの街にこんなに人が大勢いたんだなと実感した。
観光地と呼ぶには何もないこの小さな街にとっては、このナイトマーケットが大きな存在なのだと感じた。
ここで僕は10歳くらいの兄弟?が3人で店番していた小さなお店でドライマンゴーを買い、果物屋で切ってもらったマンゴーを食べ、シュールな可愛さがあるポーチを買った。どうせラオスでお金を使うなら、なんとなくこの街で使いたかった。
そして、お母さんが小さな女の子二人の面倒を見ながら一生懸命に営んでいるアイスクリーム屋を見つけた。ここで僕はアイスを買った。その女の子のうちの一人が僕に興味を示してくれたので、僕はこの子に構ってもらいながら、マンゴーとココナッツミルクのアイスを楽しんだ。
どうかこのお店は、なくならずに続いてほしいな。あの少女やお母さんの笑顔も。
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