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ひいばぁちゃんを運んだ話

私が中学生の頃、曽祖母が亡くなった。

曽祖母の家は我が家から車で20分
子どもの頃からよく遊びに行っていた。

行くたびにひいばあちゃんが千円くれて
「やったー!またお金もらった」と嬉しくて
近所のスーパーまで歩いて買い物に行くのが楽しみだった。

冬休みになるとひいばあちゃんの家に
祖母が連れて行ってくれて数日間泊まった。

祖母には妹がいて、ご飯支度して食べさせてくれたのだが、そこで生まれて初めてポーチドエッグを食べた。お母さんがフライパンで焼いた目玉焼きも美味しいけど、この卵も美味しいなぁといつも完食していた。

今思えば、ひいばあちゃんと妹の二人暮らしだったから、出来る限り様子を見に行って安否確認していたんだろうなと思う。

ウチで作った野菜、米、りんごを毎年秋になると届けに行ったり、多分だけど、漬け物とか?干し餅とか手作りの料理も持っていってたのかな?と今になって気づく。

ひいばあちゃんはかなりの角度で腰が曲がっていて、真っ直ぐ立っているのを見た記憶がなかった。子どもの私には腰が曲がっている分、小柄な人に見えていた。

ひいばあちゃんが亡くなった時
自宅から県道を挟んだ歩いて1分もかからない所まで『布団さ寝せだまま運ぶぞ!』となり

私を入れて、6人くらいで運んだのだが
絶対落とせない!!という緊張感で
手汗がヤバかった。
(幸いなことに落とさなかったけれど)

あれほど小柄に見えていたひいばあちゃんが
ズッシリ重く感じた。
ああ、人間って運ぶとこんなに重いんだ!
命の重み、その人の人生の重みを
少しだけ体感できた経験だった。


ひいばあちゃん、ありがとう。
私は元気でやってます。

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