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パシリだった私へ
演歌歌手の推し活にどハマりしていた
8年前のこと。
推しの明治座座長公演を観に
深夜バスで東京へ向かった
初めての明治座、推しの幟や看板が
眩しく感じ気分が高揚していた私
開演まで時間があり
玄関前や当日券売り場など歩いて見ていたら
一人の女性が突然声をかけてきた
「おいお前、どっから来た?」
(え、今お前って言った?何この人、怖い)
今思えば、初対面でお前呼ばわりする人は
その場で無視すればよかったけど
推しのファンに悪い人はいないだろうと
思い込んでいた私は
『はい、
青森からきました』
と正直に答えてしまった
私が青森から来たと分かった途端
「おお、青森か!よし、コーヒー飲みに行こう」
と今度はコーヒー屋に誘われた
口調が何だか強くて、グイグイくるし、多分母親よりも年上な感じがする女性に警戒しながら私は付いていった
(ここで引き返せばよかった)
コーヒー屋に入ると中に男性がいて
ここに座ってと手招きした
(旦那さんいるんなら、私いなくてもいいじゃん。え、何で??意味がわからない。何か売り付けられるのか、勧誘か?)
そこでコーヒーを奢ってもらった
話を聞くと、福島の人だと言う
同じ東北で親近感が湧いたらしい
時間になり会場に戻ろうとすると
旦那さんらしき人は会場に入らず
外で待ってるのだ、と言う
私はてっきり二人で観劇すると思ったので
少し驚きながらその日は帰った
その後、推しの地元開催のファンミーティングに行った時
コンサート後にステージ上で推しとツーショットが撮れるのだが、女性と再会、また声をかけられた
一度奢ってもらった手前、無視することが出来ず、次はどこの会場行くの?電話番号教えてなどプライベートなことまで聞かれ、答えてしまった
(ああ、言えばまた絶対声かけられるな、嫌だ)
蛇に睨まれた蛙のように
女性のギロッとした目で見られると体が思いと反対に動くのを感じた
「私ね、青森の◯◯公園の桜まつり見たいのよ。あんた近いでしょ?案内して」
そんな要望も安易に飲み込んでしまった
後から分かったのだが
コーヒー屋にいた男性は本当の旦那さん公認の不倫相手だった(これもびっくり)
福島市から男性運転の車で青森まで
本当に来て
身体があまり丈夫でない女性は公園内を
歩くのは厳しいからと私が車椅子で押すことになった
自分で招いたことと言え
なんか違うんじゃない?と
違和感しかなかった
二人は車で長期離出かける時
よくラブホテルを使うらしく
私に今夜の泊まるとこ探して電話してくれと言うのだ
ここでも食事を奢ってもらった負い目があり
本当はラブホに電話するなんて恥ずかしいことしたくなかったけど
しぶしぶ引き受けて10件くらい電話した
その他、二人で関東のコンサートに行くから
ホテルを調べて予約してくれないか、とか
何かをすれば、ご飯を奢るとか
物を送られるなどあったけれど
これははっきり言ってパシリじゃないかというのが続き、神経がすり減った時にやっと目が覚め
自分から今後一切の関係を切ると手紙を出して
私の連絡先も電話番号も全て破棄するように依頼してそこで関係が終わった経験があった
推し活でテンションが上がると高揚感から
正常な判断出来なくなる事もあるから
(私の場合だが)
人を見る目を養わないといけないと実感した出来事だった
奢ってもらったからと言って
安易に要望を引き受けるべからず
(あの時の私へ自戒を込めて)