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【Vol.1】ナガセケムテックスと私の”化学反応”

こんにちは。ナガセケムテックスです。
 
ナガセケムテックスには、さまざまなバックグラウンドをもった個性豊かな社員がたくさん在籍しています。
 
ナガセケムテックスと出会ったことで、社員にどのような”化学反応”が生まれたのか―。
新たにスタートするコンテンツ「ナガセケムテックスと私の”化学反応”」では、ナガセケムテックスで働く社員一人ひとりにスポットライトを当てて、深掘りしていきます。
 
第1回目は、機能化学品事業部 要素技術開発室の六人部 壮さんにお話を伺いました。
 
※記事中の組織名・役職等はすべて取材時のものです。



プロフィール

学生の頃からの夢は、ケミカルでものづくりをすること

どのような学生時代を過ごしていたのでしょうか?

和歌山大学のシステム工学部、システム工学研究科で6年間を過ごしました。
ケミカルでものづくりをしたいという思いがあったので、大学3年生からは、分析化学や高分子化学を専攻しました。
毎日のように原子間力顕微鏡を使って、自分で合成した高分子の一本鎖の力学特性を分析していました。基礎中の基礎の研究だったのですが、ミクロな世界観を研究できるというところに魅力を感じていました。
 
研究室に泊まり込んで実験することもたまにあったのですが、社会人になって他の人の話を聞くと1週間ぐらい泊まり込んでいた、という人もいるので、自分ももっと頑張っておけばよかったなと今になって思います。

進路選択の際、研究を続けるという選択肢もあったかと思いますが、なぜナガセケムテックスへの就職を選んだのですか?

 「ケミカルでものづくりをして世の中に送り出して、お金を稼ぎたい」という思いを持ち続けていたので、博士課程に進むことは考えませんでした。

就職活動をする中でナガセケムテックスを知り、関西で働くことができ、給与が他の化学メーカーと比較しても高く、人が良いといった点に惹かれたのですが、一番の決め手は規模感です。
ナガセケムテックスであれば、開発から量産まで携わることができるという点がとても魅力的でした。

 ナガセケムテックスに入社後、どのような業務に携わったのですか?

 2012年に入社して、研究開発本部に配属されました。入社してすぐに導電性コーティング剤「デナトロン」の開発に携わりました。
その後も液状成形用封止材の研究開発や、シルセスキオキサン誘導体の開発など、1年目からいろいろな経験をさせてもらいました。
 
2013年に機能化学品事業部に異動して5年半ほど、より顧客に近いところで主にレジスト用樹脂の新規開発を担当していました。
当時、評価は良かったものの、なかなか売れなかったのですが、私が他部署へ異動した後に、後任の人たちに頑張っていただき、液晶カラーフィルター向けに採用されました。
「自分でものづくりをして世の中に送り出したい」という夢が実現したことはもちろんですが、自分だけでなくみんなと一緒にできたことがいちばんうれしかったですね。

価値観の変化

2019年には環境管理課へ。開発とはまったく異なる業務ですが、心境の変化はありましたか?

 2019年に、播磨事業所の排水処理を担当する環境管理課に異動しました。当時は開発にこだわっていたので、排水処理というまったく違う分野の部署に異動することは、正直かなりショックでしたね。でも、とりあえず数年間は頑張ってみようと覚悟を決めました。

 当時、社内での排水処理が安定しておらず、社内処理できるはずの排水が産業廃棄物として外部の産廃処理業者に委託処理されていたため、多額のコストがかかり、会社としても喫緊の課題でした。
これまでに培った化学の知見も活かして、現状分析から始め処理方法を検討した結果、排水処理を安定化・最適化させることができ、外部処理量を減らすことでコスト削減を達成して、社長賞を受賞することができました。

環境管理課のメンバーと協力して目に見える成果を得ることができたので、すごく楽しかったですね。この時はじめて、開発とは違ったおもしろさを見つけることができて、開発にこだわらなくてもいいんだと、自分の中の価値観が変わったような気がします。

また、廃棄物の外部処理量が減るということは、廃棄物の焼却により発生する二酸化炭素の排出量削減にもつながります。自分たちの取り組みによって環境負荷を低減することができたという成功体験もあり、環境やサステナビリティに対する興味・関心も持つようになりました

その後再び開発担当の部署へ。現在はどのような業務に携わっているのでしょうか?

2023年に要素技術開発室に異動して、脱炭素社会やウェルビーイング社会の実現に貢献できる生分解性SAPの開発・事業化に携わっています。これはナガセケムテックスだけではなく、長瀬産業や林原と協業して推進しています。NAGASEグループの製造機能と商社機能、ケミカルとバイオの知見を活かしたNAGASEらしいテーマです。

生分解性SAPとは?
高吸水性ポリマー(SAP)は、紙おむつを中心にナプキンなどの衛生用品や、農業、緑化分野や化粧品など幅広い分野で使用されている高分子材料。
従来は石油由来で非生分解性であったため環境負荷の高いものでしたが、2023年にナガセケムテックスと長瀬産業、林原は、性能は同等以上ながら、バイオ由来原料の比率を高めた生分解性のSAPの開発に成功しました。

開発業務以外にも、多方面で活躍されていますが、どのようなことをされていますか?

ナガセケムテックスのサステナビリティ活動にも参加していて、2021年度からサステナビリティ推進プロジェクトのメンバーとして活動し、2022年度はサステナビリティ推進委員会の事務局を担当しました。
その活動もあり、2022年度からNAGASEグループのサステナビリティ推進委員会事務局メンバーとして、グループ全体のサステナビリティ推進の施策検討を行っています。

また、ナガセケムテックスのマテリアリティのひとつである「素材・技術の開発で豊かな未来をつくる」を解決するため設置された「Nexiaデザイン分科会」のメンバーとして、どのような社会課題を解決していくべきかを議論しています。

仕事をするうえで大切にしていることはありますか?

心に余裕をもつということを意識しています。業務が忙しいと、どうしても目の前の業務に集中してしまいますが、落ち着いて全体を俯瞰してみることで、自分に何が足りないのか、本当にすべきことは何かを考えることができると思います。幸か不幸か、通勤に片道2時間かかるので、じっくり考える時間は確保できますね。(笑)
 
もうひとつは、どんなことにも積極的に参加するようにしています。そうすることで仕事の幅や人脈が広がったように思います。また、一見本業とは無関係に思えても、どこかでつながっていたりするので、大変ですが得るものは多いですね。

フィンランドのINKRON社から出向しているモニカさん(写真右奥)との
カルチャーエクスチェンジ。六人部さんも定期的に参加しています。

ケミカルの力で社会課題解決を

今後どのようなことにチャレンジしたいですか?

今取り組んでいる生分解性SAPの事業化を成功させたいですね。企業なので利益や経済価値を追求するのは当たり前で、そのうえで社会課題を解決するという点を重視したいと思います。
ナガセケムテックスが開発した素材が環境や人々の暮らしにこんなにも役立っているんだ、ということを家族や友人・知人に知ってもらいたいですし、自慢したいです。


開発だけでなく、ナガセケムテックスやNAGASEグループのサステナビリティ推進活動でも活躍する六人部さん。好きな言葉は相沢沙呼さんの小説「invert 城塚翡翠倒叙集」の主人公・城塚翡翠が言った「人生は思った通りには動かない。行動した通りに動く。」だそう。
環境の変化にも負けず、何ごとにも真摯に、積極的に取り組む六人部さんにぴったりの言葉だと感じました。


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