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今更ブレワイ遊んだ男の垂れ流し「そう、こういうのでいいんだよ」

「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」が発売から4周年ということで、ここ数日youtubeのおすすめでちらほら見かけていた。ロックマン大好き人間な自分は3Dアクションを全く遊ばない訳では無いが、テンポの速いアクションを好むが故にオープンワールドゲームは少し敬遠しがちだった。実際蓋を開けてみればどうだろうか?この記事では「アクション」「謎解き」「オープンワールド」の三項に焦点を当てて、それぞれの仕様も紹介しつつこのゲームの感想を述べていこうと思う。

※またサクナヒメに次いでぶっ続けで遊んで一周クリアしたその勢いと熱量だけで書いているので、DLCや細かい仕様に関しては全然わかってない事の方が多いことを予め断っておきますね。※

はじめに

まず最初に、筆者は今までゼルダシリーズはほぼ触ったことがない。まともに遊んだのはかつて25周年記念でDSiウェアとして無料配信していた「ゼルダの伝説4つの剣」と、Switch Onlineに入ってる初代ゼルダの伝説くらいである。この2作品を通じて、自分の中でゼルダの伝説はアクションと謎解きの割合が大体5:5くらいだなという印象を持っていた。どちらもバランス良く楽しめる作品ということで大衆に人気があるのもうなずけるが、頭の悪い自分にとってパズル要素は一定の試行錯誤を経ると徐々に苦痛に感じるものがあり、結局アクション全振りのゲームに回帰する始末だった。しかしほぼ10年振りに再会したこの「ブレスオブザワイルド」はどうだろう、個人的には7:3だった。結論から言おう。苦手な謎解きが控え目になりつつ、オープンワールドのポテンシャルを最大限引き出した秀逸なアクション性が前面に出された今作は、間違いなく遊んで良かったと言わしめる神ゲーであった。

アクション

アクションゲーマーとして最も推したい所を最初に記載しておく。使える武器の種類は多彩であるため、ここではおおまかな「戦術」ごとに区切って具体的な仕様をざっと説明していく。

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近距離戦...
盾で防いでから剣で反撃のような基本の立ち回りのほか、タイミング良く回避するとスローモーションになり一方的に殴ってカウンターを打てる「回避ジャスト」、同様に敵の矢やレーザーを盾の耐久値消費無しで弾いて敵にぶつける「ガードジャスト」。この2つのジャスト仕様のおかげで貧弱な装備でも勝ち筋が見えてくる他、狙うのが難しい分成功した恩恵も大きく、回避ジャスト中のカウンター(通称:ラッシュ)時の演出も相まって爽快感は素晴らしい。腕に自信のある人は、是非ラスボス手前にいる敵のレーザーを「木の盾」とかで弾いてみて欲しい。たまらねえので。

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遠距離戦...
TPS視点で照準絞って撃つタイプ。初期装備でもヘッドショットで大概の敵が怯むほか、一定の高度から飛び降りつつ弓を引くと、スタミナが許す限りスローモーションになるので、地の利を活かせば混戦や格上の敵にも対応しやすい。

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その他…
これも地の利繋がりだが、そもそも真正面から敵と戦わないやり方もある。敵の近くに置いてある爆弾目掛けて火の矢を撃ったり、崖の上から岩を落としたり、死ぬと爆発する敵を誘爆させて巻き込んだり、忍び寄って背後から不意打ち(通常の8倍ダメ)したりと、アイデアの数だけ戦術があり、ステータスで殴るだけじゃない数多の可能性をオープンワールドが実現している。

またオープンワールドという仕様上、最初からラスボスに挑む事も出来る。「最初からラスボス」と聞くと、行けたとしても大概「こちらのダメージが1しか通らない」とか「特定の技が無いとほぼ不可能」のような、制作側からの暗黙の「行かせない」仕様があるゲームは少なくない。しかし前述した仕様の数々のおかげで、真の意味でプレイヤースキル次第で十分攻略可能なレベルデザインに収まっていた上、むしろ縛りを設ける事で良い塩梅のスリルに繋がり面白いと感じる側面もあった。無論ストーリーに沿ってゲームを進めていけばしっかり強い装備とステータスで挑むことも出来るため、このようにサクナヒメとはまた違った「自分の手で難易度調整できる」ようになってる点は非常に評価したい。

剣と盾、遠距離武器の基礎的なアクションはしっかり押さえつつ、オープンワールドを活かした多彩な戦略の幅、さらにプレイヤースキル次第で格上の敵を倒すことも出来るコアゲーマも納得の仕様…。こうして羅列すると特段真新しい魅力ではないように見えるかもしれないが、こういった「面白いゲームの王道要素」をちゃんと抑えているゲームは、近年発売されるものの中では意外と少なく感じる。グラフィックの向上や凝った演出だけに振り回されず、「ゲーム」としての根幹的な面白さもしっかりブレずにいる辺り、流石は遊びのプロの任天堂様だと思わずにはいられなかった。

謎解き

今作の謎解きは主にストーリー進行に関わる「大きい謎解き」と、フィールド各地に100ヶ所以上あってどこからでも挑戦できる「小さい謎解き」に分けられる。後者は新しく手に入れたアイテムの使い方を自然に学べるチュートリアルであったり、複数のアイテムを用いる応用問題であったり、はたまたイベントボスが待ち受けていたりと様々である。1つクリアするごとに手に入るアイテムでステータスを強化することができるので、手堅く回収するも良し縛るも良しである。

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世界各地に点在する「試練の祠」。

極限まで洗練された7のアクションに時折入る3の謎解きは、激しい戦闘の合間に挟まる休息でもあり、ゲームテンポを単調にさせない緩急のアクセントでもあり、ブレワイの世界観とゼルダシリーズとして受け継いできた深みを一層味わせてくれるメインディッシュでもあった。全体のボリュームとしては3でありながら、それが持つ役割と存在感は粉うことなく「5」であったという所だろうか。

オープンワールド


アクションが洗練されているのは分かった。謎解きも良い引き立てをしてくれているのは分かった。しかしまだ「オープンワールド」が抱える大きな課題については触れていない。それは「飽き」だ。一つ一つの戦闘の間のマップ移動が退屈で結局投げてしまったり、フィールド上でやれる事が少ない、行けると思った場所に行けない、次どこへ向かえばいいのか分からない、そもそも景色が単調で…等、あらゆる要因でゲームのテンポを失速させてしまうリスクを孕んでいるのがオープンワールドという諸刃の剣が持つ、「圧倒的自由度」の裏側でもある。

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まずこのゲームは、文字通り「見える景色の場所には全て行ける」ようになっている。特に崖や建物の壁、家の屋根に登ったりする「クライミング」の自由度は凄まじく、ネズミ返しや天井以外の地形なら大抵登れるようになっている。登っている時はスタミナを消費し、それがゼロになると手を放してしまうため、ただ崖を登る時も最短距離で行ける地形やルートを確認したり、スタミナ回復アイテムを事前に用意しておいたりと工夫しながら進む必要がある。

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フィールドでの戦闘についてだが、正直見渡してれば大体どこにでも敵はいるので、戦闘大好きマンの人が飽きることはまずないと思う。それ以上に場所によってはかなりの強敵が生息しているので、遠くから観察して有利な地形や敵の数、動向を観察したり、避ける場合も迂回するルートを組み立てたりと、フィールド移動ひとつとっても突き詰めれば考えることは沢山ある。

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最後に、先述した「小さい謎解き」を思い出してほしい。フィールド各地に100ヶ所以上点在するそれは、一度クリアする事でワープポイントとして機能し、好きな時に戻って来ることが出来る。しかもワープポイント間だけの移動だけではなく、フィールド上でマップを開けばいつでもそこへ移動できるので、ちょっと寄り道して遠くまで行っても、どこかその付近で新しい謎解きをしてワープポイントを確保しておけば、そこまでの徒労を無駄にすることなく探索範囲を広げることが出来る。新鮮な気持ちで探索してワープポイントを見つけ、新鮮さが無くなった頃には便利な移動手段として確立している。非常に理に適ったシステムであり、ステータス強化以外にも「小さい謎解き」を進める理由の一つになる。
正直なことを言うと、このゲームを始めてからラスボスを倒すまで一切ダレる事が無かったかといわれるとそうではなかった。しかしそこはオープンワールド敬遠マンだった自分が遊び切れたくらいもあり、あの手この手でゲームテンポを維持する配慮がなされていると感じた。

まとめ

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「アクション」、「謎解き」、「オープンワールド」という3つの項目で紹介させてもらったが、これらは一見個々が独立した要素であるように見えて、実は綿密に全てがリンクしたものであった。「アクション」の幅を「オープンワールド」が引き出し、ストレスフリーな「オープンワールド」を「謎解き」が実現させ、「謎解き」の恩恵を「アクション」に引き継ぐことが出来る。「国内産オープンワールドゲーム」としても、「ゼルダシリーズ」としても、間違いなくゲーム史に名を残す傑作であったと言えるだろう。

文責:エンガワ

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