#8 語学一筋だった私が、新たな夢を見つけ、大好きな子どもの可能性を広げる道へ 〜多田桜さんのケース〜
アート思考、システム思考、認知行動療法など、学術的アプローチで「本当のやりたいこと」「人生を通して追い続けたい問い」を見つけ、深め、広げるためのプログラム「NCS(Narrative Career School)」。NCSを卒業し、自分らしい人生を歩み始めた若者たちが語る過去の私、今の私。
「好き」より「得意」を仕事にしないともったいないという思い込み
現在外国語大学に通う4年生です。
大学ではメインの専攻となる中国語と、英語の二本立てで勉強していて、中学校・高校の教員免許を取るため教職の勉強もしています。
ほかにも、子供と関わる学生教育団体にも所属しています。
英語は小さい頃から英会話教室で学んでいて、「自分は英語が得意だ」という気持ちがずっと自信になっていました。高校は英語の勉強に特化した学校に進み、大学も語学系の学校へ進学しました。その延長でなんとなく、将来も中国語や英語を使うところに行くんだろうな、と思っていました。
その一方、実は子供と関わるのが大好きで、大学を決めるとき、保育系の学校に行くか迷ったほどでした。
学生団体では、遊びと学びを掛け合わせたイベントを、4,5歳から小学生くらいの子供に提供しています。
今は、海外のスポーツと異文化理解を掛け合わせたイベントを企画中です。海外のスポーツを子供に体験してもらいながらその国の文化を知ってもらいたいと考えています。
子供が好きな理由は、自分を頼ってくれるところ、親しみを感じてくれるところ、話しかけてくれるところなどたくさんあります。とにかく好きで、いつどんな子を見ても、「かわいいな」と思うんです。
でも、大学で勉強しているのは語学なので、それを仕事に生かさなきゃもったいない、という感覚がすごくあって。
仕事を決めるにあたっては、自分が好きな「子供と関わること」よりも、語学を重視しなきゃいけないんだろうな、と思っていました。
突然の留学中止。ゆっくり体制を整えるために、NCSへの参加を決意。
大学の専攻で中国語を学んでいるので、語学力アップのため、そして現地での生活を体験してみたいという理由で、大学3年生のときに、中国へ語学留学をする予定でした。しかし、渡航の直前、コロナの影響で中止になってしまいました。
そこから気持ちを就活に戻すというのもしんどかったので、「一年間休学してゆっくり体制を整えるというのもいいかな」と思い、休学することにしました。
ちょうどその時、NCSがオンラインで開催することになったことを知りました。
実は、大学1年のときにNCSの主催者である喜多さんのFacebookを見てから、NCSの存在自体はずっと知っていました。しかし当時は対面でしかやっておらず、大学生でなかなか身動きが取りづらいというのもあって、ずっと参加するきっかけがありませんでした。
ですがオンラインで開催されると知り、休学で空いた時間を活用してNCSに参加することにしました。
「子供の可能性を広げたい」という夢が見つかる
NCSではまず、アート思考を使ってやりたいことを見つけるワークに取り組みました。
そこで明らかになった私のやりたいことは、
「子供が気軽に相談や話ができて、遊びながら学んだり、子供の可能性を広げられる先生になりたい」というものでした。
今振り返ると自分にとってかなり大きな出来事で、
その後の自分の人生を大きく変える、もっとも印象的な気づきになりました。
さらにワークを進めるうちに、もう一つ、やりたいことが見えてきました。
それは「子供が安心して話をできる場所を、気軽に相談できる環境を、学童という形で作りたい」というものです。
この企画は、NCSの「自分のやりたいことを最高にワクワクするプロジェクトや企画に落とし込むワーク」を通して作ったもので、「スーパー学童プロジェクト」と名付けました。
この「スーパー学童プロジェクト」には、3つのポイントがあります。そして、それぞれのポイントごとにモデルがあります。
1つ目は、学びとあそびを掛け合わせたものを提供すること。
勉強をもっと楽しんでもらえるようなコンテンツをやりたいと思っています。
これは私が所属している教育団体がモデルになっています。
2つ目は、やりたいことをなんでも体験させてあげる環境を提供すること。
例えば、将来警察官になりたい子がいたら「じゃあ警察官のお仕事一緒に体験しに行こう!」とか、料理作りたい子がいたら「一緒に料理しよう!」とか。
これは、そういったことを実際にやられている団体があります。
その団体でしばらくスタッフとして関わらせてもらっていて、その制度がすごく素敵だなと思って参考にしています。
3つ目は「メンター制度」を提供すること。
子供と気の合うスタッフをマッチングして、何でも相談できるようにします。親戚のお兄ちゃんお姉ちゃんのような付き合いができるといいなと思ってます。
この「メンター制度」は、NCSをヒントにしています。
NCSには色々なメンターさんがいて、自分の喋りたい人に相談できる環境がある。それがすごくありがたかったので、私もそういう環境を作りたくて、モデルにしました。
この企画書を作るのも、もうノッちゃって、ブワーっと作ってしまったのですが(笑)、ドンピシャで自分のやりたいことを作れて、私にとって宝物になりました。
※ 企画書の詳細はこちら。ぜひ見てみてください!
自分の選択に自信を持って、自分で決断できるように
NCSのワークを通して自分のやりたいことがわかってからは、「子供に関わる仕事をする」と決めました。
しかし母は、「せっかく勉強したのに、語学を使わない仕事でいいの?」と心配していました。
母はもともとかなり心配性というか、少し過保護なところがあって、いろんなことを心配してくれる反面、口出しもするタイプ。
何かをしたいと思った時に、心配でどうしても許可を出してくれないことも時々あって、その度に、もどかしさのようなものを感じていました。
その影響で、昔から自分一人で決断するのがすごく苦手でした。
しかし、NSCで「自分のなりたい姿と障壁を洗い出すワーク」に取り組んで、私は心の底では「もっと自分自身の決断を信じてあげてほしい」と願っていることがわかりました。
それに気づいてからは、少しずつ自分一人で決めて、母には事後報告をするなど、自分の決断を信じてあげられるよう、意識的に行動できるようになってきました。
子供に関わる仕事をすると決めたときも、心配する母に「周りの人に色々言われても、これは私が決めたことだからそうする」と芯を持って、自分の意思を伝えました。
結果的に、母は私の決断を尊重してくれています。
自分で決断できるようになってから、
意外と「母は私の決断を尊重してくれるんだな」ということにも気づけました。
今振り返ると、このとき、NCSの環境が背中を押してくれていたと思います。
「ちょっと自信ないな」と思いながら言ったことも、絶対に肯定してくれる。
「いいね!」と仲間が前向きな言葉をかけてくれるんです。
確固たる軸を持って、子供の可能性を広げる道へ
NCSに参加したおかげで、自分の軸を持ち、やりたいことを自信をもって話せるようになりました。
教職の課程で今年の5月に教育実習に行ったのですが、
「子供の可能性を広げたい」という軸をしっかり持って実習に臨めました。
また、就活の面接でも
「子供に原体験のきっかけを与えてあげて、そこから自分の”好き”や”長所”を見つけて、彼らの可能性が広がっていく、というところに自分も関わりたい」
と、自信を持って話せました。
就活をする中で、”教育を織り交ぜながら楽しく学びを届ける”ということに力を入れている企業さんと出会い、
それは今私のやっている活動ともドンピシャで合うなと思いました。
来年の春からは、そこに就職することになりました。
まずは自分が社会で様々なことを経験して、いずれはその経験をもとに、子供たちへ、彼らの可能性が広がるような話をしていきたいと思っています。
NCSを受講しようか迷っている方へ
私はNCSを知ってから、実際に参加するまでに数年かかっています。
今は大学四年生で、今後の進路選択を自分でしなければいけない時期だったので、
その前にNCSで”自分の軸”を固められたのは、本当に良かったなと思っています。
皆さんも、タイミングや環境の問題、色々あると思いますが、「変わりたい」と思ったら、変われると思います。
焦らなくていいから、「変わりたい」と思った時、自分のタイミングで「今だ!」という時に、ちょっと勇気を出して飛び込んでみてください。
案外、自分が思っている以上に変われるかなと思うので。
■NCSメンター陣とのキャリア相談はこちら
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インタビュアー・ライター:杉山万有