母乳育児の呪い

強めのタイトルにしてしまったんですが、最近、Twitterのタイムラインに「出産後、周囲に母乳が出ないことをしつこく言われてつらい」的なつぶやきが流れてきたので、ちょっと私の経験をつらつらと書いてみる気になりました。

私、出産したら、誰でも母乳が出ると思っていました。世間には母乳パッドなんてものもあるし、友人からも胸が張ってつらいなどと聞いていたので。誰でもそういうもんなのかなって。

出産翌日に産院で授乳指導なるものを受けたんですが、なんとか息子が吸い付いてくれるところまではうまくいったものの、母乳は出ている気配はありませんでした。助産師さんにも「まぁまだ翌日だもんね」と言われましたし、そういうもんかと。この時点ではまだ余裕があった…。

しかし、数日経っても私の母乳はちょろりぐらいしか出ず、出ないのであまり吸ってくれないという状況。退院時にマッサージをしてもらって(激痛)、結局少し出るようにはなったのですが、母乳パッドするほどではなかったです。誰でも母乳が出るようになる、赤ちゃんは必ず母乳を吸えるようになる、と思い込んでいた私にとって、これは育児をするうえで最初にぶつかった壁でした。

生後2週間後の健診で、助産師さんに母乳外来なるものを進められて、進められるままに何度か通ったのですが、そこでもちゃんとマッサージしてるのかとか、甘いものを食べるな、食生活に気をつけろのなんのとなにやらめちゃくちゃに叱られて(助産師さんにそのつもりはなかったかもしれないけど、私にはそう感じられた)、私の自尊心はボロボロに…。

今考えるとミルクはしっかり飲んでいましたし、体重もちゃんと増えていたので母乳を必死で飲ませる必要はなかったと思うのですが、この時の私は完全に「母乳育児の呪い」にかかっていました。母乳が出ない私はダメなんだと思っていました。

めずらしくへこみまくっていた私は、私より早く出産・育児を経験している友人たちにみんな母乳ちゃんと出た人?と聞いてみたところ、完ミ(完全ミルク)だよ~とか、混合だよ~など、私の周りでは完全母乳育児の人の方がむしろ少ないという結果に。

また、実母に「こんなにぐびぐびミルク飲んでるんだからいいじゃない」と言われたことと、1か月健診で小児科の先生にあまり母乳出なくて…と言ったら「じゃあミルクしっかり飲んでるんだね。大丈夫、体重しっかり増えてるしうまくやれてますよ」と言われたことであっさりと呪いは解けました。あのときの小児科の先生、私にとっては菩薩に見えました。

結局のところ、私は「母乳で育てられない自分」が嫌だったのかなと思います。生後3か月経った頃、「全く吸わせられなかったわけじゃないし、いいや」と割り切り、完全ミルクに切り替えました。

割り切って母乳をやめてみると、完全ミルクも結構良いことがあります。例えば夫に代わってもらえるようになったこと。一番助かったのは、夜間授乳の間隔が徐々に長くなっていき、早い段階で朝まで寝てくれるようになったことですかね。

完全母乳育児、やれるものならやってみたかったですが、とにかく赤ちゃんがしっかり大きくなってくれることとか、お母さんがストレスを溜めないことのほうが大事ですし、今母乳出なくて悩んでるとか、完全母乳にこだわりすぎて苦しい方がこれを見ているなら、早く呪いが解けてほしいと思います。

とにかく、お母さんがしんどくないことが大事だと思うんです。完全母乳で悩みがないならそれでいいし。でもミルクにする方がお母さんも気楽になれるならそのほうがいいと思います(かといってすぐに割り切れるものでもないんですけどね)。

心配せずとも、母乳やミルクの次は離乳食という次の壁がやってきます。これもまた一筋縄ではいかないことが多々あります…。そのたびにいろいろ悩んだりとか、試行錯誤しながら乗り越えていくしかないんですが、私は完全ミルクに切り替えたときの思考をその後も大事にしています。人と比べないとか、自分がストレスを溜めない方法かどうかとか、子どもにとって本当に大事かどうか。

今でも人と比べてしまったり、あまりごはんを食べてくれなかったなどで悩むことはしょっちゅうありますけど、基本的にはあまり考えすぎないように、まぁそんな日もあるよなと思うようにしています。

あくまで私のスタンスなので、これが絶対正しいというわけではないですし、そもそも育児全般的に言えることは、正解はないってことですよね。本当にひとそれぞれ。その子の性格にもよりますし。しみじみ。

というわけで、うまく締まっていませんが(笑)今回はこのあたりで。また次回。

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洋梨
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